劇団Rexy新作公演『風呂ダンサーズ』で座長を務める北野翔太さんにインタビュー・後編【脱こじらせへの道 第61回】

 12月14~17日に本番を迎える劇団Rexy第5回公演「風呂ダンサーズ」。座長を務める北野翔太さんへのインタビュー、後編です。「15人のイケメンが全裸で踊る」という驚きの作品の裏側に直撃しました。

(撮影・蔦野裕)

■15人のイケメンが全裸で踊る!?
――今回の作品では座長を務めます。北野さん的に見どころはどんなところですか?
「見どころ…。基本的にはすごく熱い話なんですよ。熱い話を裸でずっとやる」

――暑いから…。
「うん。いや、物理的に暑いからじゃなくて(笑)。精神的な面で熱い内容。基本的には親父を成仏させようというコンセプトがあって、みんなは成仏していない親父のことが見えるんですが、なぜか主人公だけが見えないんです」

――その、親父のことが一人だけ見えない主人公が北野さん?
「そうです。なぜ自分だけが見えないのかという理由は分からないなりに、自分も努力して親父を成仏させようと頑張るんです。成仏する条件が、親戚一同が揃って一つのことを成し遂げて、銭湯を復興させることなんですが、親戚の人数も多いし、引きこもってる奴もいたりしてなかなかみんな集まることができないんです」

――今回はRexy史上、最多の出演者ですね。
「多いですね。男子校みたいな感じです」

――いつも北野さんの事務所のツイッターで楽しそうな様子がアップされています。
「ずっとあんな感じですよ。スキあらば筋トレをする奴もいるし。まわりも筋トレを手伝ったり」

――いますね、まさにそこに(笑)。
「終わった後にみんなでご飯を食べに行ったりもしますし」

――「15人のイケメンが裸で踊ります」という触れ込みなんですが、どんなシーンになりそう?
「いま絶賛稽古中なんですけど、アクロバットもありつつ」

――おお。
「基本は桶で股間を隠しながら踊るんですけど、タオルになったりうちわになったり、体で隠したり。少ない小道具ながらも、試行錯誤を凝らして。でも男らしいダンスになっているかなとは思います」

――練習するときも裸ですか?
「そうですね。1日の最後の締めだけ脱いだりします。基本はさすがにパン1くらいだったりしますけど」

――見えちゃうんじゃないかっていうことがすごく心配なんですけど。
「現状は…見えてますね」

――ではこれから2週間かけて見えないように?
「そうです。だんだん、こう…今は精度を上げていく作業の過程なので、現状は見えます(笑)」

――なるほど。
「あと、ちょっと角度を変えちゃうと見えます(笑)。アキラ100%さんが“袖から見ると丸見え”みたいなこと言っていますが、そんな感じ」

――では本番も前方のS席だと見えちゃう可能性も…。
「僕らはちゃんと隠すつもりでいます(笑)」

――そこは見えないようにするとして、ここは見てほしいというところはありますか?
「ああ(笑)。なにうまいこと言っているんですか(笑)」

――見てほしいシーンは。
「見てほしいシーン? 見てほしいシーンある人~?」
(と稽古場の他の出演者に声をかけると脚本・演出の鄭光誠氏が「最後しかねえだろ。ちんちん出るか出ないか(笑)」)
「最後ですね(笑)」

――やはりそこが一番のクライマックス?
「いや、まあ、クライマックスではあるかな(笑)。結局そこに向かって頑張っていく話なので(笑)」

――お芝居もそこに向かって高まっていくんですよね。
「そうなんです。物語の結果がそのダンスになるんです」

――お客さんとしては出るか出ないか、ちゃんと踊れるかどうかもそわそわしながら見られて楽しい作品。毎回がドキドキしながら見られる芝居になりそうですね。
「そうですね。汗もかくだろうし、アクロバットな動きもあるので、ケガも怖いしちんちんも怖い (笑)。いろいろ不安要素はあります。でもあまりそこばかり気にされちゃうと、お話が頭に入ってこないじゃないですか。せっかく稽古しているのに。そういうジレンマを抱えながらやることになりそうです」

■目標は“キングオブエロメン一徹さんを超える”
――今回は座長ということなんですが、座長として心掛けていることはありますか?
「公開稽古も経ているので雰囲気自体はもう完璧。なんならもうひと公演終わったくらいの座組のような仲の良さがあるんです。そこら辺に関しては全然心配はしていなくて、後はもう雰囲気作り。基本的に僕は作品上いろいろな人と関わるので、みんなの仲を取り持って、最終的にはたまたま誰か2人だけでご飯に行ってもずっと喋っていられるような、それくらい仲のいい座組になればいいなって思いながらやっています」

――こんなに男の子がいると、私、5歳くらい若返りそうな気がします。
「(笑)これが裸になったら10歳いけますね」

――エロメンの方以外の役者さんの出演者も多くなり、それが自分のスキルの向上にもつながっていく。Rexyという場は自分の中で大事なものになっている?
「そうですね。Rexyを通して、舞台を見に行ったりとか、外部の舞台に呼んでもらったりしていますから。特に外部の舞台に出演するときなんて、エロメンは僕一人しかいないので、とても肩身の狭い気持ちになりながらも必死になんとかついていこうとしています。でも最近、僕より舞台経験の少ない役者さんとかに出会ったりとか、むしろ僕のほうが経験が多くなっていたりして、ちょっとびっくりするときもあるんです」

――今回の出演者でライバルはいますか? この人の芝居は意識する、とか。
「エロメンのみんながどんな芝居するのかとか、夏目君は初舞台なので“こんなお芝居するんだ”とか思いながら見ています。山下(正揮)とは8月の舞台で共演した時は友達役だったんですが、今回は弟役ということでどう変えてくるのか、とかは考えますね。倉貫(匡弘)さんは舞台経験が豊富なので、本当に勉強になります。表現、表情、声の高低差とか。ダンススキルも高いんです。本当に背中を見ながら頑張っています」

――舞台以外にもやってみたい活動って?
「やってみたいことはいっぱいあります。音楽もやりたいです。ドラムが好きなので。アート系のこともやりたいですし、写真も久しぶりにやりたいです」

――今後の目標は?
「一徹さんのような大きな存在になりたいな、と思ってます」

――それはぜひ叶えたいですね。
「そうですね。一徹さんくらいファンを呼びたいです。Rexyの旗揚げ作品の『ロミオとジュリエットですが…』の時は一徹さんが出るということでチケットがほぼ完売して連日満員になった。今回もそういう状況にしたいです」

――ではまずはこの『風呂ダンサーズ』で満席を狙う?
「連日、満員御礼をうたえたら最高だなと思います」

北野翔太(きたの・しょうた) プロフィール
1991年6月9日生まれ
身長:168cm
血液型:O型
趣味:写真
特技:水泳

<公演情報>
劇団Rexy第5回『風呂ダンサーズ』
【日時】12月14日(木)~17日(日)(開演は木金13時/19時、土日12時/17時。客席開場は開演1時間前。当日券は開演1時間前)【会場】コフレリオ新宿シアター(新宿)【料金】S席1万円(前方3列、非売品2L版ランダムブロマイド、終演後出演者と記念撮影)、A席5000円(非売品ポストカード付き)【問い合わせ】劇団Rexy(info@rexy.tokyo[HP]http://rexy.tokyo/stages/)【作・演出】鄭光誠【出演】北野翔太、夏目哉大、倉貫匡弘、中嶋時男、加賀功平、柿原康希、岡部直弥、上原千明、西嶋悠、山下正揮、浅井陽登、佐伯恵太、佐々木陽平、森田兼史/有馬芳彦

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。