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【鈴木寛の「2020年への篤行録」】第45回 新幹線無料化なら究極の地方創生が実現!?

2017.06.12 Vol.692

 慶応SFCが、自治体とコラボレーションし、地方創生の研究・実践に励む大学院生などの人材を、各地に送り出す「地域おこし研究員」の取り組みが本格化しています。総務省の「地域おこし協力隊」制度(例・年間の報償費と活動費がそれぞれ200万円、最長3年間)や、自治体独自の制度等を活用することで、受け入れ先の自治体で研究員を任用してもらい、各地の街おこしを実践。大学側は、対面での指導だけでなく、現地とインターネットでつなぐことで遠隔で研究指導や学習を支援していきます。

 私の教え子たちは各地に続々と飛び込み、「スポーツまちづくり」「地域商社」「高校魅力化」など、先進的な企画をどんどん展開しています。SFCと鹿児島県長島町はこの2月に連携協力を締結しており、10人程度の研究員が任用される見通しです。
 長島町は私も昨夏、講演に行ってまいりましたが、東京から鹿児島まで飛行機を使い、そこから車に乗り継いで6時間程度かかります。たしかに遠いです。しかし、インターネットがこの距離を埋めることで現地に入った研究員は、首都圏にいる仲間に、中途経過や成果をリアルタイムにフィードバックし、逆に遠方の仲間たちからアイデアの提供を含めてコミュニケーションできます。

 現地の皆さんも、最新のビジネスノウハウを持った若い世代と一緒に触れ合うことで元気になる。公私に渡って関係性が密になり、特産品や観光などの新しい売り方といったかたちで地域のポテンシャルが引き出されていくことでしょう。

 ネットの普及により、遠隔でも、最新の知識や知恵、あるいは業務的なやりとりを日常的に行えます。最近流行りのシェアリングエコノミー的な観点でいえば、知識・知恵のシェアは当たり前になってきましたが、次は「人材のシェア」を都会と地方、あるいは地方都市同士で行う時代になるのではと予測します。たとえば新幹線がつながっている地域の大学で、専門家が少ない分野の教員を共有すれば、経営の効率化はもちろん、各地の学生の学びを深められます。

 ただ、その障壁で大きいのが移動コスト。最近はLCC(格安航空会社)が増えていますが、たとえば、自治体が「投資」として一定の条件をつけて招致したい人材に向けて「新幹線無料化」を行ったら、週の半分は東京で、もう半分は地方というライフ&ワークスタイルの人材が増えるのではないでしょうか。

 もちろん財政的な制約はあります。それでも夜行バスの無料化であれば、新幹線ほどコストはかかりませんし、検討に値するでしょう。真の地方創生へ、人のモビリティーがもっと着目されてもいいと思います。  
(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

脱こじらせへの道 第48回 セックスの要望、言えますか?

2017.06.09 Vol.692

 女性自身も、自分の性欲を認識しているということが前回のアンケートでわかりましたが、一方で、セックスにおいて、自分の思うことを相手に伝えられない、わかってもらえないという声も多く耳にします。
 GIRL’S CHの掲示板でもよく、「して欲しい」「やめて欲しい」ということをパートナーに伝えられないという意見を拝見します。

 そんなわけで、今回はこんなアンケートをとってみました。

「もっとこうして欲しい!セックスの要望をどうやって伝えますか?」

 やはり、実際にアンケートでも4割の方が「言えない」という回答でした。
「して欲しいこと」を相手に伝えるのが恥ずかしい。
 または、相手にどう思われるのかが怖い、不安。
 そんな理由から、自分の希望を伝えづらいようです。
 また、「痛い」「気持ちよくない」なんて言ってしまうと、相手を傷つけるのではないか……というところから「言えない」という場合もありますよね。

 一方で、「その場ではっきり言う」という方が4割もいらっしゃって、回答が真っ二つに分かれる結果となりました。

 はっきり言える女性は、相手に引かれたり嫌われたりすることが怖くないのでしょうか?

