黒木華、最新舞台『ウェンディ&ピーターパン』でウェンディ「純粋に楽しんで」

撮影・蔦野裕

 黒木華とHey! Say! JUMPの中島裕翔がダブル主演する舞台『ウェンディ&ピーターパン』が13日、渋谷区のBunkamuraオーチャードホールで開幕した。時代を超えて愛される『ピーターパン』の物語を、イギリスの若手作家で演出家のエラ・ヒクソンがウェンディの視点から翻案した作品。英国では2013年に初演されており、日本では今回が初めての上演となる。

 フライングあり、迫力のアクションあり。そしてウェンディ目線の新鮮な『ピーターパン』。SNSにはすでに公演を観劇した人たちによるポジティブな言葉が並ぶ。

 先ごろ稽古も大詰めのタイミングで取材会が開かれ、黒木が出席。この新しい『ピーターパン』について「女性の社会的な立場や成長が大きく描かれています。ウェンディやタイガー・リリー、ティンク、お母さん、それぞれの女性がきちんと前を向き進んでいくところが大きく違うと思います」

 演出は、黒木が舞台『るつぼ』(2016)でタッグを組んだ英ロンドンで活躍する演出家のジョナサン・マンビィ。「また一緒に仕事をしたいですねと話していたので、この作品でご一緒できるというのがうれしかったです」。また「とても丁寧で、役者の良いところを見つけて引き出してくれます。役者の挑戦を楽しんで聞いてくださるんです」と話す。

 

 

 ピーターパンを演じる中島とは初共演。

「お芝居からとても真面目で素直な方だなというのを感じます。殺陣やフライングも、一発で覚えちゃうんです。そういう身体能力の高さはピーターパンにぴったり」

 中島とのシーンはもちろん、フックとウェンディの父親を演じる堤真一とのやりとり、フライング、アクションなど見どころ満載。「(演者には)とても忙しい舞台ですが、観ている人はすごく楽しいと思います」

 改めて見どころを聞かれると「全部面白いですよ(笑)」と胸を張る。「人間模様はもちろんですが、フライングに殺陣と見た目の派手さもありますし、衣裳や舞台装置もイギリスのスタッフの方々とのコラボレーションでできた素晴らしいものになっています。お子さんだけでなく大人の方にも観ていただける作品になるよう頑張っています」

 まだまだウェンディやピーターパンの冒険は始まったばかり。

「コロナ禍だからこそ、舞台やエンターテインメントの力を私は信じたいですし、信じています。手放しで「遊びにきてください」とは言えない状況ですが、こういう時だからこそ心に残る舞台にできればと思っています。舞台は日常を忘れられたり、登場人物に自分を重ねたり想いを馳せたりできる空間だと思うので、純粋に楽しんでいただけたら。劇場側もいろいろな対策をしてくださっているので、安心して来ていただけたらと思います」

 9月5日まで同所で。

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

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