驚きのタッグ実現の舞台裏とは? 松尾スズキ × 中山美穂 インタビュー

松尾スズキ:ヘアメイク・板垣美和(MARVEE)/スタイリスト・安野ともこ(コラソン)/スーツ 26万円(スティレ ラティーノ)、シャツ 2万5000円(ボリエッロ)、ネクタイ 1万4000円(ブリューアー)、チーフ 6300円(フマガッリ)、シューズ 8万円(クロケット&ジョーンズ) 問い合わせ:ビームス 六本木ヒルズ(03-5775-1623)
 突然、見知らぬ一面を明かす現実の綾子と、海馬の頭の中でどこまでも謎めく妄想の綾子。劇中では官能シーンだけでなく、ホラーさながらのバトルシーンも…。

中山「後にも先にも私にこういうシーンがまわってくることはもうないだろうと、ひたすら楽しんで、とことんやりたいと思いました(笑)」

松尾「中山さんって“大女優感”がまったくないんですよね。すごくフラットな状態で現場に臨んでくれて、こういうシーンはNG、みたいなこともないし。作品を作るために来ている、という姿勢がすごく伝わってくる。僕は今回、手いっぱいだったから本当に助かりました」

中山「監督をしながら主演も務められて、その中で考えなきゃいけないこともたくさんおありでしょうし、すごく頑張っていらっしゃるなと思って、自分もできることはやろう、と。大変な状況なのに“そこ、違う!”みたいな大暴れすることもなく、静かにしていらっしゃる姿が、日に日にかわいく思えてしまって(笑)」

松尾「無駄なエネルギーは一切使いたくなかったので(笑)。完成した映像を見ていて、僕自身の女性に対するあこがれやファムファタル的な存在への思いとか、不信感、恐怖といったものを、綾子がすべて背負っていると思いました。だからゼロから100まですべて中山さんに演じてもらった気がしています」