 そういうわけではないですよね。
 相手にどう思われるかは不安……だけど、自分の体や気持ちを大切にするのが一番だという理由から、伝えるべきところはきちんと伝える、ということなんだと思います。

 ただその場合、そういったことを言われ慣れていない男性の場合、それでへこんでしまうことがあるんです。へこむとまではいかなくても、冷静になってしまったり、萎えてしまったり。
 自分の気持ちはそんなつもりはないのに、下半身だけ元気がなくなってしまう、ということも。
 女性にとって、そんな男性の姿を一度でも見てしまうと、その後はあまり言えなくなってしまいますよね。

 例えばこのコラムを読んでくださっている男性にオススメしたいのが、男性のほうから「なんかあったら言ってね」と声をかけること。そういうことを言ってくれたら女性はうれしいと思います。ポイントアップです。
「気遣ってくれているんだな」と思えますし、男性から言ってもらわないと言えないということや場面もありますから。
 男性の皆さんも、「自分からそう伝えたから言ってるんだ」と自分に言い訳できるのではないでしょうか。そこは言い訳しちゃっても良いと思います。

 お互いにちょっとずつ言い合えるようになるといいんですよね。

 もちろんこういったところには、性格的な要素も関わってくるとは思いますが、愛し合っている人にすら意思を伝えられなければ、誰にも自分の思いを伝えられない、そうは思いませんか?
 今回、結果が二分されたというところには、相手に伝える「はじめの一歩」のハードルが高いということもあるように思います。

 一度伝えてしまえば、相手も聞いてくれる姿勢を持ってくれるかもしれませんし、「言っていいんだ」と安心できて、より言いやすくなるのではないでしょうか。

 女性は、社会的にも体力的にも受身になりがちですが、もっと自分の気持ちを大切にして、意見を言ったり行動したりしていいと思うのです。

脱こじらせへの道 第47回 何のためにAVを見る?

2017.05.26 Vol.691

 GIRL’S CHがオープンしてまもなく4年半。
 サイトを通して、女性だってAVが見たい!女性にも性欲がある!ということをずっと訴え続けてきました。
 このコラムの読者さんやサイトのユーザーさんにとっては、「いまさらこんな質問?」かもしれませんが、あえて今回はこんなアンケートをとってみました。

 性欲はありますか?

 GIRL’S CHはアダルトサイトなので当然なのかもしれませんが、皆さん性欲が「ある」「どちらかというとある」という回答。
「ない」という回答はありませんでした。

 この結果は、もしかしたら男性にはピンと来ないかもしれませんね。
 もっというと、サイトオープン前だったら、われわれ制作陣にとっても信じられない結果だったかもしれません。

 というのも、女性向けにAVを配信しているGIRL’S CHですが、「女性もきっとAVが見たいはずだ!」という確信はあったのですが、その理由が「性欲解消」なのかそれ以外なのかという部分においては、当時はまだ答えが出ていなかったのです。

 女性がAVを見る目的ってなんだろう?
 パートナーとの行為に役立つハウツーを学んだり、ドラマを楽しむのではないか?
 未開拓な市場なので何が求められているのかわからず、オリジナル動画ではバラエティーやハウツーやドラマなど、さまざまなジャンルの動画を作ってきました。

 それらの動画に対する反応は、ジャンルによってさまざまだったのですが、私たちが驚いたが「オナニーの仕方がわからない」という女性が多かったこと。
 どうやってするのか方法がわからない、自分の方法が正しいのかどうかが不安、というご意見を多くいただきました。
 当たり前ですが、「女性のオナニーの仕方」を教えてくれるメディアなんて今までなかったのです。
 だからAVを見て、ほかの人がどうしているかを学んで、自分のオナニーに対する不安を払拭しようとしていたのではないか?というのが私の意見です。
 参考にするのがAVであることが良いか悪いかはまた別の問題ですが……。
 少なくとも、「知りたい」という気持ちを後押しすることはできたのではないかと。

