マイナンバーカードや電子インボイス…日本のDXに挑む! 「日本のDXがどう進んでいくかを  見越して動けるのが私たちの強み」

 

 グローバル市場も最初から見据えているという。

「日本は少子化問題もあり、今後、日本だけを市場とするビジネスはどうしても不安があります。システムであれば在庫を抱えることなくグローバル展開を目指していけるので、早くからその体制を整えています。システム開発スタッフは海外対応ができる人をそろえており、現在全員が外国人スタッフとなっています」

 そんな山下さんだけに、日本のDX化の大きな遅れを感じるという。

「例えば現在、マイナンバーカードの是非がいわれてますけどこれはもう、国民に持たせていくという方向で進むと思います。実際のところ、もうすでに運転免許証よりマイナンバーカードのほうが申請数や発行枚数は多くなっているんです。運転免許証や保険証と一体化させるといわれると日本だと不安に思う人も多いですが、海外、例えばシンガポールではスマホに国民IDが格納されていて、納税をはじめさまざまな行政サービスがスマホで利用できるんです」 

 TREASURYでは、金融や不動産取引などにおいてオンライン上での本人確認業務ができるSaaS型サービスも手がけており、マイナンバー関連業務にも携わる。

「マイナンバーカードについては、よく個人情報漏洩が心配されてますよね。でも政府はすでにそれらの個人情報を持っていますしB to Bでどこかの事業者に作業発注したとしてもそのデータは暗号化されています。さらにICチップを読み込まれたとしても、そこには必要最小限の情報のみ記録されており、プライバシー性の高い情報は記録されません。また、不正に情報を盗取しようとする各種手法に対し、記録情報の暗号化など、対抗

措置も施されています」

 電子契約や電子帳簿…デジタル化は進んでいく。

「専門家の方から企業の経理課担当や自営業などの一般の方まで、デジタル化で改善できることはいろいろあると思います。例えばインボイス制度が始まりましたが、今はまだ税理士の先生が自分で記帳したり領収書をもらったりアナログな作業をしていることも多く、先生がしなくてもいい作業が増えたケースも多いのではないでしょうか。また税制をはじめいろいろな制度は年々改正されますが、それを一般消費者がすべて把握するのは難しい。でも我々のサービスでは今後、電子帳簿保存法が改正されたとしても随時、それに適応させた形で提供できます。行政や専門家とつながり日本や世界のDXの状況を予測し、いち早くサービスに反映させると同時に、ユーザーの方々が身につけたいリテラシーを高めるサポートもしていきたいと思っています」