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鈴木寛の「2020年への篤行録」第35回 ネットが存在感を見せた都知事選

2016.08.08 Vol.672

 都知事選は、小池百合子さんが291万票を集める圧勝を収め、初の女性都知事に就任しました。今回の都知事選もテレビが盛り上がる「劇場型」の様相となりましたが、これまでと違うのはインターネットで広がった論調が、投票行動に一定の影響を与えた可能性が強く感じられる点です。

 3年前の参院選でインターネットを使った選挙活動が解禁された当初は、匿名の書き込みによる誹謗中傷が目立ち、ネット選挙の負の側面がクローズアップされました。ただ、リアルの投票行動に顕著に影響したかどうか微妙な面もありました。

 ところが、今回の選挙戦、地方の首長を経験した有力候補者の出馬が伝えられると、陣営がセールスポイントに掲げた実務能力が本当なのか、有名ブロガーが大手ポータルサイトのニュースブログで検証記事を書いたり、著名な元政治家がネットメディアのインタビューに対し、都政の裏事情について“爆弾”発言をしたりして、その内容がものすごい勢いでネット上に拡散しました。

 この3年間の変化で特に大きかった点として、まず有力ネットメディアの台頭が挙げられます。アメリカでは2000年代にハフィントンポストが米大統領選に影響を与えたと言われますが、日本でも近年、そのハフィントンポストが朝日新聞との合弁で日本に進出したほか、前述の大手ポータルサイトで有識者や有名ブロガーの個人ニュースブログが発足。ほかにも新しいプレイヤーが登場し、新聞・出版から若手の優秀な人材が移籍する動きも出ています。

 そしてスマートフォンの普及も大きな変化です。良質なコンテンツを作る媒体が育つと、今度はそれを拡散する環境が整いました。スマートフォンのニュース・キュレーションアプリサービスの利用者が激増し、新聞、テレビ、出版等の伝統メディアが配信する報道記事と一緒に、エッジの効いた有力なネットメディアの記事も多くの人が見るようになります。新聞、テレビは選挙戦中、政治的公平性を過剰に慮る余り、特定候補者のネガティブ報道は抑制的になります。そんな既存メディアに物足りなくなった若い世代が、ネットメディアの記事を読み、投票判断の材料にするようになったのでしょう。

 興味深いのは、新聞、テレビからの選挙報道を主に接していた親世代までもが、若い世代からネットメディアが抉り出した情報に口コミで伝わる動きが見られたことです。新しい情報の流れ方が生まれつつあるように感じます。ただし、若い世代は、接触した情報を精査する能力も高めねばなりません。欧米よりもメディアリテラシー教育で立ち後れる日本で重い宿題を残しました。 (東大・慶応大教授)

新しい“ジブン発見”コラム My Discovery Vol 06 水内猛

2016.08.07 Vol.672

 先日は東北で復興応援リレーに参加するなど、活動的な日々を送る。
「現役時代はサッカー以外で体力を使いたくなくて電車で立つのも嫌だったんです(笑)。引退後は逆にエネルギーを消費しないといけなくなったので普段からよく歩いたり運動を日課にしています。おいしいご飯とお酒も楽しみたいですから(笑)」

 普段履く靴もスニーカータイプ。
「必要なとき以外、革靴を履くことはあまり無いですね。だから服と合わせやすいオシャレなスニーカーは重宝します。このグレーのM-LINEなら僕の定番ファッションにも合わせやすいし、何より軽くて履きやすい。これなら街で悪人を追って走るくらいはできますね(笑)。サッカー選手にとって靴は最も重要なアイテム。スパイクの違いはプレーにも大きく影響します。ブラジルの選手はどんな靴でも平気な人が多かったけど(笑)」

 進化するサッカーを見守りながら自身も挑戦や成長を続ける。近年、プロ選手とはまた違う視点による体作りの面白さも発見したという。
「近年、体幹トレーニングを始めたんです。長友佑都も本を出してますけど、僕のころはあまり知られていなかったんです。軽い気持ちで始めたんですが数週間で腹筋に変化が起きて、面白くなって。今では脂肪の下で腹筋が割れてます(笑)」

江戸瓦版的落語案内 崇徳院(すとくいん)

