Netflixオリジナルドラマ「全裸監督」主人公のモデルとしても話題の“AVの帝王”こと村西とおるが、紀伊國屋書店新宿本店で新刊『人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいる。』(祥伝社新書)の発売を記念したトークショーを行った。
【TOKYO HEADLINEの本棚】カテゴリーの記事一覧
小池百合子都知事の知られざる半生が一冊に『女帝 小池百合子』発売
新型コロナウイルス感染症への対応でますます存在感を増す東京都の小池百合子知事。7月に東京都知事選挙を控える小池知事の知られざる半生を追いかけたノンフィクション『女帝 小池百合子』の刊行が文藝春秋より発表された。著者は『原節子の真実』で第15回新潮ドキュメント賞を受賞したノンフィクション作家の石井妙子。
裕福な“芦屋のお嬢さん”というイメージと食い違う幼少期、“カイロ大学首席卒業”を裏付ける3種類の卒業証書の矛盾、カイロ時代の同居女性が証言する留学生活やその学力と結婚・離婚、愛憎入り混じる父のエキセントリックな人生、華やかなキャスター時代、日本新党からの参議院選出馬、小泉内閣での環境大臣就任、そして東京都知事へ……。権力への階段を歩む女性の半生を、ノンフィクション作家の石井妙子が4年の歳月を費やして取材・執筆した。
誰も知らなかった小池百合子像が明らかになるという本書。『女帝 小池百合子』は文藝春秋より5月29日発売。
カミュ『ペスト』100万部突破!新型コロナの影響で
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、フランスのノーベル文学賞作家アルベール・カミュ(1913〜1960)の代表作『ペスト』(新潮文庫)の人気が再燃している。1947年に発表された『ペスト』は『異邦人』に次ぐ2作目の小説で、当時フランス領のアルジェリア・オラン市を襲った伝染病ペストの脅威に立ち向かう民衆を描いた不条理文学の金字塔。新潮文庫版『ペスト』は1969年発行、近年では年間で平均5000部ほど増刷していたが、国内で感染が拡大した2月以降に書店からの注文が急増。2カ月で7回15万4000部を増刷し、このほど100万部を突破した。
不用不急の外出を自粛し、伝染病の恐怖と不条理を味わう読書にぴったりだ。
「ケンタッキー」50周年で初の公式ブック、特別付録は何度も使えるクーポン!
1970年の大阪万博において日本に初上陸し、最近では「500円ランチ」が好評を博す「ケンタッキーフライドチキン」。そんなケンタッキー日本上陸50周年を記念したオフィシャルブック『KFC 50th Anniversary やっぱりケンタッキー!』が宝島社より発売された。
日本ケンタッキー・フライド・チキンが編集協力したという同書。内容は「オリジナルチキン」などの調理工程を明かした「KFC’s Kitchen 美味しさの裏側」、“ケンタッキーおじさん”として知られるカーネル・サンダースの生涯にスポットを当てた「カーネル・サンダースの想い」、ケンタッキーの社員や店舗スタッフから募った豆知識を厳選した「KFC50のトリビア」などで構成される。
紗倉まな“新作小説の映像化があれば誰に”の問に「でんでんさんにお願いしたいです」
セクシー女優で執筆活動をしていることでも知られる紗倉まなが2月26日、小説『春、死なん』の刊行記念会見を講談社内で行った。
沖縄の「味な」島建築をめぐる『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』
筆者が初めて沖縄本島に旅行したのは20年ほど前のことだった。「亀甲墓(かめこうばか)」や「石敢當(いしがんどう)」など、目にするものすべてが珍しく、本土との違いに驚いた記憶がある。
そんな沖縄の島建築を紹介する本書は、決して有名だったりデザイン性が高いわけではないものの、土地に根ざした10軒の建築物と、そこで生活する人々の話を丹念にすくいあげている。味噌屋や泡盛工場、戦前から続くホテル、ドライブイン、コルビュジエ風の教会……。シリーズ名の「味な建物探訪」にもうなずける、散歩していてひょっこり出てきたらうれしくなるような場所ばかりだ。
さらにコラムでは「鉄門扉」、「花ブロック」、「直書き看板」などの知っているようで知らなかった意匠を網羅。こんな意匠を探しながら沖縄を歩けば、風景ががらりと変わって見えるだろう。
副題に「建物と暮らしの記録と記憶」とある通り、いつまで残っているか分からない建物を書き留めておく意味合いもあるようだ。取材中に公設市場がなくなってしまい、「あとがき」を執筆中に首里城が焼失してしまったことにも触れられている。
「二子玉川 本屋博」の出版社ブースで入手した掘り出し本。本書を頼りに実際に建物を探訪したくなる。
田中裕子と蒼井優が“二人一役”50万部超のベストセラー小説『おらおらでひとりいぐも』映画化決定!
