【インタビュー】ジェーン・スー、新刊で悩める女性にエール「悶々と悩むのもその人にとって必要な時間」

悩める女性に「悩みの仕分けができるようになるとすごく楽になる」とアドバイスを送るスーさん
 カバーをはじめ全編のイラストやコミックは、漫画家の北沢バンビさんによるもの。特に注文などはせず、文章を読んで自由に描いてもらったのだとか。

「バンビさんは何も言わなくても今、この瞬間に生きている女の子を描ける人なので、全幅の信頼を寄せています。動物を帽子にして被せるのも彼女のアイデア。ラストのいろいろな女性たちが手をつないだり、楽しそうに肩を組んで笑っているイラストが最高に好きで、あれは本当に理想だなと思います」

 新刊を発表する度に話題を呼んでいるスーさん、今回の反響は?

「いつもより年齢層が下の人をターゲットにしているので、エゴサすると普段私の書いたものを読んだことのない人も読んでくれていて、すごくうれしいですね。『こういう人がこうやって楽しんでくれる』というのはある程度想定しますけど、ずっとそこに向けて書いていると自分も閉じていってしまうので、下手したら娘くらいの年齢の人もいるところに突っ込んでいきたいという思いはあります。

 社会経験値が少ない人ならではの悩みに対して『経験値が足りないな』というのは答えになっていないじゃないですか。あと10年経てば解決する悩みもあると思いますが、当時を思い出せば自分も真剣に悩んでいたし、年齢や経験でマウントを取るのもバカみたいなので、どの悩みにも真剣に答えたつもりです」

 自身も“ずっとそこそこ悩みがあるタイプ”だと振り返るスーさん。

「でも、悩みに対してすぐ解決するわけがないとか、悩んでいる状態が平常運転とか、共存する方法はだいぶ体得したと思いますね。私はよく『執着筋』と言うのですが、執着するにも筋力がいるし、40すぎると単純に気力や体力がなくなるので『ま、いっか』となっていくんですよ。

 とはいえ、本の中で〈悩みはつねに、欲望と背中合わせです〉と書いたように、欲望そのものが減退して『平和だけどボンヤリ生きている』みたいな状態になる恐れもあって、難しいところですよね。悶々と悩むのもその人にとって必要な時間で、無駄ではないと思います。私も自分の頭で考えて決める練習になりましたし、悩んで考えて決めることが大事」

 ちなみに、自身を動物にたとえると?

「アヒル、ヤマアラシを経て今は完全に『期待に応えたくて弱音を吐けないトラ』ですね。本当は『環境の変化にスルリと慣れるヒョウ』とか『冷静に状況を見極めるフクロウ』を目指さなきゃいけないんですけど……。自分が無理すれば上手くいくんだったら無理しちゃうところがあるので、パワーでなぎ倒さないやり方を覚えていかないといけませんね」

 先が見えないコロナ禍も悩ましいが、スーさんの周りにもこんな変化が。

「面白かったのは社交的と言われる人たちのほうがヘコんでいて、ぼっちと言われる人たちは通常運転だったこと。たとえば、周りはみんな友達がいて楽しそうだけど、自分は仕事が終わったら家に帰って一人でいるのが楽しいという人はコロナ禍ではノーストレスで『やったー!』じゃないですか。逆に、友達と会うことで楽しい気持ちになっていた人は、会えないことでさみしさが倍増して悩みになる。環境ひとつでその人の価値観や生活がこんなにも変わってしまうんだと思ってすごく印象に残っています」

 最後に、悩める女性にメッセージを。

「ひと言で〈悩みごと〉といっても、自分の欲望を認められず被害者のように振る舞う〈わがまま〉だったり、親の介護など行政に相談して解決する〈問題〉だったり、個人の問題ではなく女性に対する社会の扱い方の問題だったり。悩みの仕分けができるようになるとすごく楽になるので、そこからトライしてみるといいと思いますよ。

 この本はその時のテンションによっても、なるほどと思える悩みが変わってきますし、一気に読破しなくても全然構いません。最初から最後まで真剣に読むというより、自分で思い当たる節のある動物を読んでみたり、トイレに置いて気になったところだけ読んでみたりしてください」

(TOKYO HEADLINE・後藤花絵)
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