雑誌『青鞜』の編集部を舞台にした青春群像劇『私たちは何も知らない』二兎社公演43


『ザ・空気』(2017年)、『ザ・空気 ver.2』(2018年)と、観客が「今、日本で起きていること」をリアルに体感する話題作を立て続けに発表してきた永井愛が、一転、明治~大正期に発行された雑誌『青鞜』の編集部を舞台にした青春群像劇を書き下ろす。

『青鞜』は封建的な家族制度が根強く残る時代に女性たちの覚醒を目指して創刊された雑誌。これまでも小説や舞台の題材になってきたが、今回はこれまであまり取り上げられることのなかった「編集部」の活動に焦点を当てる。

 平塚らいてうを中心とする「新しい女たち」の手で編集・執筆され、女性の覚醒を目指した『青鞜』は、創刊当初は世の中から歓迎され、らいてうは「スター」のような存在となる。しかし、彼女たちが家父長制的な家制度に反抗し、男性と対等の権利を主張するようになると、逆風やバッシングが激しくなっていく。やがて編集部内部でもさまざまな軋轢が起こっていくのだった。

 作品では何が『青鞜』をこれほどまでに特別な雑誌にしたのか、そしてクールな雰囲気を漂わせながらどこかミステリアスならいてうが、本当に目指していたものは何だったのかを独自の視点で探っていく。
二兎社公演43『私たちは何も知らない』

【日時】11月29日(金)~12月22日(日)(開演は日火木13時30分、水土13時30分/18時30分、金18時30分。月曜休演。開場は開演30分前、当日券は開演1時間前)
【会場】東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)
【料金】全席指定 一般6000円/25歳以下割引 3000円、高校生以下 1000円 (枚数制限あり。要証明書提示)
【問い合わせ】二兎社(TEL:03-3991-8872=平日10~18時〔HP〕 http://www.nitosha.net/
【作・演出】永井愛
【出演】朝倉あき、藤野涼子、大西礼芳、夏子、富山えり子、須藤蓮、枝元萌 ※11月24日(日)富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ、12月28日(土)亀戸文化センターでも公演あり。