 時代は、「AVは男性のもの」から「女性もAVを見る」へ。
 そして、「?のためにAVを見る」から「ムラムラするからAVを見る」へ。
 アンケートの回答にもありますが、まだ女性の性欲について否定的な方もいらっしゃるようです。
 ですが、女性の性欲も、ここ数年でかなり認知されたとは言えるかと思います。

【江戸瓦版的落語案内】紺屋高尾(こうやたかお)

2017.05.25 Vol.691

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.36『The Pie Holeとロスのにおい』 #朝ごパン #パイ #LA

2017.05.23 Vol.691

こんにちは!
一木美里です。
先週末はTGCCAMPUSというイベントでDJしてきました?
フレッシュな皆さんの前でDJできて
学生時代に出演させていだたいた学生イベントを思い出して
懐かしくなりました?
今日はロス生まれのパイのお店をご紹介します。

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第58回 一つ終えた始まり

2017.05.22 Vol.691

 昨年10月から始まった、EXILE THE SECONDのツアー『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2016-2017 “WILD WILD WARRIORS”が、5月14日に幕張メッセで無事にFINALを迎えることができました!! 全国のアリーナでパフォーマンスさせていただき、会場にお越しいただいた皆様と、ライブビューイングに足を運んでいただいた皆様を合わせると、なんと45万人の方々に僕たちの想いを伝えることができました。最初は2月までのツアーの予定でしたが、5月までの超ロングラン公演にすることができたのも、全国のファンの皆様の応援のおかげだと心から感じております。二代目 J Soul BrothersからEXILEになり、成長して成熟した僕たちだからこそお届けできる、今の等身大のパフォーマンスを皆さんに喜んでいただけたのは本当に感動的でうれしかったです。

 最後の幕張メッセでのFINAL公演3日間には、アルバムでコラボレーションさせていただいた、ラッパーのAKLOくんや、LL BROTHERSさん、L.A.からFAR EAST MOVEMENTの方々、そしてDANCE EARTH PARTY、DJ MAKIDAIさん、EXILE TAKAHIROくんもサプライズで出演していただき、とても内容の濃ゆいステージを作ることができました。

 EXILE THE SCONDは全員がEXILEメンバーなのですが、先輩メンバーが来てくれれば一瞬で一緒に踊っていた時の感覚になりますし、TAKAHIROくんの声も加わると、またSECONDとはまったく違うグループになったような気持ちになります。今回はTAKAHIROくんを加えてEXILE第一章の楽曲「Together」をパフォーマンスしたのですが、自分はこの曲をアリーナ規模の広い会場で踊るのが初めてでしたし、この曲の振り付けは先輩メンバーによるものです。自分がEXILEメンバーになる前、ファンだった頃に憧れていたこの振り付けを今回踊らせていただいて、当時のEXILEが世界で初めてアーティストとして、ストリートダンスというものを、この規模の広い会場でファンの皆さんにどうすれば、分かりやすく、伝わりやすく表現できるのかを模索して作ったのかというEXILEのDANCEの歴史みたいなものも感じながら踊っている自分がいました。本番でそんなことを感じながらDANCEしたのは初めてで(笑)、なんだかDANCEが自分に踊り方を教えてくれたみたいで、とても不思議な感覚になりました。

 かなり個人的で、なかなか伝わりづらい文章になってしまいましたが(笑)、自分たちにとって、とても意味があって、未来につながるツアーになったと、終わった今、改めて初心に返ることができました。何より時間とお金を割いて会場や映画館に足を運んでくれたファンの皆さんの地鳴りのような声援が僕らのこれからのパワーになりました。

