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子宮頸がん一歩手前だった私が彼氏と一緒に「HPVワクチン」を接種するまで

2020.01.14 Vol.Web Original

 婦人科検診で子宮頸がんに「異常アリ」という結果が出た。25歳の頃だった。会社で受けた健康診断で、婦人科で赤字表記されることは初めてだったため、当時とても焦ったのを覚えている。精密検査の末下されたのは「細胞異形成」という結果だった。これは、記者が27歳で「子宮頸がん予防ワクチン」を打つまでのお話。

経過観察段階の「異形成」…でも不安で打ちひしがれた

「細胞異形成」という診断は、子宮頸がんにかかった、という診断ではなく、この先もしかしたらがん細胞に変化していくかもしれない細胞があることが認められる、というものだった。この段階ではまだ細胞ががんになるか、正常に戻っていくのかの判別が出来ないため、定期検診をしながら様子を見よう、と大きな病院の先生に言われた。

 25歳の若造は震え上がって将来を憂いまくってガチ病みした。

「がんが進んで、切除手術になってしまったらどうしよう」
「子どもが産みづらくなるのではないか?」

 今思えばよくある杞憂で、ネットで何が正解か分からない情報を検索しては、悪い方向にばかり考えてくよくよ泣いた。結局私の異形成細胞は、この後1年ほどかけて正常細胞に戻っていった。特に何をしたわけでもなかったが、たまたま私の場合は悪い方向に転がらずに済んだのだった。

 そんな時だった。週刊誌の取材でたまたま、恵比寿にある性病・男性クリニックの「東京プレイヤーズクリニック」の河野太郎院長にお会いすることになった。渋谷でお茶しながら取材を行ったあと、なんとなく自分が「子宮頸部異形成」を診断されたことがあり、それが好転したことを話すと、先生は私にこう聞いた。

「君はHPVワクチンは接種したことあるの? ないなら今すぐ受けにいった方がいいよ!」

健康に子どもがほしいから……同棲中の彼氏と一緒にHPVワクチンを接種

 HPVワクチンとは、子宮頸がんの原因になる「HPV(ヒトパピローマウイルス)」というウイルスを防ぐワクチンだ。日本では12歳〜16歳の女性なら公費による接種が可能だが、これが任意の接種であるため、日本ではHPVワクチンの接種率は高いとは言いづらい。

「HPVワクチンはすでに感染している細胞からウイルスを排除することはできないけれど、これから先の感染を防ぐのにはとても有効だよ。今正常に戻っているのなら、今のうちにワクチンを打つべきだよ」

日本人のHPVワクチン接種率は0.3%!知っているようで知らない子宮頸がんの現実

2019.10.16 Vol.Web Original

 毎年10月は乳がんの啓発を行う「ピンクリボン月間」として、さまざまなイベントやキャンペーンが行われているが、11月は「子宮頸がん予防啓発強化月間」だということをご存知だろうか。女性特有のがんとして、乳がんに次いで多く発症しているのが「子宮頸がん」だ。国内では現在年間に約1万人が罹患し、そのうち死亡者数は約3000人に上る。特に若い女性の罹患率が高く、一番多いのは30代前半だがどんどん若年齢化、その背景にあるのは“オープンな性行動”なのだという。こうした現状を踏まえ、企業で働く人のがん検診受診率向上を目指す「がん対策推進企業アクション」が女性メディア向けにセミナーを行った。

 子宮頸がんの原因となるのが、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染だ。主な感染経路は性的な接触で、性交渉の経験がある女性のうち50〜80%が生涯に一度はHPVに感染するとされている。現在180種ほどあるHPVのうち、子宮頸がんの主要な原因となるのは16・18型で、予防には性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが最も有効とのこと。しかし「日本はヘルスリテラシーが低いと思います。その象徴がHPV予防ワクチン」と警鐘を鳴らすのは、東京大学医学部附属病院の放射線治療部門長である中川恵一医師。

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