玖村修平「第二の自分として進化していく姿を見せていきたい」

“今、自分はこれをやって生きてる”ということが、楽しい


 ところで修平選手は、好きなアスリートが松本哲也(野球選手/現・読売ジャイアンツ)さんとのことなのですが

「そうです! 松本選手のタオルを毎日持って応援していました。育成選手の背番号が100番台の時から見ていて。僕も小柄だったので、小柄で努力している姿を見て、ずっと好きで。自分は天才型じゃないから、松本選手ががむしゃらに努力する姿を見て刺激をもらっていました。一軍に出場していなかったときも毎日二軍の速報を見ていて、“あ! 今日出てる!"とチェックしていたくらいです。いつか会いたいです、あの方にはメチャクチャ勇気をもらいましたので」

 巨人ファンでもある?

「はい。でも東京ドームにはまだ行ったことがなくて。今となっては後楽園ホールに出場しているので、最寄駅で降りる人のほとんどがドームの試合なりイベントに向かっているのは悔しいですけどね。いつか東京ドームの格闘技のビッグイベントの出場者として、あそこに立ちたいです」

 入場曲を歌っているwilywnkaさんとは、地元にいた頃からのつながりなのですか?

「地元が隣の町で、同い年なんですけど、実は僕は全然知らなくて……。地元で大スターだったんですけどね。自分の高校に彼と仲のいい子がいたことがきっかけで曲を提供してもらうことになったんです。彼がアーティストとしてブレイクしてから曲を聴くようになって、それがきっかけでHipHopも聴くようになりました。それから彼の話を聞いたりするようになって、感情移入もするように。彼の影響力は大きいですし、僕の入場曲がきっかけで彼のファンになったという人もいてうれしいです。今、彼はずっと上のステージにいるけれど、ひとつの目標として、入場のときに彼に生ライブしてもらえたらと思っているんです」

 ぜひ、東京ドームで。

「そうですね! ところで、東京ドームではありませんが、実は中学生の頃にオリックスvs広島の交流戦で国歌斉唱したことがあって。野球部の5人くらいで出たんですけど、僕だけ野球少年なのに髪が長いしアシンメトリーで(笑)、カブレラ選手にめっちゃ笑われました。みんな中2で変声期なうえに野球部なので声ガッサガサで(笑)、球場で大爆笑が起きました。あの時のことを思い出しても、ああいうすごい舞台で試合したい!って思います。さいたまスーパーアリーナももちろんすごいですけど、あんなふうに人を見渡せる仕事したいな、って思うんです」

 貴重すぎる経験です(笑)。野球好きということで、オフの日は野球観戦などをしているのですか?

「たまに弟とキャッチボールしたりもしますよ。ただ、トレーナーにも“プライベートどうしてんの?” と聞かれるくらいで、特に休みの日に何をしているっていうのがなくて。暇があれば走りに行ったりしてます。“なんで毎日そんなにハードに練習してんの? そんなの修平だけだよ” って言われるんですけど、それを生き甲斐というのか。今、自分はこれをやって生きてるっていうことが楽しくて。とはいえお酒は好きなので飲みにだって行きますし、音楽を聴いたりもします。あと料理には目覚めましたよね、食事、大事ですよね。体重は55kgで節制していたときと変わっていないのですが身体を見比べると全然違う。実を言うと今年3月の朝久泰央選手の試合を見た影響も大きくて。一階級上といっても直前のオファーで試合をして林健太選手に勝ってしまうという彼のプロ意識に触れて、自分もこうでなくては、と。それからフェザー級だったら何日で落とせるか?というようなことを考えるようになって。1週間後でも3日後にでも戦える身体づくりを意識するようになり、生活から変えていくことに」

 日々の練習に励み、ファイターとしての意識も高く、さらには弟さんが家にやってきたり一緒に遊ぶという生活。恋愛や結婚の願望は?

「まず出会いがないですからね。結婚などを考えてみても、自分がファイターでいる間は自分が一番ですし、今は、“まだいいかな”と。料理もできるようになって、食べた後の洗い物も嫌いだったけどやれるようになったし、自分で全て済ませられるようになったんで、“もう彼女とか要らん” っていうモードになっちゃってますね(笑)、今は」