 そして最終日に発表されましたが、EXILE THE SECONDは2017年の秋から、また新たなツアーを開催することが決定しました! 今回のツアーを超える次なるENTERTAINMENTの創造はきっと容易ではないと思いますが、これからメンバー1人1人がたくさんのことをインプットして、持てる力の限界に挑戦していきたいと思いますので、どうか皆さん楽しみに待っていていただけたらうれしいです。

 来月には新曲「Summer Lover」もリリースされ一気に夏モードになっていきますが、DANCE EARTH PARTYも6月9日に新曲「WAVE」が配信リリースされます!! この曲も、夏!海!な最高に気持ちのいい曲に仕上がりました。実はこの曲、2年くらい前から製作していて、なかなかお披露目できなかったのですが、今回最高のタイミングでリリースできることになりました。また新たにDANCE EATH PARTYらしい自然や地球やHAPPY↑↑↑を存分に感じる曲が仲間入りして、6月10日の石垣島でのフェス、「Tropical Lovers Beach Festa 2017 in Fusaki Resort Village」に出演するのが本当に楽しみです。

 最近皆さんに「忙しすぎて大丈夫ですか?」なんて心配のお言葉をいただくことが多々ありますが(笑)、やるべきことがたくさんあるって本当に幸せなんです。自分の大好きなDANCEを思う存分、毎日踊れることに心から感謝しながらすべての活動を全力でやらせていただきたいと思っております。ツアーは終わりましたが、これからも皆さんの日々の生活の活力になれるように信念を持って頑張りますし、なによりLDH ENTERTAINMENTで皆さんが楽しんでくれたらうれしいです。

黒谷友香『友香の素』vol.175 馬とトカゲ。

2017.05.22 Vol.691

 今日は暑くもなく寒くもない穏やかな日。馬のラルフ(26歳)の放牧にも良さそうな日和。今日一緒に放牧をする仲間の馬は、エイト君(28歳)。この2頭で放牧するのは、今日がなんと初めて。さて、どちらがリーダーになるのでしょうか? 放牧してみないと分からないので、エイト君の飼い主さんと一緒に、気を付けてしばし2頭の様子を見ます。お互い最初はふんふんと匂いを嗅ぎ合い、ちょっぴり威嚇もしましたが、それもすぐに終わり、すんなり仲良くなりました。ラルフがちょっと移動すると、その後をエイト君が追いかけていきます。どうやらリーダーはラルフのよう。エイト君は誰かの下になりたい性格だそうなので、エイト君よりちょっと強気?のラルフとは、ばっちり相性が合って、放牧コンビとしてマッチしたので良かったです。ラルフに放牧仲間ができました。

 馬のお手入れが終わり、次はガーデニングです。お庭を見ると去年の秋に植えた球根類が咲き出していました。紫色のまあるいボールのような形の花が咲くアリウムや、紫色や黄色の花が咲くダッチアイリスやジャーマンアイリスがちょうど見頃を迎えています。ハーブでは、タイムやセージ、ラベンダーが花を咲かせていて、目を楽しませてくれています。セージは葉っぱを卵と炒めると、セージのあの何ともいえない香りがたって、ホント美味しいんですよね。

 これからの季節は植物がさらにぐんぐんと成長するので、鑑賞も収穫も楽しみではありますが、その分、雑草もどんどん生えてくるので、庭のお手入れを小まめにしないといけません。さっき、雑草を根っこからゴソっと引き抜いたら、小ちゃなトカゲちゃんも一緒に土からピョロっと出てきました。土の中で休んでいたところ、いきなり陽の光を浴びてびっくりだったね! ごめんよ。今日はさまざまな動植物から刺激をもらった良い一日でした。

【江戸瓦版的落語案内】紺屋高尾(こうやたかお)

