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脱こじらせへの道 第36回 私は「こじらせ」たまま、生きていきたい

2016.12.09 Vol.679

 先日、作家の雨宮まみさんがお亡くなりになりました。
 著書「女子をこじらせて」で、「こじらせ」という言葉を使い始めた方。
 この著書によって救われたという女性も多いのではないでしょうか。

 そんな「こじらせ」という言葉も、現在は若干の独り歩き感があります。
 他人を揶揄する際に使われたりすることもあります。
 世間では「こじらせていること」=悪、という見方をされる場合もあったりしますね。

 では今一般的に使われている「こじらせ」とは、一体なんなのでしょうか。
 他人に対して、そして自分自身に対しては、「こじらせ」がどんな影響を与えるのでしょうか。
 今回のアンケートでは、今私たちが日常的に使っている「こじらせ」という言葉がどのような受け入れられ方をしているかが分かる結果となりました。

 まず驚くべきは、ほとんどの女性が「自分はこじらせている」と感じているということ。
 多くの女性が、自分自身に対して、世間と何らかの違和感を感じているということだと思います。

 また、そのこじらせの原因としては、2パターンあるようです。

 ひとつは、恋愛経験に関するもの。
「男性経験がない」「彼氏がいない」「結婚していない」「不倫している」
 といういわゆる”女性の幸せ”から遠のいているのでは、という不安からもたらされるものかと思います。

 そしてもうひとつは、「自分に自信がない」というもの。
 大人になるにつれお世辞を見分けられるようになったという理由もあるかもしれませんが、自分の女性性に自信が持てないから故のことかと思います。

 この2パターンを見ると、こじらせというのはそういった不安や自信のなさに「しばられてしまうこと」「固執してしまうこと」だと言えるのかと思います。

 不安に思うこと自体は誰にでもあるし、それだけで見れば別に問題ないと思うんですが、それにとらわれてしまう。

 その不安に思う事柄については、他の人から見たら、“それってうらやましい話じゃん”っていうものもあるんですが、そういうふうに考えられないとか考え方を転換できないことが、こじらせにつながっていくのではないでしょうか。

 たとえば先程のパターンで言えば、「仕事に熱中して婚期を逃してしまった」と本人が悩んでいることも、「社会で活躍できている女性」と他人が羨ましく見る場合だってあります。

 いずれにせよ、多様性のある現代では、これまで「当たり前」とされていたことだけが正解ではない場合もたくさんあります。
 女性でも起業してずっと働くだとか、シングルマザーとして生きるとか、数十年前では後ろ指さされていた生き方も、堂々と認められるようになっているのです。

 だから多くの女性が、これまでの「当たり前」と違和感を感じる生き方をしているのも当然。
 私たちはそれを「こじらせている」として卑下する必要はないと思うのです。

 もっと言えば、それを「こじらせている」生き方として肯定してくれたのが、雨宮さんだと思うのです。

 この連載のタイトルは、「脱こじらせへの道」。
 私はこの連載で、世間と違和感を感じているという意味での「こじらせ」の感覚を取り払い、堂々と生きることを目指していました。
 でも、「こじらせ」が世間との違和感と仮定すると、私は「こじらせ」たまま、生きていきたいと感じました。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.17『きれいな空気の味』#朝ごパン #札幌

2016.12.06 Vol.679

一木美里です。
本日お誕生日を迎えました?
親友たちにカウントダウンでお祝いしてもらって幸せいっぱいです。
今週のテーマは「朝ごパン」。
先日訪れた札幌で見つけたパン屋さんをご紹介します。

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第52回 AMAZINGなNOV.(^o^)v

2016.11.28 Vol.679

ついにEXILE THE SECONDのアリーナツアー「EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2016-2017 WILD WILD WARRIORS」が始まりました! 僕らのエンターテインメントがファンの皆さんに喜んでいただけるのか、ドキドキワクワクでしたが、初日の新潟公演を無事に終えてみて、皆さんの温かさにホッとしましたし、僕たち6人は、ツアーとしては2009年以来のアリーナツアーなので、お客様との距離の近さや会場の一体感がダイレクトに感じられて本当に楽しいです。2009年の時はEXILEが14人体制になって初めてのツアーだったので、お客様の多さや会場の大きさに圧倒されていた自分でしたが、あれから7年余りの時間が経ち、たくさんの景色を見てたくさんの経験を積み重ねて、ファンの皆さんのおかげでたくさんの夢を叶えてこれたからこそ、今こうして6人で胸を張ってステージに立つことができているんだと心から感じています。LIVEの細かいことはもちろん言えませんが、EXILE THE SECONDが育ってきた時代の音楽や、憧れてきたもの、今だからこそできる等身大の表現をステージにたくさん盛り込んでいるので、今までにない新感覚なライヴ・エンターテインメントをぜひ体感しに来てください。

