劇団EXILE・佐藤寛太「怒られながらやりたい」? 稲垣吾郎主演舞台『サンソン』で白井晃と再タッグ

 

 佐藤なりの”マイペース”で準備をして飛び込んだ稽古場は刺激でいっぱいだという。

 「初日に本読みをしてからすぐ立ち稽古をしているんですけど、2週間ぐらいの時点でもう誰も台本を持ってなくて。初演があったというのもあるでしょうけど、進行速度が早いんじゃないかなって感じていました」

  稽古場では、前回組み上げ上げた動きをトレースしながらブラッシュアップしていくという作業。

 「最初の印象から日々更新されてるって感じがしますし、毎日反省しまくっています、それがすごい楽しいんです。舞台って1日で変わるんですよね。みんなで揃って合わせて、動きをやって……自分で想像してたのとは違うんだけど最初に自分が持ってた印象に近しいところもあったりして」

 「稽古は楽しい」「昨日も休みだったんだけど稽古を早くしたくて」と稽古を本当に楽しんでいる様子があふれ出る。それは稽古場にいる面々の影響も大きそうだ。例えば、稲垣吾郎。

 「すごく物腰が柔らかい方だなというのが第一印象です。ずっとテレビで拝見していた方なので、そんな方とご一緒できるっていう高揚感もあります。吾郎さんは分け隔てなく接してくださるから話しやすくて。なんかすごく気持ちのいい空間になってると思います。

 自身が演じるジャンが相対する人によって印象が異なるところも佐藤を楽しませている理由かもしれない。

 「仲間と一緒にいる時、父親と2人で向き合う時、彼女といる時、それぞれ違う面が出ます。いろんな人と接しているキャラクターなんですよね」

  自分がジャンと同じ時代に生きていたとしたら、どうだったと思う?

 「フランス革命には、王様っていう分かりやすい対象がいたけれど、今の世の中ってそんなに単純じゃない。議会もあるし、政治家もいるけれど、そこもつながっていたりするから対比するのが難しいですよね。誰か1人をやり玉にあげて、あいつが悪いっていうのは簡単だけど、果たしてそうかっていうと、そうじゃないと思う」

  そんなふうにジャンや作品に向き合いながら、初日に向けて現場で楽しい時間を過ごしているはずだ。

  出演が決まった際に発表したコメントで、「初日から千穐楽に向けて変化することを楽しみながら、たくさん怒られて成長していきたい」と話していた佐藤。幕開けも、それ以降も佐藤の一挙手一投足から目が離せない。

 

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)