日本の農業を元気にしよう!NPO法人農家のこせがれネットワーク 宮治勇輔

Farming Project 特別連載 vol.2
 農業を楽しむ「Farming(ファーミング)」を提唱し、さまざまな取り組みを行っているファーミングプロジェクト。月に1回、千葉県市原市「Farming Garden in 生命の森リゾート」内で体験農業イベントを行うほか、都心の小学校で子どもたちに野菜の栽培と収穫を体験させるファームルームなどの活動を行ってきた。今後は、企業、自治体、団体、プロ、アマ、個人で活動している人々を結びファーミングのネットワークを構築していきたいと考える。それぞれの立場で日本の農業について考え、行動を起こしている人たちに話を聞き、ファーミングネットワークへの道を探る。
事業構想発表会第2部、「宮治勇輔講演会〜なぜ、宮治勇輔はこせがれネットワークを設立するに至ったのか〜」

ここははじめの一歩を踏み出す場



 自身も養豚農家の長男として生まれ、現在は家業を継ぎながら、同じような農家のこせがれや、それを応援する人々を集め「NPO法人農家のこせがれネットワーク」を設立した宮治氏に立ちあげの経緯やその役割を聞く。

「“農家のこせがれネットワーク”っていうのは、都心で働く農家のこせがれをそそのかし、会社を辞めさせて実家に帰し、農家を始めてもらおうというのが、ミッションなんです。名刺にもうたってますが、“一次産業をかっこよくて、感動があって、稼げる3K産業に”というのが自分の使命だと思っています。では、そうするためにはどうしたらいいのか?いろいろ調べると日本の農業界が今危機的な状況にあるということが分かってきた。農家の高齢化や農家だけでは生活が成り立たない現状など、問題は山積みです。だったら、農家のこせがれを実家に帰すのがてっとり早いんじゃないかって思ったんです。だって実家に帰れば家賃も食費もタダ。土地もあるし、指導者はオヤジがやってくれる。しかも周りは小さなときから知っている人ばかり。農業をやるのに、こんなに恵まれている存在っていないんですよ。農家のこせがれを実家に帰すのが、日本の農家にとってインパクトがあり、ハードルも低い。それがスタートですね。
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