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「生きづらい」と思っている女性は必見!?ペヤンヌマキの初エッセイ『たたかえ!ブス魂』

2013.09.02 Vol.599

 AV監督で演劇ユニット「ブス会*」の主宰を務めるペヤンヌマキが半自伝的エッセイ『たたかえ!ブス魂〜コンプレックスとかエロとか三十路とか〜』(KKベストセラーズ 1344円・税込)を書き下ろした。
 その肩書から“女性のAV監督が書いた本”というところに興味が行きがちだが、そんな単純な本でもない。内容は半自伝的とあって、著者のコンプレックスや仕事や恋愛に対する心の内が余すところなくつづられている。

「ブス」といっても、最近はブスの定義もあいまいだ。

「容姿のブスに限定した話ではないんです。ここでいうブスっていうのは=コンプレックスのこと。どこにコンプレックスを持っているかで、その人の個性が分かるじゃないですか。コンプレックスはその人の魅力だったりするから、それをなくすんではなく、強みに転化させるというのが大事だと思うんです」

 コンプレックスなら男も持ってる!!

「男の場合、仕事とか地位とかでコンプレックスを克服できる場合も多いんです。でも女はそうもいかない。仕事で克服しても、年齢を重ねていくと独身、子供がいないといったまた新たな悩みが出てくる。女の場合は地位が高くなればなるほど敬遠されるという面もあるんです」

 こう聞くと「女は生きづらいんだな」と思うが、この本ではそこをいかに乗り切るかということも描かれている。

「女性特有のコンプレックスの話なんで、まずは女性に読んでもらいたいですね」

 ちなみにペヤンヌマキはバカにされたり軽んじられる度にそのうっぷんを刻んだデスノートならぬ“ブスノート”なるものを持っている。

「30歳をすぎて、ブスノートに刻みこまれる男が増えてきました。女性蔑視や根本に“女のくせに”と思っている男は即ブスノート入りです」

 そういう意味で男にとってはこの本は、リトマス試験紙的なものになる。中身があんまり理解できなかった人はきっと、あなたの周りにいる女性のブスノートに書き込まれちゃっているかもしれないので要注意だ。

BOOK あの日、僕は連続殺人犯に出会った

2013.09.02 Vol.599

 第59回江戸川乱歩賞受賞作品。14年前、ある地方都市で連続殺人事件が起こり、犯人はある少年を事故で殺してしまったことから、あっけなく逮捕される。逮捕された犯人は、その猟奇的な手口には似つかわしくない美貌と謎めいた語り口で熱狂的な信奉者を得るが、ついに死刑が執行される。しかし彼の死をきっかけに、その手口を模倣した連続殺人鬼が出現する。14年の時を超え、新たな殺人鬼と対峙することになったのが、最後の犠牲者となった少年の双子の弟・南條仁。仁は養子に出され、離れ離れに暮らしていた兄が殺されたあと、兄の代わりに同じ家の養子となり、ジレンマを抱え生きていた。見た目はそっくりだけど、兄じゃない自分。兄の代わりにはなれず、養母に愛されない自分。そんな闇の原因となった殺人鬼の模倣犯が現れたことで、兄の事件と改めて向き合うことになった彼に待ち受けていた衝撃の真実とは。

BOOK おまえはまだ死なない。俺がついているから。

2013.08.19 Vol.598

 100万部を突破し、ドラマや映画化もされた伊坂幸太郎の『死神の精度』の続編が8年ぶりに発売された。調査部から指定された対象者と接触し、1週間の調査後、その死を“可”とするか“見送り”とするかを判断する死神。可と判断されれば、その人物は8日後に死亡する。前作は6つの短編からなっていたが、今回はあの死神“千葉”が調査対象の夫婦と向き合った7日間を長編で描く。クールでちょっとズレたキャラクターの千葉は、人間の感情や行動に興味がなく、言葉の裏を読むとができない。それゆえ、淡々と仕事をこなす事をモットーとしているが、そのとぼけたキャラクターは、対象者にとって救いになることも。音楽が大好きで渋滞を憎み、苗字が町の名前で、過去のことを見てきたように話す。そんな死神・千葉が最愛の娘を殺されて、良心を持たない犯人への復讐を企てている男の死をどう判定するのか?!