 そして、ツアーと連動してDocumentary Movie『EXILE UNIVERSTY 〜あなたの夢はなんですか?〜』の特別講義イベントも各地で行っています。これは2014年から始まった淑徳大学人文学部表現学科で客員教授をやらせていただいた3年間の集大成がギュッと詰まった作品です。本紙の代表でもある一木さんにお声掛けいただき客員教授へのチャレンジが始まったのですが、こんなに素敵で赤裸々な映像にしてくださって、少し恥ずかしい部分はありますが、EXILE TETSUYAの一つの挑戦をのぞき見ていただけるのではないかと思っております。今回特別にパンフレットも作らせてもらったのですが、講義の模様やこのパンフレットのためだけに撮り下ろした写真などを散りばめて、今まで僕が経験して感じた、夢を叶えるための僕なりの言葉を書かせてもらいました。個人的にこういうものを作るのは初めての事なので、皆さんに喜んでいただけたらうれしいです。引き続き今まで訪れたことのない場所などをユナイテッド・シネマさんと話し合いながら、少しでも多くの場所で公開していきたいと思いますので情報解禁をお楽しみに!!

 そしてさらに、先日2017年からのLDHの新体制が発表されました。これから LDHのエンターテインメントの幅がさらに広がり、WORLD WIDEに世界中の素敵な音楽やDANCEやさまざまな事とつながるチャンスを広げるために、このような発表をさせていただきました。いろいろなご意見をいただきましたが、僕らが海外に行ってしまうわけでもありませんし、距離感が遠くなるわけでもありません。エンターテインメントを創っていく中で、やはり常に変化と進化をし続けたいと思う僕たちの夢が、今までよりも身近なものになり、それを形にして皆さんにお届けできるのだと考えています。

 その中で自分はLDH kitchenのスタッフとしての活動も発表させていただきました。

 もともとは2011年頃から趣味で始めたコーヒーでしたが、その奥深さとコーヒーから学ぶおもてなしの心が、自分としてはエンターテインメントのおもてなしと結びつき、続けていく中で、2015年の夏に初めてAMAZING COFFEEとしてイベントへの出店を機にたくさんの方々に支えられ、2016年11月22日に東京・中目黒に1号店をオープンすることができました。いつかお店をやってみたいなんて漠然とした夢を描いていましたが、縁や出会いが重なって、夢を叶えることができました。

 たった1杯のコーヒーから広がっていく皆さんのストーリーがAMAZINGでありますように、コーヒーはもちろんですが内装の隅々にもワクワクしていただけるように想いを込めさせていただきました。美味しいコーヒーを用意してスタッフ一同心よりお待ちしておりますので、お近くにお越しの際は、ご来店下さい。よろしくお願いいたします。

【DJダイノジ あなたの好き、肯定します!】第8回:すごい「大」ノジ、編曲家の大村雅朗さん

2016.11.28 Vol.679

大地:11月も終わりですけど今月の「深回」、もりだくさんだったね。冒頭の『湯を沸かすほどの熱い愛』からの映画の話、大村雅朗(まさあき)さん特集で90分。前に大谷さんから新しい音楽を教えてもらってるって話をしたことがあるけど、今月の「深回」はまさにそういう回だったよ! 大村さんという人を知ることができただけですごい収穫でした。

大谷:すごい「大」の字、すごい編曲家の大村雅朗さんを特集したんだよね。大村さんはすごい編曲家。1997年に46歳で亡くなられてるんだけど、手掛けた作品を並べたらド名曲ばかりなんだよ。八神純子さんの『水色の雨』、佐野元春さんの『アンジェリーナ』とか、大澤誉志幸さんの『そして僕は途方に暮れる』、吉川晃司さんの『ラ・ヴィアンローズ 』、渡辺美里さんの『My Revolution』…!

