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田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」第12回「イケメン劇団Rexy『お江戸のおもちゃ』公演終了!」

2019.11.22 Vol.Web Original

 11月7日~10日、アトリエファンファーレ東池袋にて、劇団Rexy第八回公演「お江戸のおもちゃ」が上演されました。

 劇団Rexyは、過去の私の連載でも何度か取り上げているのですが、弊社ソフト・オン・デマンドが運営する劇団で、女性向けセクシーコンテンツの出演者を中心に2015年に立ち上げられました。

 普段AVの中で見ているタレントたちの新たな魅力を発見していただきたいと、王道コメディ、BL、時代劇等様々な作品に挑戦しています。

 中でも劇団Rexyの代表作と言えるのが、第五回公演の「風呂ダンサーズ」、そして続く第六回公演の「風呂ダンサーズⅡ」です。

 銭湯を営む桶川家の家族たちが、本家の父親の死をきっかけに、互いの絆を深め合っていくコメディ作品です。

 何より一番の見どころは、イケメンが全員全裸で踊るというシーン。

 見えるか見えないかというバカバカしい内容なのですが、見えてしまうという事故や怪我の危険性も高く、全員が「絶対に成功させる」という強い気持ちをもって取り組む姿を見ていると、その熱意が胸に突き刺さります。

 男だけでひとつのものを作り上げるというエネルギー、同じゴールに向かって進んでいくパワーは、この作品の何よりの魅力です。

「友情・努力・勝利」のような少年漫画的な世界観にも思えますが、それを女性も男性も楽しめる描き方にできたことで、「風呂ダンサーズ」シリーズは女性向けコンテンツの新しい切り口を提案できたのではないでしょうか。

【田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第11回「女性が風俗行っちゃだめですか?」

2019.11.08 Vol.web Original

ここのところイベントの話が続いています。
ちなみにこの記事が更新されている本日は、アトリエファンファーレ東池袋にて、劇団Rexyの「お江戸のおもちゃ」が上演中です。こちらもよろしければ。
( http://rexy.tokyo/stage/%e3%81%8a%e6%b1%9f%e6%88%b8%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%82%82%e3%81%a1%e3%82%83/ )
 
さて、前回の記事では新中野のソフト・オン・デマンド本社1階にある飲食店「Syain Bar SOD女子社員」で行われている男子社員DAYの模様をご紹介しましたが、10月末には初の試みとして風俗男子DAYを開催しました。

こちらも男子社員DAY同様に、普段接客している「SOD女子社員」に変わって、女性向け風俗で働く男性たちが接客する、という企画です。
 
当日は、「東京秘密基地」から6名、「ホストロイド」から7名のキャストさんにご参加いただきました。

あくまで私の印象ですが、「東京秘密基地」は渋谷・原宿系のおしゃれ今風イケメンが多く、一方の「ホストロイド」はビシッとスーツを決めた紳士たちが多い。

男性に何を求めるかという女性からのニーズによって、このようなカラーの違いが生まれていると思われます。
 
風俗男子DAYでは、お客様は個別のキャスト指名はできないのですが、どちらの店舗のテーブルにつきたいかはお選びいただけます。

指名ができないかわりに、キャストが代わる代わる話しかけに来てくれるので、いろいろなキャストと触れ合うことができます。

普段風俗を利用している人にとっては、いつもと違うシチュエーションでキャストと会うことができますし、利用していない人にとっては、キャストの雰囲気を知ることができたり、利用前に不安を解消できたりする、いい機会になったのではないでしょうか。
 
当日は、オープンの17時から続々とお客様が来店しました。

一人で来ている方もいれば、お友達と来ている方も。

男子社員DAY同様に、この日もお店オリジナルカクテルをご注文いただけたり、シャンパンタワーをご注文いただくとキャストたちとチェキを撮ることができます。
 
GIRL’S CHでは4月に「イケメンフェスティバル2019」というイベントを開催しました。

こちらでも女性向け風俗をピックアップしたのですが、今回はさながら「プチイケフェス」と言えるような、大盛況な一夜になりました。

(イケメンフェスティバル2019については、前回の連載記事に詳しく書いていますので、そちらをどうぞ。 https://www.tokyoheadline.com/443950/ )

