もう元の世界には戻れない!? ニューノーマルから起業アイデアを生み出そう「アフターコロナのメガトレンド Keywords」

「アフターコロナのメガトレンド Keywords」

「アフターコロナのメガトレンドを見据えブラッシュアップを」
Startup Hub Tokyo 丸の内 コンシェルジュ 小林慎和


■非対面経済の真のメリット「オンラインが“本番”に」


“3密”を避けるためリモート出勤になり、会議やイベントがオンラインで行われるようになり、便利さや効率化を感じている人も多いと思いますが、非対面経済が広まることの本当のメリットは、オンラインもリアルと同等の“本番”の場になったということ。これまではオンラインでミーティングしても、ではまた来週お会いする場で…なんてことをやっていましたが、これからは重要な意思決定まですべてオンライン上でビジネスが決定していく風潮が定着する。すなわちオンラインの場をリアルと同じように活用できないと、個人としても企業としても、すべてオンラインで完結できる人に後れを取ることになります。

■今オンラインイベントツールの決定版を出せば世界を取れる


 そんな中、実は今オンラインイベントのための決定版的ツールが不在なんです。海外ではカリフォルニアに拠点を置くスタートアップによるRun The World、インドのAirmeetなどがありますが私も使ってみたところまだ物足りない部分がある。この1年以内に、どこかのスタートアップが決定版的ツールをリリースできたら世界を取れるでしょうね。世界中の人が欲しがっているが、それがどんなものか明確に分かっていないというレアケースだと思います。

■ライブ配信市場が拡充。コンテンツではプロアマの垣根がなくなる


 オンラインイベントと同様、エンタメのライブ配信市場も拡充していくでしょう。今あるLINE LIVEやYouTubeより進化したツールが求められるかもしれません。コンテンツでは、もともと一般の人の表現の場だったYouTubeなどにテレビから移ってきたプロも増えましたが、今は過渡期であり、いずれオンラインの場ではプロと素人の垣根がなくなり草の根市場からトレンドが普通に生まれてくると思います。
小林慎和(こばやし のりたか) 株式会社bajjiファウンダー&代表取締役 ビジネス・ブレークスルー大学 准教授。国内外で7社起業している連続起業家。著作にWEBメディアnoteで25万人が読者となったコラムを書籍化した『人類2.0 アフターコロナの生き方』など。

■スキルシェア×副業の風潮定着で“オンライン副業”の時代が到来


 スキルシェアが多くの分野で広まり、かつ、あらゆることがリモートで行うことができるようになることで、細切れにスキルをシェアできるようになっていくでしょう。しかもコロナを機に、オンラインで行ってもちゃんと価値提供されていると双方が了解できるようになってきた。スキルシェアプラットフォームと、副業推進のトレンドにより“オンライン副業”が広まると思います。

■飲食店の起業は複眼的思考が必須


 コロナによって多くの飲食店が休業や時短営業を余儀なくされ、さらにソーシャルディスタンスで客席を減らすなどして売り上げが落ちていますが、デリバリー市場が拡大することで、日本の飲食の店舗は今後さらに5万から10万店舗が閉店していく可能性があります。バブル期に飲食の大多数を占めていた外食産業がその後コンビニにとってかわられ、さらに中食の比率が増え、そして今は配食、デリバリー市場が拡大している。働き方改革や人口減で、働き手もお客も少なくなれば24時間の飲食店などもあまり求められなくなる。このような中で今後、飲食で起業を考えている人は単一機能だけで営業する危険性を認識しておいたほうがよいと思います。今やどこでも当たり前になっていますが、以前はUber Eatsなんて参加したくない、店で食べてもらってこそという店は多かった。でも今では店舗で食べるのとともにそれも主要サービスの1つの形となりました。また、今後は飲食店を経営していても場所の多目的利用をする傾向が広がると思います。体験型が人気となっている傾向と合わせて、バーベキュースペースやシェアキッチンの利用も増えていくと思います。

■DX化で最も変わるのは個人の働き方


 IT化を意味するワードは3年くらいで言葉を変えるんです(笑)。ずっと以前はユビキタス、少し前はICT、最近はオムニチャネル、そして今ではDXという言葉になりましたが、基本は広義でデジタル化を意味しているのは同じです。ただのIT化と何が違うかというと、DXは企業も個人もデジタル化されること。企業努力で見える化したデータをフル活用できるスキルが各個人に求められます。最近はコーディングをしなくてもシステム開発できるノーコードツールなど、DXに役立つツールはたくさんありますが、それを使いこなし自分のビジネスに必要なDXを実現できる能力は最低限必要ですね。

 つまりDXには企業のDXと個人のDXが必要で、個人のDXに際しては、もちろん各個人がコーディングできるスキルを磨くのがよいが、ノーコードでもできることも増えてきて、これまではエンジニアたちに必要なスキルだったのが、今後は、ありとあらゆる人がノーコードを駆使して、いろんな技術をマッシュアップし、自分の仕事をDX化していくことが求められる時代かなと思います。

 デジタル化には3段階あって、一段階目がデジタル化できてない企業。次がデータはデジタル化したが社員がそれを使いこなせていない企業。最後が、会社もDX化され個人もそれをフル活用できる企業。DXといっても日本の企業の多くがまだ1段階目から2段階目を目指しているところでしょう。であれば、社員のDX化を図るエデュケーションサービスは大きな需要が見込めるでしょう。また自身が起業する際にもビジネスモデルから組織、人材までDX化を意識することが重要だと思います。

 コロナにより、起業準備に影響が出た人もいると思いますが、これを機にメガトレンドを見据えてブラッシュアップを図ってください。

「アフターコロナの起業」ここを意識!