大地:すごい人!エピソードにもグッときたし。ところで大谷さん、なぜ大村さんを特集しようと思ったのか聞いてなかったけど?

大谷:それはね、ちょっと前に、大澤誉志幸さんと大村雅朗さんという2人のすごいダイノジ、過少評価されてるんじゃないかって、ブログで書いたことがあるんだけど、いつかどこかでちゃんと話したいなって思ってたんだよね。

大地:それが今だったってことなんだ。収録しながら思ってたんだけど、自分たちは、大村さんが編曲した曲を聞きながら育ってきたんだなって。

大谷:俺もさ、最初は気にして聞いてなかったよ。だんだん、この曲もあの曲もって、自分の好きな曲は大村さんが編曲していることに気づいた。DJをやるようになってそれを再確認したりもしたしね。

大地:松田聖子さんの『SWEET MEMORIES』では作曲をされているけどってエピソードはぐっと来たねえ。

大谷:大村さんは自分は編曲が専門だからこの曲はA面にはしないでって言って、カップリングとして収録されていた曲だった。あの曲の後は、また編曲者の方向へっていうね。

大地:恥ずかしさもあったのかもしれないけど、編曲者としてプライドもあったと思うんだ。

大谷:この曲ってさ、CMで流れて、口コミでどんどん広がっていって話題になったんだよね。

大地:うわ?覚えてるよ、それ?! 誰が歌っているんだってなったね。

大谷:作詞は松本隆さん。この頃はさ、松田聖子さんが新しい一歩を出していこうって時代で、そこで出してきたのが松本さんと大村さんが組んだ、ちょっと大人びたこの曲だったんだよね…。スティーリー・ダンとか、ドナルド・フェイゲンとか、あのテイストが入っている。洋楽のアレンジメントを入れ込みながら…。

大地:歌謡曲にも落とし込んでる!

大谷:それを歌う松田聖子さんもすごいですよ。松田さんの作品に『櫻の園』という曲がありますけど、この曲は大村さんが松田さんに歌ってほしいと託した曲。作詞は松本隆さんなんです。この曲もね…。

大地:ねえ。番組でも言ったけどさ、大村さんにはもう本当に頭が上がらないです。

※次回放送は12月25日。

格闘家イケメンファイル Vol.61 グランドスラム・イズム 伊藤盛一郎(いとう・せいいちろう)

2016.11.28 Vol.679

 2015年2月9日の同連載Vol.18に登場した伊藤盛一郎が2度目の登場。当時フライ級タイトルマッチ前に、チャンピオンに挑む心境を語った伊藤。その試合に勝利し、チャンピオンとなった伊藤はその後も防衛し続け、ベルトを守っている。2年の間に、挑む者から守る者になった伊藤の現在。

「チャンピオンになった時の試合ははっきりと覚えています。1R目の前半、自分が押してて、ちょっとイケるかな…と思った時に、パンチをもらいました。結構ガツンともらい、これは負けちゃうんじゃないかというぐらいピンチで。でも応援に来てくれてる人の事を思い出すと、こんなところで終わってたまるかって。そこからちょっと盛り返して、なんとか1Rは終了。もらったパンチで鼻が折れて、鼻血がすごかったんですけど、逆に思い切りいこうと。たくさんの人が応援に来てくれていたし、自分も本当に勝ちたかったので、絶対にぶっ飛ばすぞって、ガツガツ前に出ました。そして飛び膝蹴りから、コーナーに詰めて、最後はパウンド。パンチの連打で勝ったんですが、その瞬間号泣です(笑)。最後殴っているところがスローモーションになり、レフェリーの人がゆっくり入ってきた。そしたらカンカンカンって鐘がなって、その瞬間気持ちが高ぶって涙がバーッと(笑)。勝村先生も飛び出して来て、2人で抱き合って泣いていました(笑)」

 伊藤と師匠・勝村の熱い師弟関係は有名。

「師匠との絆は深いと思います。このジムでなければ格闘技はやらないし、勝村先生の元でしかやりたくないので。今は親よりも長い時間過ごしているんじゃないかな。先生は普段はすごくふざけていて、でも自然と周りに人が集まってくる。それは自分を犠牲にしてでも困っている人を助けてあげるなど、人格的にも素晴らしい人だから。あんなふうになりたいと思いますが、なかなか真似できないですよね」