【田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第10回「SOD男子社員はだめですか?」

2019.10.25 Vol.Web Original

 前回の記事では、私たちGIRL’S CHで毎月開催しているイベントをご紹介しました。

 GIRL’S CH主催イベントは、毎月出している新作の宣伝も兼ねて行っているので、作品の内容にちなんだ催しやトークをしています。

 でも、もっと気軽に出演者に会ったり、いろんなお話をしたりできる機会を設けたいと思い、9月から新しいイベントを始めました。それが、「男子社員DAY」です。

 今回は、その「男子社員DAY」の見どころをご紹介したいと思います。

 ソフト・オン・デマンド(以下SOD)グループは2018年5月に、秋葉原に「女子社員酒場」(オープン当時は「立ち飲みSOD女子社員」)をオープンさせました。

 女子社員が接客する立ち飲み居酒屋で、仕事帰りにサラリーマンが女子社員に癒されに来たり、AVファンが女子社員の世界観を体験したくて立ち寄ってくれたり、連日にぎわいを見せています。

 その2号店として、2019年5月にSODの本社ビル1Fに「Syain Bar SOD 女子社員」(以下、Syain Bar)をオープン。

 女子社員酒場は賑やかなイメージですが、Syain Barはカウンターを囲んで、座って落ち着いた雰囲気でゆっくり飲めるお店です。

 このSyain Barで、毎月第二・第四日曜日に開催しているのが、男子社員DAY。

 GIRL’S CHに出演している女性向けAV出演者・ラブメンたちを「男子社員」と呼んで、カウンターに立ってもらい営業しています。

 女子社員酒場もSyain Barも、男女ともにご利用いただけるのですが、普段は女子社員の出勤が中心となるため、お客様も男性がほとんど。

 ですので、女性のお客様にも来ていただきやすいように、男子社員のみが出勤する日を作ることになったのです。

【田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第9回「卒業したらサヨナラですか?」

2019.10.11 Vol.Web Original

 この記事が更新される10月11日は、ソフト・オン・デマンド(以下SOD)本社にて、私たちGIRL’S CHのイベントが開催されています。

 GIRL’S CHでは、月に1~2回程度イベントを開催しています。

 女性向けAVの出演者を招いて、トークを聞いたり、出演しているDVDを直接受け取ることができます。

 8月には巨大すごろくを作って、出演者と一緒にゴールを目指す「GIRL’S CHすごろく」というイベントを開催したりもしました。

 普段画面の中で見ている出演者たちと会えるだけでなく、お話ししたり、ゲームをしたり、ツーショットチェキ撮影をしてより親密になったりすることができるのが、私たちが運営しているイベントなのです。

 9月に開催したイベントでは、女性向けAVで6年間活躍してきた有馬芳彦さんの卒業記念イベントを開催しました。

 有馬さんは2013年8月に、女性向けAVメーカー「SILK LABO」にてエロメンとしてデビュー。以降、SILK LABOとGIRL’S CHの2つの女性向けAVメーカーにて作品をリリースしてきました。

 また、同時に役者としても活動し、数々の舞台に出演しています。

 SODで立ち上げた劇団Rexyでも第一回公演から出演を続け、11月には第8回公演「お江戸のおもちゃ」でも主演を務めます。

 過去にも当連載記事にて紹介してきたので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

 そんな有馬さんですが、8月にリリースした「Maison de Room」をもって、セクシーコンテンツからの卒業を発表しました。

 これまでの6年間との集大成ともいえる卒業作品は、監督、脚本、一人四役の出演にも挑戦した意欲作です。
(詳しくはこちら https://girls-ch.com/original/maison_de_room.php )

