日本の農業を元気にしよう!

Farming Project 特別連載 vol.2



NPO
NPO法人農家のこせがれネットワーク 宮治勇輔



農業を楽しむ「Farming(ファーミング)」を提唱し、さまざまな取り組みを行っているファーミングプロジェクト。月に1回、千葉県市原市「Farming Garden in 生命の森リゾート」内で体験農業イベントを行うほか、都心の小学校で子どもたちに野菜の栽培と収穫を体験させるファームルームなどの活動を行ってきた。今後は、企業、自治体、団体、プロ、アマ、個人で活動している人々を結びファーミングのネットワークを構築していきたいと考える。それぞれの立場で日本の農業について考え、行動を起こしている人たちに話を聞き、ファーミングネットワークへの道を探る。



ph_tokyo0400.jpg

宮治勇輔(みやじ・ゆうすけ)
1978年生まれ。2001年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、パソナに入社。2005年退職。実家の養豚業を継ぎ、2006年9月に株式会社みやじ豚を設立、代表取締役に就任。生産は弟、自身はプロデュースを担当し、2年で神奈川県のトップブランドに。みやじ豚は2008年農林水産大臣賞受賞。2010年、地域づくり総務大臣表彰個人表彰を受賞した。





ここははじめの一歩を踏み出す場



 自身も養豚農家の長男として生まれ、現在は家業を継ぎながら、同じような農家のこせがれや、それを応援する人々を集め「NPO法人農家のこせがれネットワーク」を設立した宮治氏に立ちあげの経緯やその役割を聞く。



「“農家のこせがれネットワーク”っていうのは、都心で働く農家のこせがれをそそのかし、会社を辞めさせて実家に帰し、農家を始めてもらおうというのが、ミッションなんです。名刺にもうたってますが、“一次産業をかっこよくて、感動があって、稼げる3K産業に”というのが自分の使命だと思っています。では、そうするためにはどうしたらいいのか?いろいろ調べると日本の農業界が今危機的な状況にあるということが分かってきた。農家の高齢化や農家だけでは生活が成り立たない現状など、問題は山積みです。だったら、農家のこせがれを実家に帰すのがてっとり早いんじゃないかって思ったんです。だって実家に帰れば家賃も食費もタダ。土地もあるし、指導者はオヤジがやってくれる。しかも周りは小さなときから知っている人ばかり。農業をやるのに、こんなに恵まれている存在っていないんですよ。農家のこせがれを実家に帰すのが、日本の農家にとってインパクトがあり、ハードルも低い。それがスタートですね。



 そしてまた、ここの特徴であり、最大のいいところは、農業者だけのネットワークじゃないということ。結局農業者だけ集めても新しいことは生まれないんですね。ネットワークというゆるいつながり。だからそれぞれの地域でいろいろな出会いがあり、化学変化が起こり、おもしろい取り組みが行われる。自発性をうながし、何か実験的なことでもいいからやる。ここははじめの一歩を踏み出す場なんです。はじめの一歩を踏み出せば、たとえそれが失敗しても、次の一歩が踏み出せる。だから僕たちが全部提供するんじゃなくて、自分で考えて自分で行動する場所を作ってあげることが大事で、それがこのネットワークなんです。そこには、若くて元気な農業者がいますし、支援者もたくさん集まっています。マルシェや六本木農園のようなテストマーケティングの場所もあるので、全国各地の元気な農業者のチャレンジの場所になればいい。キラキラ輝いている若くて元気な農業者がいる。そして農業で生活ができて、幸せそうに頑張っているっていうのをイメージさせてくれる彼らの存在はこせがれにとってもすごく大きいものなんです。農家のこせがれが、胸をはって農家のこせがれだって言えるようになるのが、最初の成果だと思いますね」



農家のこせがれネットワーク2周年記念イベント



 自身も養豚農家の長男として生まれ、現在は家業を継ぎながら、同じような農家のこせがれや、それを応援する人々を集め「NPO法人農家のこせがれネットワーク」を設立した宮治氏に立ちあげの経緯やその役割を聞く。



 ネットワーク設立2周年を記念し、3月5日、6日に六本木でさまざまなイベントが開催された。マルシェへの参加や交流会、年次総会、分科会などプログラムが盛りだくさん。どの会場にも全国各地から若い農家、農家と交流をはかりたい生活者が多数参加。大盛況のイベントとなった。





ph_tokyo0401.jpg

六本木農園で行われた交流会。20代〜30代の200名以上の参加者が全国から集まった。その模様はUSTREAMでも配信された(写真〈1〉)。アークヒルズ、カラヤン広場で開催されたマルシェに出店(写真〈2〉)。ワールドカフェで交流(写真〈3〉)。事業構想発表会第2部、「宮治勇輔講演会〜なぜ、宮治勇輔はこせがれネットワークを設立するに至ったのか〜」(写真〈4〉)