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メディアを越えた表現に没入する!「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020― さまよえるニッポンの私」

2020.02.15 Vol.727

 名画や映画の登場人物や、歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌が「さまよえるニッポンの私」とは何かという命題に挑む注目の個展。

 これまで、巧みなメイクや衣装で、時代や人種、性別を超えてさまざまな人物に自らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独自の解釈を加えてきた森村が、本展では、自らが脚本を手がけ自演する映像作品「エゴオブスクラ」と、この映像を用いて会期中開催される作家自身によるレクチャーパフォーマンス(満席につき受付終了)を通じて、作家は日本近現代史、文化史に言及する。

 その他にも、マネ「オランピア」から生まれた初期代表作「肖像(双子)」と新作「モデルヌ・オランピア 2018」、同じくマネ晩年の秀作を原作とする「フォリーベルジェールのバー」の最新作も登場。この 3 点の登場人物が複雑にからまる展示は必見。また、館内のトイレを作品化したユニークな常設インスタレーション「輪舞(ロンド)」もお見逃しなく。

 戦後日本の復興を印象付けた先の東京オリンピックから 55年を経た 2020年、再び東京でオリンピックが開かれる年、森村とともに「私」とは何かを自らに問いかけてみては。

マネの名画になりきって…上野で美術家・森村泰昌のワークショップ開催

2019.10.26 Vol.Web Original

 東京・上野の東京都美術館 講堂ステージにて25日、名画や著名人に扮したセルフポートレイトで知られる美術家の森村泰昌によるワークショップ「モリー=ベルジェールの写真館」が行われた。現在開催中の展覧会「コートールド美術館展 魅惑の印象派」の関連企画として、本展のイメージビジュアルでもある印象派の画家・マネの最晩年の傑作といわれる《フォリー=ベルジェールのバー》のバーメイドに公募で選ばれた一般客が変身。1989年に発表した作品「美術館の娘(劇場A、劇場B)」でバーメイドに扮した森村自身も、鏡に映る男性として撮影に参加する。

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