 さて、卒業後の有馬さんの様子、気になる方もいるのではないでしょうか。

 AV引退後にテレビなどで活躍する女優さんは少なくありませんが、一般人としてひっそり生活されている方のほうが多いです。

 ましてや、男優さんの引退後となると、ほとんど前例がないのではないでしょうか。

 現在の有馬さんは、「有馬芳彦」として活動を続けています。

 以前から続けている舞台への出演はもちろん、2018年から開始したオンラインサロンでは“食”をテーマにして日々発信を続けています。

 月に一度はオンラインサロン主催のイベントで、ファンの皆さんと交流する機会もあります。

 また、今年5月にSOD本社1Fにできた「Syain Bar SOD 女子社員」にも定期的に出勤しています。カウンター越しに有馬さんとお話もできますし、運が良ければ厨房で腕を振るう姿を見ることも……。

 そのようなわけで、女性向けAVに出演する男性たちにも、出演を辞めたあとの道を作りたいとSODは考えています。

 男性向けAVと比べてまだまだ歴史の浅いジャンルではありますが、有馬さんを先導として、これからも大志を抱く男性たちに、新しい生き方を提案していければと思っています。

【田口桃子の連載「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第8回「バイブ使っちゃだめですか?」

2019.09.27 Vol.web Original

 先日、とあるイベントに参加してきました。
 その名も「第一回バイブサミット会議G12~アダルトグッズに対して超ストイックな12人の女子達(G12)が考える日本のバイブのこれから~」。
 バイブを作っている人、売っている人、風俗関連の仕事をしている人などが集まり、ざっくばらんにお話しをする会でした。
 GIRL’S CHでは女性向けAVだけでなく、アダルトグッズもたくさん扱っているので、そのご縁で私も参加することになりました。

 会場となるのは渋谷のバイブバー。
 アダルトグッズショップ「ワイルドワン」が運営するバーで、店内に350本ものバイブがあるのが特徴です。通常営業時には、お酒を飲みながら店内に陳列されたバイブを見たり触ったりすることができる、とっても楽しいお店。(使うことはできません。)
 一言でバイブと言っても、デザイン性に富んだものやカラフルなもの、用途をイメージしやすいバイブらしい形のものなど多種多様です。見ているだけでもワクワクします。
国内外問わず、一見して「バイブ」とわからないようなスタイリッシュなものも多く、「どうやって使うんだろう?」というきっかけで友達同士で話してみるのも楽しいと思いますよ。

 イベントが始まってからは、自己紹介がてらそれぞれのお気に入りアイテムを紹介。
 私は最近の一押しであるiroha RIN&WOMAN LOVEの組み合わせを紹介しました。
 そして自己紹介後はカウンターに並んだバイブを触りながらのトークに花が咲きました。
 今どんなグッズが流行っているのか、とか、最近見つけた変なグッズとか。
 グッズを実際に触りながら、「これ良さそう」とか「こっちのほうが好きかも」など他ではできない話がたくさんできた、刺激的な時間でした。
あっという間に二時間が過ぎ、残れる人は二次会でもさらに話し。
 女性向けのアダルトグッズをどう売るか?だけでなく、女性向けの性を取り巻く環境をどうしていきたいか?だったり、業界での困りごとなど、幅広く語り合う貴重な時間でした。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第7回 「生理休暇とっちゃだめですか?」

2019.09.13 Vol.Web Original

 一年ほど前ですが、ソフト・オン・デマンドにも生理休暇の制度が導入されました!