2016.08.07 Vol.672

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.01『365日を白で過ごす』

2016.08.02 Vol.671

 多岐にわたって活動している一木美里が、独自の視点で“食”をテーマに語る連載コラム。毎週火曜日更新。

格闘家イケメンファイル Vol.53 よこすかMMAパレード 龍太郎(りゅうたろう)

2016.07.25 Vol.671

 さわやかなルックスに満面の笑顔、そしてよどみなく明るくハキハキと話す龍太郎はモデル・俳優として、渡邉龍太郎の名前で活躍中のタレントでもある。アイフルのCMで、ダイエット後のバナナマン・日村を演じているといったら思い出す人もいるのでは? そんな彼が格闘技を始めたのは…。

「小さいころからずっと野球しかやっていなくて、甲子園に出場して、絶対プロ野球選手になると思っていました。シニアリーグでは、全国大会ほか、いろいろな大会で優勝するようなチームで、本当に強かった。しかし、怪我をして野球を辞めたタイミングでご縁があり、モデルとして事務所に入ったんです。と同時に、父親の影響で格闘技好きだったので、ちょうど芸能界に入ったタイミングで格闘技も始めました。僕が入ったジムは当時できたばかりで、自分は2人目の会員なので、今ではすっかり重鎮です(笑)。だから、僕の芸歴と格闘技歴とジム歴はほぼ一緒。父親がよくテレビでK-1やPRIDEを見ていて、それを一緒に見ているうちに好きになったんですが、特に青木真也さんや所英男さんがめちゃ好きで。寝技が得意なんですけど、なんかゴロゴロ、ゴロゴロ絡まっていて、あれどうなっているんだろうって(笑)。単純に見てて面白かったので、自分でもやってみたいと思いジムに入りました」

 どんな話も楽しそうに話す龍太郎。

「僕ね、全然緊張しないんです。仕事の時も試合の時も。だからジムの代表にも昔はちょっとぐらい緊張しろって言われていたんですけど、今は言われなくなった(笑)。むしろ、そのキャラで突き進めみたいな。楽しいと上に上にどんどん登っていく(笑)。試合でも舞台でもお客さんの顔はよく見えているし、声もめっちゃ聞こえています。小さいころから、緊張したことがない。目立ちたがり屋だったし、注目されるのがうれしかった。というか、注目されたいとしか考えてなかったような気がします。幼稚園の頃から。一度もてようと思って飲み会でクールを気取ってみたいんですけど、自分が気持ち悪くなって続かなかった(笑)」

【DJダイノジ あなたの好き、肯定します!】第4回:サマソニは…やっぱりAt The Drive-Inを見る!

2016.07.25 Vol.671

『DJダイノジ深夜の回転体』(ニッポン放送)の
DJダイノジ、放送に入りきれなかったトークは…?

大地:いやー、7月の深回(『DJ ダイノジの深夜の回転体』)も楽しかったじゃない。前回このコラムで話してたように夏フェスをテーマにして。
大谷:人気夏フェスのサマーソニックを立ち上げたクリエイティブマンプロダクションの清水社長に来ていただいてね。今年のラインアップがどう決まったかとか、このアーティストはこの時間、このステージでの出演で良かったのかなんて、裏話も聞けちゃって…! 
大地:期待しているアーティストのひとりだって、エルキングを紹介してくれたじゃない?
大谷:エイミー・ワインハウスやアデルに対してのアメリカの回答だっていってね。
大地:そう、伝説のライブになるかもしれないよって。曲も良かったねえ。
大谷:注目って意味では、もちろんDJ ダイノジも注目してほしいですけど。今年は大阪だけの出演になるんですよね。
大地:……僕は、いないですけどね(笑)。
大谷:その時はミュージカルに出てるんだよね、宮本亜門さんの……。
大地:『狸御殿』(8月1〜27日、新橋演舞場)。だからね、行けないんだよ。
大谷:オーディション通過してタヌキの役を手に入れたわけだから頑張っていただいて!…会場に来られてたらさ、この人が見たいっていうアーティストはいるの?
大地:FLO RIDER(フローライダー)だね。やっぱり、パーリーでしょ。楽しいじゃない。フェスならなおさら! 大谷さんは?
大谷:たくさんいるんだけど、やっぱり気になっちゃうのは、At The Drive-In(アット・ザ・ドライヴ・イン)。すげー、みたい。Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)も見てるんだけどさあ…。
大地:なんか違う!
大谷:そう! 俺、アット〜の数少ない来日公演を見てるんだけど、その時、酸欠で倒れて運ばれてるからね。
大地:その話を聞くたびにすごかったんだろうなって思うね。
大谷:だからね、やっぱり見たい。リベンジ、じゃないけど(笑)。
大地:楽しみになってきたね!
大谷:夏フェスって、なかでもサマソニってさ、誰も独りぼっちにしないフェスなんだよね。これ、何年も言い続けてきてることなんだけど、いろいろなアーティストが出演しているし、食べ物だとか、お笑いだとか、ほかのエンターテインメントであるとかいろんなコンテンツもあるし。もちろん、年代層に関わりなく音楽好きを満足させてくれるラインアップになっていて……、ちょっとでも興味がある人は一度来てみてほしい。楽しいから。今年出る大阪なんて、夏フェスに初めて来るって人も多いんじゃないかなあ。
大地:楽しんでほしいね!
大谷:秋には、マグロックとフジソニックも控えているし。まだ考えていることもあります。とにかく夏フェス、楽しんでほしいね。