2017.05.22 Vol.691

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

馬とトカゲ。 ーー黒谷友香の『友香の素』vol.175

2017.05.22 Vol.691

 今日は暑くもなく寒くもない穏やかな日。馬のラルフ(26歳)の放牧にも良さそうな日和。今日一緒に放牧をする仲間の馬は、エイト君(28歳)。この2頭で放牧するのは、今日がなんと初めて。さて、どちらがリーダーになるのでしょうか? 放牧してみないと分からないので、エイト君の飼い主さんと一緒に、気を付けてしばし2頭の様子を見ます。お互い最初はふんふんと匂いを嗅ぎ合い、ちょっぴり威嚇もしましたが、それもすぐに終わり、すんなり仲良くなりました。ラルフがちょっと移動すると、その後をエイト君が追いかけていきます。どうやらリーダーはラルフのよう。エイト君は誰かの下になりたい性格だそうなので、エイト君よりちょっと強気?のラルフとは、ばっちり相性が合って、放牧コンビとしてマッチしたので良かったです。ラルフに放牧仲間ができました。

 馬のお手入れが終わり、次はガーデニングです。お庭を見ると去年の秋に植えた球根類が咲き出していました。紫色のまあるいボールのような形の花が咲くアリウムや、紫色や黄色の花が咲くダッチアイリスやジャーマンアイリスがちょうど見頃を迎えています。ハーブでは、タイムやセージ、ラベンダーが花を咲かせていて、目を楽しませてくれています。セージは葉っぱを卵と炒めると、セージのあの何ともいえない香りがたって、ホント美味しいんですよね。

 これからの季節は植物がさらにぐんぐんと成長するので、鑑賞も収穫も楽しみではありますが、その分、雑草もどんどん生えてくるので、庭のお手入れを小まめにしないといけません。さっき、雑草を根っこからゴソっと引き抜いたら、小ちゃなトカゲちゃんも一緒に土からピョロっと出てきました。土の中で休んでいたところ、いきなり陽の光を浴びてびっくりだったね! ごめんよ。今日はさまざまな動植物から刺激をもらった良い一日でした。

【長島昭久のリアリズム】変貌するアジア太平洋地域と日本の安全保障(その壱)

2017.05.22 Vol.691

 トランプ政権が誕生して100日余りが過ぎ、ようやくトランプ外交の大枠が見えてきました。そんな中で、筆者は台湾の台北で行われた国際シンポジウムで講演する機会を得ました。以下、およそ10回にわたって、その講演録を全文掲載したいと思います。トランプ政権誕生後の日米同盟やアジア太平洋地域における地政学について、最新の情報を交えながら語り尽くしましたので、ご関心のある方にはぜひお読みいただきたいと思います。

 まず、現在のアジア太平洋の戦略環境について、米中を軸に概観したいと思います。

 中国の軍事費は、過去30年で約50倍に膨れ上がりました。しかも、中国は、2000年代の半ばまでにユーラシア大陸における国境紛争をほぼ全て解決し、自国が持つ資源の大半を海洋進出へ投入し得る環境を整えることに成功しました。実際、2008年以降の中国海軍、海警を中心とする海上法執行機関の艦船などは、東シナ海や南シナ海、さらには第一列島線を超え西太平洋海域にまで、しばしば常軌を逸する強硬姿勢で積極的進出を図ってきました。

 この現実を70年以上前に予言したのが米国を代表する地政戦略家、ニコラス・ジョン・スパイクマンです。彼は、著書『世界における米国の戦略』で、次のように警告を発しています。

「近代化し、勢いをつけ、軍備を増強した中国は、“アジアの地中海(=台湾、シンガポール、豪州北部ヨーク岬を結ぶ三角形の海域=南シナ海)”で、日本だけでなく、西側諸国の地位をも脅かすことになるだろう・・・この海域が米・英・日のシー・パワーではなく、中国のエア・パワーによってコントロールされることもあり得る。」(ここで強調されているのが、シー・パワーではなく、エア・パワーであることは注目に値します。それは、あたかも今日、南シナ海に展開する人工島やそこに建設された3000m級滑走路などを予言しているかのようで、改めてスパイクマンの慧眼に驚きを禁じ得ません。)

