みうらじゅん × いとうせいこう 大人気イベント「ザ・スライドショー」がまさかの映画化!?

撮影・蔦野裕

 なんだか、いとうさんに褒められたくてネタを探しているような…。

み「映画の中でも言ってますが、僕、いとうさんに“見苦しいほど愛してもらいたい”という思いでネタを探してますから(笑)。しかも、会場は1年前くらいに押さえるので、ずっとその間、いとうさんの事考えてる」
い「マジか(爆笑)」
み「ショーの開催が段々近づいてきて…」
い「高まってくるのね(笑)」
み「そう、思いが高まるから、こっちも手ぬるい事はできないし。失礼にあたらないように、よくお揉みいただけるようなネタを用意しなきゃって」
い「でも俺は、そこは突っ込まないから(笑)。虎の敷物の写真を持ってきても、虎の事には触れないよ。いい布団だねとか、日付に突っ込むよ」
み「“なんでこんな日にこんな所にいたんだよ”ってね(笑)。俺の中ではオチまで想定してネタを持ってきてるのに…」
い「あれを言ってほしい、あそこをいじってほしい”って無言で言ってるから(笑)」
み「“いとうさん、早く早く早く。あそこだよ、あそこにあるよ”って言ってるんだけど、まったく言わないから(笑)」
い「そうしたらね、もうおたおたするわけですよ。何千人もの前でおたおたする。それはすごいですよ(笑)」
み「俺ね、ずっと突っ込みだと思っていたんですけど、いとうさんとイベントをやるようになってボケだっていう事にようやく気づいた。キングの突っ込みを前にして、痛感したんです。でもちゃんと気持ちいいようにボケにされて、その快感を得てしまったので、もう戻れない体になった(笑)」
い「一人で原稿書いている時は、自分で見つけて、自分で突っ込んでいるから、みうらさんは両刀使いだよね」
み「実は、バイなんです(笑)」
い「まあ、ちょっと意地悪っちゃ意地悪なんだけど、そういう意図していないようなことになると面白いじゃない」
み「得意気に持ってきたものが通用しないってのが面白いよね」
い「作ってないから、みんな気持ちよく笑える。俺もそれ以上追い詰めないし。最終的には気持ちよく笑って終わるんだけど、その前にみうらさんの目がキョロキョロしているのが見たいかなって(笑)」
み「相棒は、サングラスかけてても目がキョロキョロしてるのが分かるらしい(笑)」
い「全然分かるよ。白目の所がキョロキョロって(笑)」

 映画のタイトルにもなっている“レジェンド仲良し”とは、レジェンド級の仲良し、親友のもっと上をいくぐらいのスペシャル仲良しの事だという。その秘密が映画では明かされる?

い「異常な量喋ってますからね。知り合ってからも長いですが、こんなに友達同士で長い時間喋ってる人ってそんなにいないんじゃないかな。日本で有数の喋ってる量だよ(笑)」
み「この前も取材と番組収録と、その間の雑談で5時間以上喋ってたもんね(笑)。“今日もよく喋ったな”って」
い「ノンストップだから(笑)。要はね、合間になんか置いて、それについて喋るんですね。2人で面と向かって喋ると喧嘩するにきまってるんだから(笑)」
み「僕たち見仏記も一緒なんだけど、それも仏像を見て、2人で思いついたことを言ってるだけだから(笑)」
い「ネタの写真を見て、何かを言っているだけ。服の話とか一回もしない」
み「そうするとぐっと気持ちが近づいているんだよ」
い「とにかく、なんか違うことについて喋ってれば絶対にいいんだって(笑)。そうすれば、みなさんも友達と“レジェンド仲良し”になれますよ、多分(笑)」

(THL・水野陽子)