金色のヒットマン 城戸康裕(きど・やすひろ)【格闘家イケメンファイル Vol.47】

撮影・神谷渚
 Krush -70㎏級で王者となり3回の防衛を果たすなど、同階級を牽引してきた城戸が6月24日に行われる「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN ~-65kg世界最強決定トーナメント~」のスーパーファイトに電撃参戦。

「1年半くらい前にKrushのベルトを返上して、主戦場をほかの所に移し活動しながら、新生K-1に出るタイミングをうかがっていました。新生K-1を観客として1年半見ていて、どの大会もすごく面白いと思った。選手一人一人が、自分が主役になってやろうという気迫がみなぎっている。多分ガキのころからあこがれて目標にしていたK-1という舞台が、20歳ぐらいでなくなって目標を見失いかけていたところに復活したので、思い入れが強いんだと思う。そんな選手たちの戦う姿を見て、すごく楽しそうだなと思っていました」

 格闘技を始めたのは高校時代。

「なんとなく家の近くにキックボクシングのジムがあったので、始めた感じですね。中学校時代は陸上部だったんですが、2個上の先輩がそのジムの谷山会長の息子さんだったのもあり、本当になんとなく。半年ぐらい続けばいいかなという軽い気持ちでしたが、通っているうちに自分がどんどん強くなっていくのが分かるんです。そうなるとますます面白くなってくる」

 のめり込むほどめきめきと強くなっていった城戸はプロを意識。

「K-1のほかに、K-3という全国大会が高校生の時に行われて、そこで全国優勝をしたんです。それで俺、プロでもいけるんじゃないかなって具体的に考えるようになりました。まあ、その時は高校に入って遊びまくったら、成績が下から数えたほうが早いぐらいまで落ちてしまったので、これで優勝してそれをネタに大学に行こうと思ったというのが本当のところで(笑)。でもそれが第1回目の大会で、第2回はなかった。幻の大会ですよ(笑)」

 たった1回のチャンスをものにするとは強運だが、城戸の強運伝説はここで終わらない。

「優勝したことで、大学に行けるとのうのうとしていたら、同級生がAO入試とかそろそろやばいよって(笑)。それで慌てて調べたら、東海大学と国士舘大学しか間に合うところがなくて、しかも東海大学は翌々日が試験だった(笑)。それで国士舘を受けることにするんですが、実はその年から自己推薦を始めていたんです。しかも、翌年にはなくなったから、相当ラッキーですよね。書類審査と面接と小論文があったんですが、その当時付き合っていた同級生の女の子が、小論文はテーマの意味が分からなきゃ答えられないけど、“スポーツの意義”って言われて分かるの?と言ってきた。もちろん分からないから、必死で調べて書いて国語の先生に添削してもらったんです。それで次の日試験を受けたらテーマが“スポーツの意義とは”だった(笑)。心の中で“やったー”って叫びながら、書き上げ、無事合格しました。大学でも1年生でいきなりチャンピオンになり、翌年もチャンピオンになった事で同好会から部に昇格。ほんとついてるなと。で、大学2年生の時に、K-1 WORLD MAXが始まったんです。その時はまだ2階級しかなかったけど、そのうちのひとつがたまたま自分の階級だった。それでそこを目指せばいいんだって思って、プロデビューしたという感じですね」

 もちろん運だけはなく、才能や努力があってこその実績だが、強さだけの評価では不満だとも。

「格闘家ですから、強いのは当たり前じゃないですか。強いから格闘家になったわけですから、そう言われても…ね。それより僕は面白いって言われるのが一番うれしい。あおり映像も自分で作りますし、映像から登場、試合まで全体で城戸康裕を楽しんでほしい。全体的なエンターテインメントとしての城戸を丸ごと楽しんでいただければ。すべてを含め全体を楽しんでもらえるような試合をしたいし、そういう選手でありたい。ワクワクさせますので、任せて下さい。会場に来ている武尊のファンを俺のファンにします(笑)。武尊ファンを城戸ファンに。それが俺の目標です(笑)」
撮影・神谷渚
撮影・神谷渚
城戸康裕(きど・やすひろ)
1982年12月25日生まれ、神奈川県伊勢原市出身。2001年、全日本学生キックボクシング連盟 ウェルター級 王座。2002年、全日本学生キックボクシング連盟 ミドル級 王座。2003年、第14回 全日本新空手道選手権大会 K-2トーナメント 中量級 3位。2006年、第8代マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟 日本ミドル級 王座。 2008年、K-1 WORLD MAX 日本代表決定トーナメント 優勝。 2012年、Krush -70kg級 王座(防衛3回)。2014年、WBKF 世界70kg級 王座(防衛1回)。6月24日(金)に国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN ~-65kg世界最強決定トーナメント~」のスーパーファイトに出場する。谷山ジム所属。