【田口桃子の「SOD女子社員は脱がなきゃダメですか?」】第5回 「女がオナニーしちゃだめですか?」

この記事が更新される8月9日は、GIRL’S CHではすごろくイベントを開催中!ゲームを言い訳に、推しメンと密着できちゃう!? 写真は4月に開催した際のラブメン・長瀬広臣
 新卒でアダルトビデオ業界に飛び込んで、その後女性向けの事業に配属されたのですが、私にとって「女性に性欲がある」ということは当たり前だと思っていました。

 エッチなことに興味があって、アダルトビデオを見たり、アダルトグッズを使ってみたり、ハウツー本を読んだりということは、この仕事をする前からしていたからです。

 そもそも物心ついた頃から、オナニーのようなことをしていました。

 当時はそれを「オナニー」だと認識していませんでしたが、なんとなくそれをしたくなり、すると気持ちよくなり、家族の目を盗んでこっそりとするようになっていたのです。
(いけないことをしているという気持ちよりも、なんとなく家族にはばれないほうが良いと思っていたんだと思います。)

 その後、中学生くらいでしょうか、新聞のお悩み相談コーナーが好きで毎回スクラップしていたのですが、そこに「まだ幼稚園生の娘が角に股間をこすりつけて恍惚とした表情をしているがどうすればいいのか」というお悩みが寄せられたことがありました。

 いわゆる幼児自慰というもので、ほかのことに興味がうつると自然にやめるでしょう、という回答でした。

 まさに自分は幼児自慰から、そのまま辞めずにし続けて今に至るのだとわかり、ドキリとした記憶があります。


 自分が少数派、いや、おかしいと気付いたのは、本当に最近のことでした。

 この10年ほど、女性向けのアダルトビデオやアダルトグッズがたくさん生まれ、企業・個人問わず「女性の性の解放」を訴える女性が多くなりましたよね。

 なぜみんなこぞって、「女性に性欲があることはおかしいことではない」「女性がオナニーをすることは悪いことではない」と当たり前のことばかり主張するのか?

 ずっとそれが疑問でした。

 そりゃそうです、私にとっては普通のことだったのですから。
だから、多くの女性が「性欲があることはおかしいことなのか?」「オナニーをすることは恥ずかしいことなのか?」ということに悩んでいるということに気付かなかったのです。

 また一方で、それらを発信している人たちが、セクハラの対象になり悩んでいることも知りませんでした。

 私自身はオナニーをする側の人間として、異性と対等に話せている(むしろ赤裸々に話しすぎて男性を引かせることもある)と思っていたし、そんなことで悩んだことはほとんどなかったからです。

 さらに言うと、オナニーを隠れてすることにも、言い訳が必要だということもわかりました。

 オナニーをすると女性ホルモンが分泌されて美容にいい。

 オナニーをすれば感度が上がって彼を喜ばせることができる。

 美容のため、パートナーのため、自分以外の何かを言い訳にしないと、性欲解消以外の言い訳がないと、怖くてオナニーすらできない。


 つまりは、女性がオナニーをするということは、他者に言い訳をしないとできないほど恥ずかしいことで、していることがばれると男性からセクハラを受けたりする行動で、正当化するために「性欲があることはおかしくない!」と主張し続けなければならない。

 これって楽しいですか??

 自分が自分の性欲を認めて、自己責任のもと欲求を満たしていくのは、何も変じゃないし、欲求を満たすことは楽しいことであるべきだと私は思うのですが。


 多分この記事が公開されている頃は、書店にananのSEX特集が並んでいることでしょう。

 年に1回のこの特集記事を見て、あなたは「女性の性は解放された」と思いますか?

「まだ解放とはほど遠い」と思いますか?

 私は、女性のオナニーが悪いことだとは全く思いません。

 でもわざわざ「オナニーしている」ことを明言する必要もないと思っています。

 果たして、どれだけの人が自分の性欲に自覚的になっているのでしょうか。

 ただ、性は一人一人違うものだからこそ、自分に自信をもって、自分なりの性を獲得していくことが必要で、そのためには自分の性欲をすべて認めてあげることが大切だということは、強く思います。

 オナニーを肯定することがそれらの一助になるのであれば、私は大声で「オナニー万歳!!」と言いたいと思います。
田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。