※次回放送は8月21日。

黒谷友香「友香の素」vol.165 それはそれは暑い夏。

2016.07.25 Vol.671

 暑い日が続きますねえ。昨日のニュースでは九州から東海が梅雨明けしましたが、関東ももう時期でしょうか。

 6月中旬からの約1カ月は、仕事で京都に滞在していましたが、それはそれは暑かったですよ。京都は盆地なので、暖められた空気が下に溜まるそう。確かにいつも、空気があったまり過ぎて、淀むというか、モアモアっと密度が濃い〜い感じがしてました。1カ月くらい居たから、その暑さに身体が慣れてたんでしょうね〜、その仕事が終わって東京に帰り、新幹線を降りて思ったのは、「そんなに暑くないじゃん!」でした。暑いんだけど、どこかカラっとサラッとしてる感じで、快適、快適〜って感じでしたもん。でも、喉元過ぎれば暑さ?いや、熱さを忘れるではありませんが、関東の暑さに身体が慣れると、これが暑いのなんの。カラッとサラッとしてる? どこがやね〜ん! と自分に突っ込みました。これで梅雨が明けたらもっと暑くなるのでしょうね。熱中症に気を付けないといけません。

 私は趣味でガーデニングをしているのですが、夏の作業は日差しがまだ弱い朝のうちか夕方。日焼け防止と虫刺され防止に、長袖を着てフェイスカバー付き帽子にUVカット手袋、足首まであるパンツスタイル。目元以外のほぼ全身を布で覆っているので、京都ではありませんが、熱が外に逃げないので暑いのです。でも京都に行く前に、新たにハーブを植え付けておいたガーデンが、約1カ月間そのままだったので雑草が生えちゃって生えちゃって、ぱっと見たら雑草ガーデン?一体どこにハーブが植わってるの!?ってなぐらいになってるので、これは頑張って綺麗にしないといけません。汗をかいて頑張った後は、私の大好きなスイカを食べます。スイカには疲労回復、夏バテの解消に有効な成分もあるらしい。やった〜! でも、食べ過ぎには気を付けなきゃね。

江戸瓦版的落語案内 百川(ももかわ)

2016.07.24 Vol.671

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第27回 夏到来!こじらせダイエッターとは!?

2016.07.22 Vol.671

 皆さん、自分に自信はありますか?
 最近他のサイトでの連載コラムで、サセ子になってしまう女の子の心理状況を考えてみました。
 サセ子の精神のメカニズムはこんな感じです。

 自分に自信がない
    ↓
 誰かに認めてもらいたい・褒めてもらいたい
    ↓
 言い寄って来る男性を受け入れることで承認欲求を満たす

 どんなに経験人数が多くても「ヤリマン」ではなく「サセ子」と呼ばれる女性は、そこに主体性がないだけでなく、彼女のセックスがすごくネガティブな動機だからなのではないかと推測します。

 さて、そこで今回のテーマ、「ダイエットしてますか?」。
 世の中のほとんどの女性がダイエットを経験していると思います。
 また、今もダイエット中という女性も、少なくとも半数くらいいるのではないでしょうか。
 実際にこのアンケートの結果でも、7割近くの女性がダイエットをしているという結果になりました。