 弊社では、子供をもつ女性陣で組織された「すみれの会」という組織があります。

 女性を扱うAV業界だからこそ、社内で働く女性の活躍を応援するという目的で、様々な取り組みをしています。

 たとえば、定期的に実施される女性社員へのアンケート。

 社内での困りごとを吸い上げ、それをもとに社長に対応策を掛け合ってくれています。

 困りごとも様々ですが、身近なことでは分煙ルールが徹底されていないという指摘があり、社内に周知するというようなものです。

 時にはパワハラの報告を受けて、労働環境の改善へと切り込むこともあります。

 その女性社員アンケートの中で、「生理休暇を取得したい」という要望があり、昨年制度がスタートしました。

 もしかしたらそれまでも権利はあったのかもしれませんが…入社13年目の私でさえその制度を知らなかったので、おそらくほとんどの社員は認識していなかったと思います。

 では実際にどのくらいの人が利用しているかは、制度の特性上明らかにされることはありません。

 私はというと……0日です。

 これまでにまだ、生理休暇を取得したことはありません。

 幸いなことにお休みをとるほどのひどい生理痛や体調不良はないからです。

 でも、「いざとなったら生理休暇があるから休んでも大丈夫」という安心が生まれて、それだけでもだいぶ気が楽です。

 無理をしなくてもいいと思えるだけで、だいぶ過ごしやすく、働きやすくなったように感じます。

 数年前にこんなことがありました。

 私は身体的な生理痛はあまりないのですが、気分の浮き沈みが激しくなってしまうタイプです。

 ある時、生理中に重要な会議に出なければいけないことがあったのですが、その場でつい感情的になってしまいました。

 素直に謝ればよかったのですが、それすら考えが及ばず、「すみません、生理で感情的になってしまいました」と言ってしまったのです。

 すると上司はこう言いました。

「お前がしっかりしなければいけないのだから、生理ぐらいで感情的になるな。生理なんてないという顔をしろ」と。

 感情的になったのは私が悪かったです。

 余計な一言を言ったのは私が悪かったです。

 でも、一番生理なんて気にしたくないのは、私自身です。

 私が悪いことは百も承知ですが、人間性を否定されるよりもつらく、絶望しました。

 こういう悲しい思いをしないためにも、「生理の日は思い切って休む」。

 そういう選択肢があること、そういう選択ができることは、とても有意義なことだと思います。

 生理痛のつらさは、男性には理解しがたいですし、女性同士でも個人差があるのでわかりあえないこともあります。

 症状も様々で、お腹が痛いという人もいれば、頭が痛いという人もいるし、貧血になってしまう人もいます。

 手洗いやうがいをすれば予防できるとか、予防接種でなんとかなるというような対策ができないので、生理痛は自己管理ができないと言われてしまうと本当に困ってしまいます。

 個人的には、身体的な症状よりも、理解されない苦しさや自分でなんとも制御できないつらさのほうがしんどさを感じます。

 特別扱いしてほしいとは思っていません。

 いざというときに、自分で責任もって休める気持ちと制度が、当たり前になればいいなと思います。

 ちなみに、つらい生理痛の場合、ピルの服用などで症状が改善することもあります。

 実際に私はそうでした。

 なぜか日本ではピルを飲むことがあまり一般化していないように思いますが、悩んでいる人は一度検討してみてはいかがでしょうか。

 そして男性諸君は、ピルを飲んでる女性だからと言って生でヤレると思わないこと!

 性感染症の予防のためにも、必ずコンドームは着用しましょう。

 と、最後はAV屋らしく締めてみました。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃだめですか?」】第6回 「女性が集まって性の話しちゃだめですか?」

2019.08.23 Vol.Web Original

 先日8月18日、「レズノミクス東京~真打ち登場!レズっ娘クラブ東京進出記念イベント~」に出演してきました。

 2007年に関西にオープンしたレズ風俗店「レズっ娘クラブ」が東京店をオープンするにあたって、お店に所属するキャストさん、スタッフさん、そして実際にサービスを体験した方々が勢ぞろいするという豪華トークショー。

 以前私も姉妹店の「ティアラ」さんのサービスを体験しており、この日はその時の体験をお話しさせていただいたわけです。

 サービス体験の記事はこちら

レズ風俗で一生分の女性の愛をもらった話【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第28回】

 ベテランキャストゆうさん・代表御坊さんへのインタビュー記事はこちら

レズ風俗ベテランキャストゆうさん・代表御坊さんインタビュー【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第29回】

 今回は女性限定のイベントで、お盆時期の昼間だというのに、会場には女性客がぎっしり。

 イベントが始まると、お店のキャストさんたち、そのサービスを利用した人たちが、交互に舞台にあがってトークを繰り広げていきました。

 まずはレズっ娘クラブのキャストさんたちから。

 お店のスタッフの方が、「キャストの方はみんなセルフプロデュース能力が高い」「事務所でもいつも素敵」という話をされていた通り、キャストさんたちは一人一人個性がある中にもかわいらしさがある方ばかりです。