BOOK 善人は、たちまち悪人になりえる。

2013.08.05 Vol.597

 累計40万部を売り上げた『さよならドビュッシー』の著者の連作短編集。主人公は話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事。元俳優の卵で、男性容疑者の嘘は必ず見破るという観察眼の持ち主だ。各短編に付けられた色の毒を持つ登場人物たちは、善と悪の両方の顔を持ち、最後まで誰が善人なのか悪人なのか、また真実はどこにあるのかがまったく予想不可能な展開。著者自ら最高傑作と語る同書の読み手の想像を上回るストーリーはドキドキの連続で息もつけぬほど。人の心にある毒がじわじわと心を侵食してくるような恐怖とそれに浸りたい好奇心に満たされる。

BOOK 知られざる馬肉のすべて

2013.07.22 Vol.596

 昨年「日本の生肉食と馬肉を守り、全国での馬肉食でのさらなる普及」を目指し、社団法人日本馬肉協会が発足。その活動のひとつとして同書が刊行された。プロの調理人、飲食店経営者向けに構成されているが、多彩なレシピ、馬肉に関する基礎知識や部位別の特徴、おいしい店の情報などが綺麗な写真とともに紹介されているので、普通に見ても楽しめてためになる本だ。馬肉は栄養価が高く低カロリーなので、美容や健康にもいいと最近人気の食材。それに何より、これからも継承していかなければならない日本の食文化でもある。馬肉だけではなく、肉好きなら手元に置いておきたい一冊。

BOOK この気持ちはロマンチックが見せた幻影、それとも本当の恋 !?

2013.07.08 Vol.595

 街ではロマンチックな気分にさせるウイルスが蔓延し、あっちでもこっちでも、ロマンチックなカップルが多発中。しかし、この本に登場する人たちはみんな、そんなロマンチックなどお断り!とロマンチックに浮かれている人を斜めから見ているような人ばかり。ずうずうしいクマ男のことが気になろうとも、ストーカー男に心が揺らごうとも、失踪した旦那を憎みきれなくても、ロマンチックなんて認めない! 果たしてそれは本当にロマンチックウイルスのせいなかの? そしてまた、このなんだか分からない気持ちは、ロマンチックが見せた幻想なのか? ちょっと不思議な恋愛小説集。

BOOK おいしさや値段だけで選んで大丈夫ですか?

2013.06.24 Vol.594

 子どもの口に入りやすい上位200以上の商品を完全網羅した、不安食品見極めガイドが発売された。子どもが大好きなジュースやお菓子、ファストフード、冷凍食品…。健康のことを考えると、なるべく食べさせたくないのが親心。しかし、そう言っていられないのも現実。だったら“より安全なほう”を選びたい。同書は、商品に含まれる成分を客観的に分析、その商品のどの原料がどんなふうに体に影響を与えるのか、もしくは問題があるのかを、二者択一でハッキリと指摘。食品を目次で検索し、そのページを開いただけですぐに“食べるならどっち!?”を判断できる便利本。

BOOK ここは女のザンゲ室。働く女性のリアルな悩みに理恵子ママが切り込みます

2013.06.10 Vol.593

  シリーズ12万部を突破した『スナックさいばら おんなのけものみち』の第2弾は、働く女性に捧げる応援歌。仕事に恋愛、人間関係に疲れ果てても、人生は笑って過ごしたい。くさくさして、やさぐれ気分になった時、ちょっとだけ愚痴を言ってみたくなることだってある。そんな顔で笑って心で泣きながら頑張っている女性に理恵子ママがエールを贈る。69人のセキララな人生に、「わかるわかる」と相槌を打ちながらも、「私も経験したよ」ともっと壮絶な人生を語る理恵子ママ。「立ち向かうな!バックレろ!」。逃げるが勝ちの人生もあるさと、優しく背中を押してくれる一冊。