 ダイエットをする理由も様々です。
 健康上痩せる必要がある方もいると思いますが、このアンケート結果を見る限りでは、多くの女性が自分の外見を気にするがゆえにダイエットをしている、というのが現状のようです。

 ニュースサイトでも、ダイエットに関する記事は多いですよね。
 ダイエットのハウツーや、セレブの間で流行っている話題のダイエットの紹介もあれば、男性の意見を紹介するものまで。

 以前「おっぱいの悩み」について考えたときもそうでしたが、ここでも他者の視点が介在しているようです。

「こんな体型じゃモテない…」
「太ってることを影でバカにされているのでは…」

 まあ百歩譲って、本当に太っているのならこういうふうに思うのは仕方ないと思いますが、太っていないのに「もう少し体重を落としたい」というふうに考えてしまうのはいかがなものなのでしょうか。

 太っていないのにダイエットをする…。これはこのコラムでよく出てくる「他人の目を気にしすぎる」という事例が当てはまります。

 こういうと異性の目を気にしていると捉える方がいらっしゃるかもしれませんが、この場合、多分気にしているのは、同性の目だと思うんです。

 例えば、女性同士での会話では、「私、太っていて…」と言って、「そんなことないよ〜」と言われるのを待っている時ってあるんですよね。

江戸瓦版的落語案内 百年目(ひゃくねんめ)

2016.07.11 Vol.670

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

鈴木寛の「2020年への篤行録」第34回 18歳のための都知事選「テレビ選挙」講座

2016.07.11 Vol.670

 本稿の締め切りは、参議院選挙の投開票日(7月10日)の前になりますが、テレビや新聞の報道は、参院選よりも東京都知事選(7月31日)の方が盛り上がりそうな雰囲気です。

 都知事選は、この四半世紀、「テレビ選挙」と言われています。80年代までは、ほかの地方の知事選と比べて、メディアの取り上げ方に大きな差がなかったのですが、90年代から、テレビを意識した候補者のパフォーマンス合戦が激しくなり、タレント出身で無所属の候補者が政見放送とポスターを貼るだけの選挙活動で政党推薦の候補者を破って当選したこともありました。この間、特定の支持政党を持たない人たちの増加に対し、各政党とも、首都特有の選挙の難しさに頭を悩ませています。

 テレビ、特に民放各局の選挙報道が過熱すると、どのようなことが起きるでしょうか。ニュース以外の情報番組でも、主婦やお年寄り向けに、噛み砕いて取り上げるのはよいことですが、番組の作り手が「分かりやすさ」を追求する余り、どうしても誰と誰が出るかばかりに焦点を当てた報道が中心になります。

 今回の選挙戦は、任期途中で辞任した舛添前知事がやり残した政策的な課題は一体何だったのか、そこをしっかり検証するのが筋ですが、あれだけ連日、辞任に至るまで報道していた割に、辞めた後のことは置き去りにされがちです。

 選挙が「劇場化」してしまうと、候補者の方も本気で勝ちに来ている陣営もあれば、都政とは関係のない、自らの主義主張をしたいだけの陣営、新しい方法論を試すことに注力する陣営など、次の都政に向けた本来の政策論争からやや逸脱した選挙模様になりかねません。今度の都知事は、オリンピック・パラリンピックの開催準備という歴史的使命はもちろんのこと、かつてない超高齢化対策、一向に解消されない待機児童問題など、難題が山積みです。

 前回のコラムでは、参院選を迎える18、19歳の有権者のみなさんに向け、「各政党・候補者がどのような公約を掲げているのか、他党の公約や専門家の指摘と擦り合わせて一つ一つ吟味をする」と書きました。テレビの選挙報道は、あくまで一つの判断材料として、自分の頭で考え、友や師と議論すべきなのは、都知事選も同じです。

 参院選で初めて投票した都内の18、19歳の有権者の皆さんにとっては、良い意味でも悪い意味でも、テレビが選挙をどのように取り上げ、どれだけの影響を投票行動に与えるのか、そして視聴者である皆さんが、そうした選挙報道にどう向き合うか、格好の実践の場が来たと言っていいでしょう。

(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

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