 キャストさんの次は、サービスを体験した方々が登壇。私もこちらに参加させていただきました。

 レズっ娘クラブには、エッチなことが一切ないデートコース、ホテルで本格的なレズプレイが楽しめるビアンコースがあります。

 過ごし方は様々ですが、その時間内ではキャストさんが精いっぱい自分に向き合ってくれる時間。

 私と同じようにそう感じている方々が他にもいらして、レズっ娘クラブはただ快感だけを提供するお店ではなく、自分を大切にしてもらえる時間を提供してくれているのだと、改めて感じました。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃダメですか?」】第5回 「女がオナニーしちゃだめですか?」

2019.08.09 Vol.Web Original

 新卒でアダルトビデオ業界に飛び込んで、その後女性向けの事業に配属されたのですが、私にとって「女性に性欲がある」ということは当たり前だと思っていました。

 エッチなことに興味があって、アダルトビデオを見たり、アダルトグッズを使ってみたり、ハウツー本を読んだりということは、この仕事をする前からしていたからです。

 そもそも物心ついた頃から、オナニーのようなことをしていました。

 当時はそれを「オナニー」だと認識していませんでしたが、なんとなくそれをしたくなり、すると気持ちよくなり、家族の目を盗んでこっそりとするようになっていたのです。
(いけないことをしているという気持ちよりも、なんとなく家族にはばれないほうが良いと思っていたんだと思います。)

 その後、中学生くらいでしょうか、新聞のお悩み相談コーナーが好きで毎回スクラップしていたのですが、そこに「まだ幼稚園生の娘が角に股間をこすりつけて恍惚とした表情をしているがどうすればいいのか」というお悩みが寄せられたことがありました。

 いわゆる幼児自慰というもので、ほかのことに興味がうつると自然にやめるでしょう、という回答でした。

 まさに自分は幼児自慰から、そのまま辞めずにし続けて今に至るのだとわかり、ドキリとした記憶があります。

 自分が少数派、いや、おかしいと気付いたのは、本当に最近のことでした。

 この10年ほど、女性向けのアダルトビデオやアダルトグッズがたくさん生まれ、企業・個人問わず「女性の性の解放」を訴える女性が多くなりましたよね。

 なぜみんなこぞって、「女性に性欲があることはおかしいことではない」「女性がオナニーをすることは悪いことではない」と当たり前のことばかり主張するのか?

 ずっとそれが疑問でした。

 そりゃそうです、私にとっては普通のことだったのですから。
だから、多くの女性が「性欲があることはおかしいことなのか?」「オナニーをすることは恥ずかしいことなのか?」ということに悩んでいるということに気付かなかったのです。

 また一方で、それらを発信している人たちが、セクハラの対象になり悩んでいることも知りませんでした。

 私自身はオナニーをする側の人間として、異性と対等に話せている(むしろ赤裸々に話しすぎて男性を引かせることもある)と思っていたし、そんなことで悩んだことはほとんどなかったからです。

 さらに言うと、オナニーを隠れてすることにも、言い訳が必要だということもわかりました。

 オナニーをすると女性ホルモンが分泌されて美容にいい。

 オナニーをすれば感度が上がって彼を喜ばせることができる。

 美容のため、パートナーのため、自分以外の何かを言い訳にしないと、性欲解消以外の言い訳がないと、怖くてオナニーすらできない。

 つまりは、女性がオナニーをするということは、他者に言い訳をしないとできないほど恥ずかしいことで、していることがばれると男性からセクハラを受けたりする行動で、正当化するために「性欲があることはおかしくない!」と主張し続けなければならない。

 これって楽しいですか??

 自分が自分の性欲を認めて、自己責任のもと欲求を満たしていくのは、何も変じゃないし、欲求を満たすことは楽しいことであるべきだと私は思うのですが。

 多分この記事が公開されている頃は、書店にananのSEX特集が並んでいることでしょう。

 年に1回のこの特集記事を見て、あなたは「女性の性は解放された」と思いますか?