演出の妙を感じさせる作品 世田谷パブリックシアタープロデュース『オセロ』

2013.05.27 Vol.592

 常に独創的な作品を発表する世田谷パブリックシアターが、またもや新たなる挑戦に乗り出す。

 今回の題材はシェイクスピア四大悲劇のひとつとして知られる『オセロ』。そして白井晃が『オセロ』を現代の視線で再構成・演出する。白井がシェイクスピアを手掛けるのは遊 機械/全自動シアター時代以来となるから、それだけでもレアといえばレアなのだが、今回はなにやら演出がかなり特殊なことになっているという。

 俳優は単にその役を演じるだけではなく、“素の俳優”と“俳優が演じている役”という二重構造の中で演じ、心情をシンクロさせていく。演出家は本来の意味の役割を越え俳優に関わろうとし、俳優は時として素の心情で共演者に嫉妬の目を向ける…。

 例えば舞台に立つ仲村トオルは、その時「オセロ」なのか、「オセロを演じる俳優」なのか、それとも「素の仲村トオル」なのか…といった案配。

 二重構造というと劇中劇を思い浮かべるかもしれないが、今回の場合は異次元というか異空間といった趣。劇場構造をも駆使した壮大なる挑戦ともいえる作品。

BOOK 人生って前に進むことしかできないから part1

2013.05.27 Vol.592

 6年付き合った恋人と別れ9歳年下の男性と交際中の歯科医師の桃。桃の親友の響子、響子の母親で、同棲中の恋人を残し急死してしまった和子。そして、そんな彼女たちの恋人、配偶者、元彼たち。誰かを求める思いに、あまりに素直な男女たち“はだかんぼうたち”が、約束も束縛も将来の展望もない恋愛に身をゆだねていく。

 桃の親友・響子は4人の子持ち。元暴走族の旦那と子どもの世話に明け暮れながら家族のことを素直に愛している女性だ。そんな響子に桃の新しい恋人は惹かれていく。しかもそれを桃に隠そうともしない。その現実に違和感を持ちながらも、別れることも、彼らを責めることもしない。「彼と私は似た者同士だ」と桃は思う。

 終わりもない、答えもない恋愛だが、登場人物たちは、小さな喜びや嫉妬、ときめきや寂しさといった感情を大事に抱えながら日々生きている。小さな嘘や本心を隠しながら。

 痛みを引き受け、温もりを受け入れ、折り合いをつけながら、愛を求める姿は切ない。しかし心に大きなものを秘めながら、淡々と日常を生きる彼女や彼らに共感できるのはなぜか? さざ波のような小さなザワザワを感じながら、大波にのみ込まれないように静かに生きることが、自分を守ることだと知っているから。

BOOK 人生って前に進むことしかできないから part2

2013.05.27 Vol.592

 作家、コピーライター、漢字セラピストのひすいこうたろうと、企画プロデューサー石井しおりの共著の、常識にとらわれず人生を切り開いた先人たちの名言とエピソード集を集めた本。心理カウンセラー資格を持つひすいは、『3秒でハッピーになる名言セラピー』がベストセラーになり、名言やセラピー本を多数出版。無料配信中の『3秒でHappy?名言セラピー』には、2万7000人が登録。人生をハッピーにする名人なのだ。

 目次のあと、1番最初のページにはアインシュタインの「常識とは18歳までに培った偏見のコレクションである」という名言が。この言葉から著者は、「常識は国が変われば非常識になりえます。常識は時代が変わっても非常識になりえます」と説明。そこから自分が常識だと思うことを疑うこと、そして疑うことで、自分の思い込みや価値観に気づくことができると言う。

 名言を発した人の言葉を解説し、成功エピソードを紹介することで、より名言の意味を理解することができるのだ。選択に迷った時、無難なほうを選択しがちな気弱な人に勇気を与える一冊。

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