平良達郎22歳 UFCデビュー戦で快勝も「20歳過ぎてから思っているほど“時間がない”という気持ちが大きいんです」

「UFC Fight Night: Blachowicz vs. Rakic」(現地時間5月14日=日本時間15日、米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX)でのUFCデビュー戦でカーロス・カンデラリオ(米国)を圧倒し3-0の判定勝ちを収めた修斗世界フライ級王者の平良達郎(Theパラエストラ沖縄)が凱旋帰国。試合から1週間を経た現在の心境を語った。

試合も終わったばかりでリラックスした表情を見せる平良達郎

ブルース・バッファのコールに「うぉおおっ!UFCだぁ!」

 UFC初勝利おめでとうございます。デビュー戦としては観客がいなかったのは残念だったかもしれませんが、UFC APEXの雰囲気ですとか、ケージ内ではあのブルース・バッファさんにコールされたことなど、特別な感慨のようなものはありましたか?
「実は……、“UFCだからって気負いすぎないように!”と心がけていたので、程よい緊張感でケージまでは入場して来れていたんです。“修斗と同じだ! 対戦相手がいて、俺がいるだけだ”って。でもあの声でコールされたときに“うぉおおっ!”“UFCだぁ!”ってなっちゃいました(笑)。それで、たくさんの憧れている選手と同じケージの中で一緒に試合ができるんだ!って思って、興奮しました。ただやっぱりたくさんのお客さんの前で試合したいです。お客さんのタイプも日本と違いますよね。すごい声援でしょうから、今回よりセコンドの声は聞こえづらくなるのかもしれませんが」

 アウェーの選手に対してはブーイングも大きいですから、今後、対戦相手によっては味わったことのない空気に包まれることもありえます。
「僕は常に沖縄から出て試合をしているのでアウェーっていう感覚は慣れていますから、大丈夫かなと思います。ブーイングがどれほどのものか分からないですけど……」

 UFC Vegas54は解説がマイケル・ビスピン(元UFCミドル級王者)と、ドミニク・クルーズ(元UFCバンタム級王者)。特に現役のクルーズ選手が平良選手の修斗の試合もチェックし、試合前から平良選手を大変買っていたのは印象的でした。ビスピンも「サクラバやアキヤマ、オカミたちを輩出した格闘大国の日本から、意外にもUFCチャンピオンが誕生していなかった。ついにタイラが初の日本人王者になるかもしれない」と期待を寄せていました。ご自身では、直接、現地のプロたちが高く評価する声は聞いてましたか?
「一応、後から英語での放送もチェックしたんですけど、そんなにとは分かっていなかったです。そうだったんですね。ありがたいです」

 先ほど引用したビスピンの言葉は日本のファンの方々の思いとも重なっていると思いますが、国内に限らず、期待や注目が集まっていることは肌身に感じていますか?

「もともと自分は“コンテンダーシリーズに出る!”と決めて、それに向けて頑張ろうという気持ちだったので、契約したときは本当に“ラッキーだな”としか思わなかったんですよね。それで、契約してくれたUFCもそうですし、それを勝ち取ってくれた、エージェントのオーナーであるジェイソンもそうですけど“意外と俺って期待されてんだな”って(笑)。それで頑張ろうってなりました。僕自身、試合を重ねるにつれて、日本の格闘技ファンの方々が期待してくれていたり、応援の数が増えていくのは実感していましたけど、今回のデビュー戦のオッズも結構自分の方が上で(-310FAV)、“当たり前に勝つ”と思われていることを感じてたので、勝たないといけないな…、と考えたりもしました」

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