 11月3日、東京・ディファ有明で行われた「GRANDSLAM 5」で、修斗の世界バンタム級2位の内藤頌貴と対戦し勝利。ケージサイドで観戦していた榊原信行RIZIN代表に、大晦日のRIZIN参戦を直訴。榊原氏から「大晦日に待ってます」と参戦を快諾された。

「1年前に鎖骨をケガして、去年の11月の試合を欠場してしまったんです。もしかしたらですが、その試合に出場して勝っていれば、昨年の大晦日に出場できていたかな…と。ですから、昨年末からずっと今年の大晦日のRIZIN出場を目指し、1年間頑張ってきました。結構大変な1年でしたけど、なんとかここまでやってきて良かったと、今は思っています。やはり大晦日の格闘技は、まだ自分が始める前から見ていましたし、勝村先生や所さんが、戦っていた大きな舞台なので、プロになったら自分もそこで戦ってみたいと思ってました。いつも言っている事なんですけど、ZSTのファイターって、一本とかKOなどをアグレッシブに狙っていくファイトスタイルなんですね。で、ZSTの中では多分自分が一番そういうファイトスタイルだと思うので、それをRIZINの舞台でやりたい。アグレッシブに攻めて、一本、KOを狙うZSTスタイルをお見せできれば、みなさんに楽しんでもらえるんじゃないでしょうか」

 前回のインタビューでは、男性のファンが多いと嘆いて(?)いたが…。

「それは変わらないです(笑)。3日の試合後、RIZINの試合が決まってから、ほとんど毎日5?6人の友達申請がフェイスブックであるんですけど、9割方男性です。男性から好きですっていうメッセージもきましたし、何でですかね(笑)。そこは2年前と変わらずですね(笑)」

 この2年でぐんと成長した伊藤。今後について。

「この先は…ずっとチャンピオンでいたいです。前回取材していただいた時は20歳で、ジムの中で自分が一番年下でしたけど、最近は大学生や自分より若い後輩も増えてきました。自分は今フライ級なんですけど、そのぐらいの階級の子がいたら育ててZSTに送り込んでみたいです。自分も師匠の田沼さんからベルトを受け継いで、第3代のチャンピオンになったので、ぜひ後輩に第4代になってもらいたい。このジムでフライ級のベルトは受けついでいきたい。自分自身は、前も言いましたが、今は海外は目指していません。それよりも、日本で先輩の所さんのようになりたいです。所二世って言われたいぐらい。大晦日のRIZINには、所さんも出場するので、一緒に勝てたら最高ですね」

黒谷友香「友香の素」vol.169 年齢の仕業?

2016.11.27 Vol.679

 早いもので、今年も残り少なくなって参りました。歳を重ねるごとに年末を迎えるのが何だか早まっているような気もします。しかも私は12月生まれなので、またひとつ年を重ねちゃいます(笑)。信じられないわっ。でも、12月生まれの先輩が1人いるので、共通の友人たちが2人合同のお誕生日パーティーを毎年開催してくれて、年末恒例のお楽しみになっています。待ち遠しくもありますが、何とも複雑な心境でもあり……。

 そういえば、最近、年齢の仕業?! なのか、嗜好が変わってきたりしていて、そんな自分にウソでしょ?!?っと思ったりすることが多々なのですが、皆さんはいかがでしょうか? 例えば私、今までコーヒーに必ずミルクを入れて飲んでいたのが、朝の最初の1杯以外はブラックでもいけちゃうようになったり、茶道を始めた影響からか日本茶が以前よりもグンと好きになったり、お味噌汁に入っている具材では、食べられますがあまり好きではなかったお揚げさんが、近頃は大?好きになり、メインがお揚げさんでも良いくらいになってしまいました。今まで何でもっと入れなかったんだろうと、お揚げさんを包丁で切る時に思います。それにしてもこんなに嗜好って変わるのでしょうか!? 自分で自分が面白い。