①アフターコロナ、必須条件は「非対面経済の中で戦えること」
 起業アイデアのなかで、リアルだけで完結しようと思っていた人もいると思います。リアル依存のアイデアは意識を切り替えて、オンラインの要素を起業アイデアに組み込みましょう。これからは、どんなビジネスでも非対面経済で戦える方法を持っておくことが大切。

②市場も仕事相手も世界中に。スタンスは「ノーボーダー」で
 お客さんは全国、世界にいる。オンラインでどこにでもアプローチできる時代です。今や、つながった先の人もオンラインが本番だと思ってもらえるので、本当にどこで起業してもどこにでもアプローチできる世界になった。起業準備をしている人は、このノーボーダーの視点でアイデアをもう一度見直してみると新しい可能性を見出せるかもしれません。



コロナを越えて可能性を広げる注目起業家たち


「三陸花火大会」でマルチアングルオンライン花火!
株式会社ニューピークス代表取締役・小林慶嗣


――今回のコロナ禍ではどのような影響がありましたか?

 もともとは映像制作や映像によるインターネットマーケティング業務を主としていたのですが、その受注が大幅に落ち込んだ時期がありました。何か他にと考えて、映像制作のノウハウを生かしたライブ配信のサービスも始めました。映像制作、デジタルコミュニケーション、配信の3つがすべてできる会社があまりなかったこともあり、B to B向けのオンラインイベントを“スクリーンコミュニケーション”にするということを強みにしたサービスを展開し、11月には弊社の過去最高売り上げを出すことができました。

――そのような状況を乗り越えながら、10月31日にはオンラインでも楽しめる「三陸花火大会」の企画・ライブ配信を手掛けた。

 ニューピークスという社名のPEAKSは“ピースフルワークス”という造語の略です。とがった仲間たちと、社会をピースフルにする仕事を通して、次の世代に向けて、時代のピークを更新し続けようという思いを込めています。そんな思いが縁となり、大会実行委員を務めた浅間勝洋さんと出会いました。また、陸前高田をネガティブな記憶の場としてではなく、ポジティブな出会いや体験を求めて訪れる場として世界に発信したいという陸前高田の皆さんの思いにも触れ、大会の趣旨に賛同して参加させていただきました。コンテンツを考えていくなかで、僕らの映像制作やライブ配信のノウハウで花火の映像をより楽しめるものを、とマルチアングルオンライン花火を思いつきました。

 これは視聴者自身が多数のカメラアングルを切り替えることができる新しい配信方法で、客席からの花火はもちろん、撮影ドローンを使った空からのアングル、花火師目線のアングルなど、参加者がインタラクティブにライブ配信を楽しめるコンテンツとなっています。

 もともとこのプロジェクトには収益性を目的として参加したわけではありませんでしたが、結果的にビジネス面でも有意義な経験を得ることができました。クライアントワーク以外に“ピースフルワークス”を体現できる自社プロジェクトを持つ意義を改めて実感しました。また、陸前高田の皆さんとの出会いによっていろいろ新たなアイデアも生まれ、今、名産のカキを生かして地域活性化につなげることができないかということも計画しています。

 今回、三陸花火大会で行ったマルチアングルオンライン花火に関しては、現在はまだ技術的な面で壁を感じることもありますが、5Gが整えばその多くが解決します。それまで実際に経験を重ねオペレーションを整え、すぐに5Gを活用できる状態を作っておくのは有意義なことだと思っています。

――このコロナで起きた変化をどうとらえていますか?

 ようやくこの時が来た、という感じです(笑)。今はまさに、いろいろと模索してやってみるのに一番適している時期。今回はこれまで動かなかった部分にまで根本的な変化が起き、メガトレンドがいくつも生まれてきている。変化に柔軟に対応する力はすべての人に必要な時代ですが、なかでも起業家は、変化を求めて起業を決意したのですから、この大きな波を楽しむくらいの気持ちでいることが大切だと思います。迷ったら変化の大きいほうへ進むこと、が僕のアドバイスです。

小林慶嗣(こばやし けいじ)
株式会社セプテーニを経て2018年、動画を活用したマーケティングコミュニケーションの企画設計・制作・配信までを行うニューピークスを設立。株式会社ニューピークス
【URL】 https://www.newpeaks.co.jp/

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