第158回芥川賞と第54回文藝賞をW受賞し、50万部を突破するベストセラー小説『おらおらでひとりいぐも』の映画化が決定した。当時63歳の新人・若竹千佐子のデビュー作で、夫を亡くしてひとり暮らしをする74歳の桃子さんを主人公に、〈おらだば、おめだ。おめだば、おらだ〉と脳内からジャズセッションのように湧き上がる東北弁を織り交ぜながら、これまでの人生を振り返りたどり着いた「老いの境地」を描く。
主演は現在の桃子役に田中裕子、若い頃の桃子役に蒼井優が決定。なお、田中の映画主演は15年ぶりで、蒼井との共演は今回が初となる。監督は『南極料理人』、『横道世之助』の沖田修一が務め、脚本も原作に惚れ込んだ沖田自身が執筆した。原作『おらおらでひとりいぐも』は絶賛発売中、映画は2020年公開予定。
2020年は「ムーミン75周年」!原作小説がリニューアル
2020年はフィンランドの国民的作家、トーベ・ヤンソンが「ムーミン」を発表して75周年。1945年に最初の小説『小さなトロールと大きな洪水』が発表されてから四分の三世紀、1964年に日本で翻訳出版されてから55年以上愛されている。昨年より現代に合うように読みやすく改訂し、トーベ・ヤンソンの絵をさらに美しく再現した決定版『ムーミン全集[新版]』(講談社)が順次リニューアル刊行されているが、その全9巻がついに揃う予定だ。原書最終版に基づきより細部にこだわり、フィンランド最新版と共通のカバーデザイン、四六判ソフトカバーでコンパクトになったほか、全巻初回限定で特製ポストカード付き。ムーミン好きなら手元に置いておきたい愛蔵版だ。
インド旅行好き23人の体験談をごった煮で『旅の賢人たちがつくったインド旅行最強ナビ』
旅行作家で編集者、惜しまれつつ終了した紀行バラエティー「クレイジージャーニー」でも人気を博した丸山ゴンザレスが編集する「最強ナビ」シリーズ最新刊。今回は国別版の第3弾で、テーマは「インド」。丸山本人を含む23人の執筆陣を従え、“人生観が変わる”といわれるインド旅の魅力を、さまざまな角度から描いた読み物で堪能できる。
このシリーズ最大のポイントは、何と言っても執筆者がすべて署名原稿で自身の体験談を記していることだろう。性別も年齢も渡航回数も違うメンバーの話がごった煮状態で載っており、旅の目的も沢木耕太郎に憧れて……といった王道系からサイババに会う、ヨガ、砂漠&ラクダ、映画の買い付けなどなど。中には「東京のインディア」、「日本のインドカレー屋」、「インドを旅する日本人」などのエピソードもある。
海外渡航経験がない筆者には、この本が実用的なのかどうかは皆目見当がつかないが、地に足の着いた情報ばかりで、とにかくみんなインドが好き(丸山本人は嫌いと公言しているが、印象として)なんだな、と感じられるのが微笑ましい。ぼんやり「インド旅行に行きたいなぁ」などと思っていたら、インド好きの飲み会に誘われてしまったような読後感。丸山ゴンザレスの編集者としての力量が光る。
今年一番○○だった本でオールスターが激突!?
スチュワーデスの歴史から片手袋考察まで、ビブリオバトル頂上決戦
話題のノンフィクション『つけびの村』は『ツイン・ピークス』なのか 映画史研究家・春日太一が読み解く、高橋ユキの作家性
2013年に発生した山口連続殺人放火事件を題材に、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)を上梓したフリーライターの高橋ユキ。WEBを中心に話題を呼び、発売3カ月で3万部を突破した同書の刊行記念イベントが渋谷の大盛堂書店で行われた。お相手は新刊『黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄』(文藝春秋)が好評な映画史・時代劇研究家の春日太一。
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春日太一(以下、春日):今日は「大盛堂の寄り合い」ということで、早速僕も『つけびの村』を読ませてもらいました。読んでいるうちに高橋さん自身への興味が強くなってしまい、同じ物書きをやっている立場として考えたことを一個一個答え合わせしたくなって、そのためにはイベントをやろう、と。
高橋ユキ(以下、高橋):私はこれまで、春日さんを一方的にツイッターで見ていたので。感想をつぶやいてくださって、ありがとうございました。
春日:本当に素晴らしい本で、僕はデヴィット・リンチの『ツイン・ピークス』を思い出したんですよ。殺人事件が起きました、捜査官がきて捜査しました、犯人も動機も分かりませんでした。ひとつだけ分かったのはこの街は奇妙な人たちの集まりだということでした、という。ようは『ツイン・ピークス』という作品は、結末それ自体というよりもクーパー捜査官が捜査している過程が面白いわけです。高橋さんがこの村に来て、集落の異常性を経験して、その取材ドキュメントとして書かれているじゃないですか。僕はそこが、この本が今までの事件モノのノンフィクションに比べて新しかったし、面白かったところだなと思っています。そのへんは意識して構成したのですか?
高橋:きちんと結論づけるノンフィクションは私も好きなんですけど、今回の本については取材をした時点で、彼(保見光成死刑囚)の妄想性障害がかなり進行しているな、という印象が強くあって。この証言の真実性を、取材者として断定するのは危険だと思ったんです。同時に、村の取材で耳に入ってくる村の方々の話がちょっと変だな、噂がすごいなと感じていて、「コープの寄り合い」の話を聞いた時に、噂を主軸に組み立て直してストーリーを作ってみようかな、と。
春日:最初にこの本に違和感と同時に、すごいものが始まるぞと思ったのが32ページでした。魔女の宅急便の家に行って、外から呼びかけると、どんどんテレビの音量が上がってくるという描写があります。それが伏線になって104ページで偶然、その家主に遭遇するんですけど、すごいなと思うのは、この人はなにを言っているのか分からないんですよね。しかも高橋さんは、そのよく分からない言葉を、そのまま載せている。そこが『ツイン・ピークス』だなと。
高橋:ゲラ(校正刷り)の段階で、もうすこし話を整理しようかとも考えたんですけど、そのまま載せたほうがこの人のキャラクターと、話を聞いた時の私の困惑が伝わるかなと思って残しました。
春日:分かりにくいところを分かりやすく整理することによって、ドキュメント性や生々しさが失われる怖さ……そのまま残すのは、書き手として勇気のいることですが、この描写がそのまま載っているからこそ、作品になんとも言えない異様なぬめりけが出てくる。最終的に田村さんの重大な証言に至るまで、この人たちはなにを言っているか分からないぞという、すべてを残した決断がすごいなと思ったんです。
高橋:そう言っていただけてよかったです。

