野田秀樹の戯曲に挑む『カノン』


 東京芸術劇場では2009年に野田秀樹が芸術監督に就任以来、さまざまな自主企画による作品を上演している。その中に国内外の演出家が野田の戯曲に挑むというシリーズがあるのだが、今回は劇団・快快の野上絹代が『カノン』を演出する。

 同作は2000年にNODA・MAPで上演されたのだが、浅間山荘事件をモチーフとした作品ということもあり大きな話題を呼んだ。作品では思想や理想、人間の本質、若者たちの焦燥感といったものが描かれたのだが、それは20年経った現在でも全く色褪せることはないもの。むしろ現在の日本の国内外で起きている現象や我々を取り巻く環境を鑑みると、今こそ上演する意義のある作品にも思える。

 野上は5年前に東京芸術劇場の共催協力で行われた「演劇系大学共同制作」という企画でこの作品を演出。それを見た野田が「冴えわたった演出に吃驚し、再演をすればさらに磨きがかかるのではないかと思った」と発言。今回のシリーズ企画への抜擢につながったという。

 なお6日の19時には追加公演が決定した。
『カノン』
【日時】3月2日 (月) ~3月15日 (日)(開演は月~木19時、金14時、土日13時/18時。※6日(金)は19時の回あり。12日(木)は14時の回あり。4、9、10日休演。開場は開演30分前、当日券は開演1時間前から発売)
【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
【料金】全席指定 一般5000円、65歳以上4500円、25歳以下3500円、高校生以下1000円(65歳以上、25歳以下、高校生以下チケットは劇場ボックスオフィスのみ取り扱い。枚数限定・要証明書)
【問い合わせ】東京芸術劇場ボックスオフィス(TEL:0570-010-296=休館日を除く10~19時〔HP〕 https://www.geigeki.jp/
【作】野田秀樹【演出】野上絹代
【出演】中島広稀、さとうほなみ、名児耶ゆり、永島敬三、大村わたる、山本栄司、長南洸生、緒形敦、川原田樹、中林舞、手代木花野、佐々木美奈、前原麻希、本多遼、湯川拓哉、小田龍哉、村田天翔、佐野功、木津誠之、家納ジュンコ、佐藤正宏、渡辺いっけい