 そのスパイクマンの予言をそのごとく実現する海洋戦略を打ち立てたのが、劉華清提督(鄧小平時代の中国共産党政治局常務委員であり海軍司令員)です。彼の海洋強国戦略(正式名称は「近海防御戦略」)によれば、「(中国)海軍の作戦海域は、今後の比較的長い期間は、主に第一列島線と当該列島に沿った沿海海域および列島線以内の黄海、東シナ海および南シナ海である。・・・我が国の経済力と科学技術レベルが絶え間なく向上することに伴い、海軍力はさらに強大なものとなり、我々の作戦海域は北太平洋や第二列島線にまで徐々に拡大して行くだろう」とされています。

 この中国の戦略が意味するところと具体的な将来展望、ならびに米国の対抗策とその現状については、次回明らかにしたいと思います。

(衆議院議員 長島昭久)

【格闘家イケメンファイル Vol.73】ミレニアルファイター 佐野天馬

2017.05.15 Vol.691

 5月13日に新宿FACEで行われた「KHAOS.2」に出場。(おそらく)10代最後となる試合で勝利を収め、一番会場を沸かせた熱い試合に送られるAbemaTVボーナスの「ベストバウト賞」にも選ばれた佐野。

「ベストバウト賞は素直にうれしかったですが、自分もダウンを取られたので、そういう意味では反省点のある試合でした。でも勝って反省できたので良かったかなと。ダウンを取られたのは、2Rに2回ダウンを取ってKO寸前の時。逆に相手のパンチをもらいダウンしてしまった。2つ取ったことで、早く試合を決めてやろうと焦ってしまったのかも知れません。でも自分がダウンを取られてからすぐ2Rが終了して、インターバルがあったので、その間に落ち着いていこうと思い、気持ちを立て直すことができた。トータル的には落ち着いて、冷静に相手の事を見て試合ができたかなと思います。相手の里見(柚己)選手は強かったですが、もうちょっとで倒せたと思うと、悔しかった気持ちもあります。ただ、試合中に自分がすごく強くなっているなって感じたし、試合後はまだまだ強くなれると思ったので、それが今回の試合の収穫ですね」

 ベストバウト賞には、賞金5万円が送られるが…。

「一人暮らしをしたいので、貯金します。実家のほうがラクだと思うんですけど、一人暮らしをしみたい気持ちがあって。それに、実家だとジムまでの移動時間が結構かかるから、ジムから5分~10分ぐらいの所に引っ越したい。何をしたいか? とにかく1人でダラダラしていたいです(笑)。料理はできませんが、料理をすることは多分好きなので、食事も自分でいろいろやってみたいです」

 ジムの近くに引っ越したいとはさすが。そんな佐野が格闘技を始めたのは…。

「4歳の時に父親に空手の道場に連れて行かれたのがきっかけです。父親自身はやっていなかったのですが、格闘技が好きで子どもにはやらせたかったみたい。その頃は空手も楽しくて、何一つ疑問を持たずにやっていました(笑)。小学校の時は空手をずっと続けて、中学に上がった時に、ジムに入ってキックボクシングを始めました。テレビでK-1を見て、顔面アリでやってみたかったので。と言っても、自分はまだ小さかったので、ぼーっと見ていただけであまり記憶はないです(笑)。父親が、見るのも勉強だって言って、一緒に見させられていたって感じです(笑)。ジムを選んだのも父親。キックボクシングをするならココって(笑)。ジムへは家から1時間ぐらいかかったんですけど、強くなるにはココしかないんだって父親が(笑)。で、部活も入らずほぼ毎日ジムに通いました。練習はめちゃくちゃキツイんですけど、すごく楽しくて。理由? お父さんが見てなかったからかな(笑)。空手の時は、ずっと練習を見ていましたから。それに、ジムには強い選手がいっぱいいて、チャンピオンになる姿を近くで見る事ができた。そんなあこがれの対象が身近にいたのも楽しかったですね」

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