【学生起業】建築学を応用し「低コストなメタバース空間を実現」株式会社Urth・田中大貴さん

今回インタビューを行った創業支援施設「Startup Hub Tokyo 丸の内」について「起業した直後の2020年頃に先輩たちから “ここはいいぞ” という評判を聞いて登録しました。創業融資の存在を初めて教えてもらったのもこの場所です」と田中さん

 そんな田中さんが考える将来の夢とは?

「起業しようとした時点で考えたのは、2035年に火星に家を建てる時に自分の技術が使われているといいなということ。そこから逆算してメタバースをやっているのですが、“空間を表現の手段にする” という仕組みはある程度作れたので、あとはスケール(事業規模を拡大)させるだけ。どこかのタイミングでスマホが変わる時にスケールするかなと思っています。次に考えているのが、リアルな家を人生で3回くらい建てられるようにすること。今は家を買う時に “80歳でも住めるかな” と考えると思うのですが、洋服は “80歳でも着られるかな” と考えながら買わないじゃないですか。そこが変わると面白いですし、全人類が家を買う時にUrthに依頼がくる状態を作れたら、入ってきた利益を人類の進歩のために使いたいですね。

 2035年に火星に家を建てて自分の技術が使われることをベンチマークにした時、できればイーロン・マスク氏に火星に行ってほしいのですが、彼が行かなかったら自分で火星に行く手段を探さなきゃいけないので、やらなくちゃいけないことがいっぱいあります(笑)。自分で思いついたことをいろいろやってみて、それから先は次の世代の人たちに自分の経験を伝えたり、支援するような活動をやってみたいですね」

 これから起業を目指す同世代の人にメッセージをお願いします。

「やりたいことがあってそれをやっている企業があるなら、そこに入社したほうがいいとは思うんです。起業すると財務や労務などのやりたくないことも正直たくさんありますから。ただし、やりたいことがあってそれをやっている企業がないのであれば、自分でやるべきだと思います。そのうえで海外の人と話すと日本の多くの人と圧倒的に違うなと感じるのは、海外の人はみんな自分の時間をすごく大切にしているんです。例えばUberの運転手の人は、その時間に運転手をやっていることに誇りを持っている。そういう意味で若い人は起業するかしないかにかかわらず、自分の時間をどこに投資するのかを真剣に考えてみると、やりたいことややるべきことが見つかるのではないかと思います」

「Startup Hub Tokyo 丸の内」