 食に関してはこんな感じですが、先日読書をしていて、はっとさせられた事がありました。萩原浩さんの短編でしたが「去年と今年で全員が40歳を超えた。全力疾走の時代がそろそろ終わり、後ろを振り返りたくなる時期、並んで走っている人間のことが気になる年齢だ」という文章の、全力疾走の時代がそろそろ終わりという部分にショックを受け、しばし本を閉じ遠くを見ました(笑)。そこにいたのは、まだまだ若いつもりでいたいっ!という、厚かましい自分。受け入れなきゃね? 今年のお誕生日パーティーはしっかりと年齢を噛み締めて参加したいと思います。

江戸瓦版的落語案内 火焔太鼓(かえんだいこ)

2016.11.26 Vol.679

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第35回 舐めるのはもちろん、見せるだけでも痴漢です

2016.11.25 Vol.679

 つい先日、「女性を車に乗せて35分間足を舐め続けた」という事件がありましたよね。
 なぜそんな異様な行為を……と人々の記憶に強烈に残ったことでしょう。
 ネットなどで変な盛り上がりを見せているこの事件ですが、これも立派な痴漢行為です。

 というわけで今回は、「痴漢にあったことはありますか?」というテーマでアンケートをとってみました。
 驚いたことに、75%もの方が痴漢にあったことがあるとのこと。
 そしてどの方も、克明にそのときの被害状況を書いてくださっています。
 それほど女性にとって痴漢とは、つらい、不快な体験だったのでしょう。

 私は今まで痴漢にあったことがないと思っていたのですが、皆さんの回答を読んでいて、ひとつ思い出したことがありました。

 それは大学生の頃、バイトを終えて帰宅しているときのことでした。
 その頃は遅い時間まで営業をしている飲食店で働いていたので、帰宅時間は終電になることがほとんど。
 駅から徒歩十分の暗い道を歩いて帰る途中、後ろから男性が乗った自転車が、私を追い越していきました。
 かと思うと、自転車はくるっとまわって私のほうへ向くのです。
 見ると、乗っていた男性が下半身を露出して、自慰行為をしているではありませんか。

 私は驚いたのと同時に恐怖を感じ、一瞬動けなくなりました。その後、なんとか相手の隙をついてその場から猛ダッシュで逃げました。
 
 その出来事は一度だけだったのですが、その体験をしてからというものその道が怖くなり、遠回りをしたりするようになりました。
 もっと早い時間に働けるバイトを探そうとも考えましたが、金銭面や勤務時間などから諦め、それ以降同じ体験をすることもなかったので、その体験自体が記憶から薄れていったようです。

 私の場合はもう大人だったので、そういう風に忘れていってしまいましたが、小学生くらいの小さい子にとっては大きなトラウマになってしまう出来事なのではないでしょうか。
 実際にアンケートでも、「子供の頃にこういう体験をした」という内容のものがありましたよね。本人にとって、強く記憶に残っているに違いありません。

 それにしても、アンケートの回答でも「見ているだけでいいから」と言われて自慰行為を見せつけられたというようなものがありましたが、改めて、いわゆる見せつけ系の痴漢というものの存在を思い出しました。
(子供の頃はあんなに学校から注意喚起されたのに……)

 捕まった男性の中には「見せているだけなのになぜ犯罪になるのか」としらを切る人もいるかもしれません。
 あるいは実際にそういう行為をしない男性にとっても、「見せているだけだからすぐ逃げればいいのに」という考えの方もいるかもしれませんね。
 でも女性からしたら、「本当に見るだけで終わるのだろうか」「見たら同意したと思われてこれ以上のことを求められるのではないか」
 と、恐怖でたまらないのです。

「触る痴漢」は犯罪行為として広く認識されていますし、知らない人に触られる不快感や恐怖は想像ができるかと思いますが、
「見せる痴漢」も女性にとっては同じく怖いのです。
 女性は腕力では男性には勝てません。
 だから女性にとって、力づくが怖いのはもちろんのこと、力づくを連想させることに恐怖心を抱くのは当たり前のことではないかと思います。
 それだけでなく、声をあげることで別の痴漢にも目をつけられるのではという恐怖感もあるのかもしれません。

 それは冒頭に書いた「足舐め男」のケースでも分かっていただけるかと思います。
 男性の中には「なんで35分も声を出せなかったのか?」と思われる方もいるかもしれません。「逃げれば良かったじゃないか」とか。
 でも被害にあった女性は、恐怖心から声を出すことができなかったのだと思います。思考停止してしまうんです。
 ましてや足を舐められるという、ある種の異常的な行為ですから、余計に。