「まだ解放とはほど遠い」と思いますか?

 私は、女性のオナニーが悪いことだとは全く思いません。

 でもわざわざ「オナニーしている」ことを明言する必要もないと思っています。

 果たして、どれだけの人が自分の性欲に自覚的になっているのでしょうか。

 ただ、性は一人一人違うものだからこそ、自分に自信をもって、自分なりの性を獲得していくことが必要で、そのためには自分の性欲をすべて認めてあげることが大切だということは、強く思います。

 オナニーを肯定することがそれらの一助になるのであれば、私は大声で「オナニー万歳!!」と言いたいと思います。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃダメですか?」】第4回 「飲み会で下ネタ言わなきゃだめですか?」

2019.07.26 Vol.Web Original

 アダルトビデオ販売会社「ソフト・オン・デマンド(以下SOD)」で働いて13年目。

 SODで働いていることを友人や初めて会った人に伝えたときの反応にもいろいろあります。
(「なんで早稲田大学を出てSODに?」という質問に対しての答えは、第3回の記事で書いたので、ぜひそちらを読んでみてください。)

 男性からよく言われるのは「お世話になってます!」という言葉。

 AVが好きでSODのことも知ってくださっていて、好きな女優さんや好きなシリーズの話などを聞かせていただけるのはとても嬉しいです。

 一方女性はSODという会社を知らない人が多く、「なんの会社?」というところから、どういうものを扱っていて、自分はそこでそんな職種で働いていて…というのを説明します。

「面白そう」と言ってくれる人もいれば、まったくピンとこないという表情の人もいて、女性にとってAVはまだそれほど日常的なものではないのだなと改めて感じることも。

 さて以前は、私がSODで働いているということを知っている男性から、しばしば「飲み会に来て」という誘いを受けることがありました。

 お酒を飲むのは好きなので、最初は何も考えずに参加していたのですが、次第に気づいてしまいました。

 彼らが求めているのは、「私」ではなく「SOD女子社員」であるということを。

 AV業界のことを面白可笑しく語ること、セクハラをされること、そしてそのセクハラを笑って受け流すこと。

 私に求められていたのはそれだけでした。

 こんなこともありました。

 初めて会う人なのに、私の名前をインターネットで検索し、プロフィールを覚え、取材記事や連載記事も見てきた上で、会社やアダルト業界の話を根掘り葉掘り聞かれ、最後には「この記事もどうせ自分で書いてないんでしょ?」と言われるという。

 全部自分で書いてるんですけどね。

 彼らはもしかしたら、アダルトビデオ会社で働く女性は全員女優で、出演以外の仕事がないと誤解しているのかもしれませんね。
(そもそも女優さんもAV出演以外にも、文章を書かれたり、歌や踊りをやられたり、作品の販売促進のために我々が依頼した作業をしたり、ほかにも様々なお仕事があります。)

 これって結構失礼な話だと思うんですが、どうでしょう。

「アダルトビデオを販売している会社に勤めている女性がまともな仕事をしているわけがない」

「アダルト業界の女性は、男性の飲み会では都合よくエロい話ができるホステスであれば良い」

 そういう価値観で扱われているのだなと感じて、私はすごく腹が立ちました。

 おそらく、ほとんどの皆さんは、性の話を真面目にする機会が多くはないのではないでしょうか。

 特殊な題材だから、性に関する話題になると、急に人との距離感がわからなくなる。

 他の題材で話しているときは、「これを言ったら相手がどう感じるか」「こういう伝え方をしてもいいかどうか」ということを考えられるのに、性の話をする機会が少ないから、その加減がわからない。