 もしかしたら私のように「痴漢と気づいていない」という方もまだまだいるかもしれません。
 それを含めれば、「痴漢にあったことがある」という回答はもっと多くなるかもしれませんね。

 もちろんすべての男性が痴漢やそれに類似するような行為をするわけではありません。
 でも、男性には誰しも「ふと性欲を抑えられなくなるとき」がありませんか?
 そんなときは一度、「痴漢=犯罪」ということを思い出して、自分の将来を考えてみてください。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.16「まんまるココナッツとスーパームーン」

2016.11.22 Vol.678

一木美里です。
ハワイからイベント出演のため札幌へ行くと、その寒暖差に驚き!
EDM NEXT in the HOUSE mixed by DJMISATO発売されたのでぜひ、チェックしてくださいね!

#夜お茶 #ハワイ #デザート

一木美里のおいしくたべようの会 vol.15『ハワイから、クリスマスの赤を』

2016.11.15 Vol.678

一木美里です。
先週末は、ハワイへ行ってきました!
ハワイの海と空の青さにいっぱい癒されながら、友人のお祝いしてきた今回の旅。
何度行っても帰りたくない!と思わせるハワイ、すっかわたしも虜です。

#わたしのおもたせ #クリスマス #ハワイ

鈴木寛の「2020年への篤行録」 第38回 教育も「外交力」が必須の時代

2016.11.14 Vol.678

 前回のコラムで、日米の大学・研究機関がトランスパシフィック(太平洋横断)での医療イノベーションに関する取り組みについて取り上げましたが、ヒトとチエのグローバル化はどんどん進んでいます。

 私も8月初旬、広島県の高校生80名と一緒に、ハワイEast West Centerで行われた「広島創生イノベーションスクール」のプログラムに参加しました。そこでは、広島、ハワイ、ニューヨーク、フィリピン、インドネシア等の高校生たちが一緒にワークショップやプログラムに取り組むことで持続可能な社会の在り方について学びます。オバマ大統領の妹であり平和をテーマにした国際比較教育学者のマヤ・ストロさんにもワークショップを行っていただきました。
 また、9月には戦後ロックフェラー家がニューヨークに立ち上げたアジアソサエティ財団が60周年を記念して、グローバル教育センターという新組織を立ち上げ、開設記念のシンポジウムがありました。アンヘル・グリアOECD事務総長やユネスコのイリナ・ボコバ事務総長、ニュージーランドのトレバー・マラード教育大臣などが集まり、私は、同センターのアドバイザーに就任し、このシンポジウムにも参加しました。

 10月にも、スポーツ文化ワールドフォーラムが京都と東京で開催されました。これは下村博文元文部科学大臣のイニシアティブで開催が決定され、文部科学省が中心となってダボス会議事務局と協力して準備しました。IOCのバッハ会長、世界経済フォーラムのシュワブ会長も来日され、文部科学省参与の藤澤久美さんはじめ民からのメンバーと地方自治体からと官からのメンバーによる混成チームが文部科学省に作られ、彼らの大活躍のおかげで、大盛会に終了しました。

 実は世界的には学力のひとつの指標として、「グローバル・コンピテンシー」、つまり国際的に一緒に問題を解決する能力が明示化されようとしています。15歳の学力を世界的に比較したOECD(経済協力開発機構)のPISA調査のことは、日本の順位が出る度に報道があるので、みなさんもご存知と思いますが、2018年に向け、あのPISAに「グローバル・コンピテンシー」が追加される方向なのです。

 いま20代の方が40代になる頃、日本人ばかりの職場は減ってくるのは間違いありません。課長や部長になったら、部下の何割かは外国人になっていたという人も増えると思います。新たな創造力も生まれる一方で、カルチャーギャップやコンフリクトもあるはず。外国人と一緒に仕事をするための力をどう身につけるか、教育現場でも重要なテーマになっているのです。

 さて11月も私はアジアに出かけます。北京で行われるOECD教育2030、ドバイで行われるダボス会議関連のシンポジウムに、それぞれ参加します。教育でも「外交力」が必須の時代、私自身も磨いていかねばなりません。
(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

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