 それで、飲み会の席などで急に、「ハメを外す」ということが起こってしまうのではないかと思います。

 つまりは、普段からもっと性の話をして、力加減を知っていくことが必要なのでは。

 だからこそ、実は下ネタって、もっと話したほうがいいのではないでしょうか。

 セクハラをするためではありません。

 どうすれば他人を傷つけないで性の話ができるかを、もっと練習していくために。

 と言っても、最近は前述したような失礼な誘いも減ってきました。

 13年もSODで働いていると、さすがにちゃんと仕事をしてるんだなとわかってくれているのかもしれません。

 ただ単にまわりの友人たちが結婚・出産したりして、飲み会の開催数自体が減っているのかもしれませんが…。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃダメですか?」】第3回 「大卒でSOD入っちゃだめですか?」

2019.07.12 Vol.Web Original

 私は現在、ソフト・オン・デマンドというアダルトビデオの販売会社で、「GIRL’S CH」という女性向けの動画サイトの運営をする部署に配属されています。

 サイトの広報に関わる仕事をすることも多く、今皆さんが目にしているこの記事のように、文章で仕事のことや、自分自身のことを発信する機会もたびたびあります。

 そのようにして発信を続けていると、私自身に対してご意見をいただくこともあります。

 肯定的な意見、否定的な意見両方ありますが、先日ひとつ気になるご意見をいただきました。

 それが、「大学まで行ってSODに入るなんて親がかわいそう」というものです。

 なぜかこのご意見がとてもひっかかったので、今回はその理由を紐解いてみたいと思います。

【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃダメですか?」】第2回 「ADはブスでなければだめですか?」

2019.06.28 Vol.Web Original

 ADという仕事をご存知でしょうか?

 アシスタント・ディレクターの頭文字をとったもので、私のいる会社では、映像制作の現場で撮影が滞りなく進むように準備をしたりサポートをしたりするのが主な業務です。

 アダルトビデオの撮影スタッフは男性が多いのですが、弊社では新卒採用も行っているので、大学を卒業したばかりの女性もいます。

 現場は、早朝から始まって夜遅くまで続くので体力がいりますし、重い荷物を運んだりすることも多いです。

 物理的には、ADという仕事は男性よりも女性のほうが、不利なことが多いのかなと思います。

 以前、ある女性ADが、「ロケ現場では化粧もしない、地味な格好をする、女性としての自己主張をしない」ということを新人女性ADに教えていたのを目にしました。

 これを聞いて、皆さんはどう思いますか?

 なぜADというだけで女性ということを放棄しなければならないのか?と思う方もいるかもしれませんね。

 現場で女性らしく働くことを否定している、さらにそれを後輩にも押し付けるなんて、という見方もあるかもしれません。

 私は単純に、「作品には映らないそんな部分にまで気を使うほど、彼女は作品に熱い思いがあるんだ」と思いました。

 実際に、ロケ現場では華美な格好は不向きです。

 足元は動き回れるようにスニーカーのような靴が良いですし、レースなどのひらひらした生地は機材にひっかかってしまったりして危険です。ミニスカートやショートパンツも、足が出ているので、ものを落としたりぶつけたりして怪我になりやすいです。

 少しでも男性スタッフの足を引っ張ることになったら、撮影が滞るのではないか。

 少しでも自分に注目されることがあったら、女優さんに迷惑をかけることになるのではないか。

 彼女の発言は、そんな撮影現場での不安を取り払うためのものだったのだと思います。

 とてもじゃないですが、着飾ったら女優さんより目立ってしまうからなどというおこがましい理由ではありません。

 これまで、社会において女性が生き抜くためには、「男性の求める女性らしさを売りにする」か、「男になるか」という極端な選択肢しか、私たちには見えていませんでした。

 特にADの仕事を全うして評価を得るには、後者になるしかなかった。

 それゆえ彼女は、現場では「ブスになる」ことを意図的に心がけていたのでしょう。

 とはいえ、多様性が認められ、働き改革も進んでいる現在は、女性らしさを捨て去る必要はないのではないかと思います。

 好きなTシャツを着たっていいし、派手すぎなければメイクだってしてもいいのでは。

 女であることを言い訳できない厳しい世界だし、女だということに甘えていると思われたくない。

 でも本当は誰もブスになる必要なんて、ないのではないでしょうか。

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