世界初!インナービューティ鮨「麻布 黒しゃり」食材へのこだわりや女性職人の育成で目指すもの

 東京・麻布に昨年オープンした世界初の完全会員制インナービューティ鮨「麻布 黒しゃり」。吸着力に優れたココヤシ殻由来の食用活性炭「チャコールクレンズ」や、血糖値が上がりにくい有機ブルーアガベシロップを使用した唯一無二の “黒いしゃり” に全国から仕入れた新鮮な食材を組み合わせ、食べて罪悪感がないうえにおいしい鮨として人気を集めている。

 現在は積極的に女性職人の育成を行うなど、常に時代の先を見据えた「麻布 黒しゃり」を率いる親方の織田一志さんと同店スタッフに、インナービューティ鮨と共に歩んだ一年と今後について聞いた。

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世界初の会員制インナービューティ鮨「麻布 黒しゃり」を立ち上げた親方の織田一志さん(撮影:蔦野裕)

 親方の織田一志さんが鮨職人を目指したきっかけは?

織田一志(以下、織田)「実家は青森で飲食店を営む家系で、父親は大の食道楽。家でも奥さんには一切料理させず、自分で料理するような変わった親父でした。食べることに関しては出し惜しみせず、外食すると2人で行っても必ず5~6品注文する。どうしてなのかと尋ねると “いろんなものを少しずつ食べなきゃいけない” と言うんです。

 日本人はいろんな食べ物を口の中で組み合わせられる “口中調味” ができる民族で、いろんなおかずを口に運ぶことが料理の基本だと小さい頃から教えられてきた。親父の後ろ姿を追いかけて自然な流れで料理を学び、カウンターを挟んでお客様と対峙しながら食を追求してきました」

 なぜインナービューティ鮨「麻布 黒しゃり」を設立しようと考えたのでしょうか。

織田「プロラボホールディングスの佐々木広行会長とは10年来の付き合いです。彼が設立した一般財団法人 内面美容医学財団の理事に就任し、毎月青森からインナービューティの研究会に通って勉強するうちに、鮨の未来に危機感を抱くようになりました。世界中で魚介類の水銀汚染や海洋汚染が問題になっているのに、鮨だけが昔ながらの江戸前を守って変わらないのはおかしい。そこから試行錯誤が始まって、炭の吸着力や精製された白砂糖の問題などを学び、この『黒しゃり』を考案したんです。

 個人店よりも、プロラボホールディングスと協業したほうが世の中に伝わりやすいだろうと考え、佐々木会長にプレゼンしてこの麻布十番で勝負させていただきました」

お客様の健康を第一に考えるのは、私たちにとっては当たり前

「麻布 黒しゃり」といえば “黒いしゃり” が特長的ですが、他にも食材へのこだわりは?

織田「お客様の健康を第一に考えるのは、私たちにとっては当たり前のことです。グルテンフリーは当然として、上白糖やみりん、化学調味料なども使いません。甘みはすべて有機ブルーアガベシロップを使用し、みりんの代わりに純米酒とブルーアガベシロップを使っています。たとえば『煮鮑の肝ソース』では通常ベシャメルソースを使うところを、豆乳や米粉、植物性チーズ、グラスフェッドバターなどで作っていて好評です。

 プロラボホールディングスとの協業で全国にネットワークができたことで、北は地元の青森から南は鹿児島まで、全国各地からさまざまな食材を直接仕入れています。青森県は雪深いことで有名ですが、山に積もった雪がじっくり濾過され、栄養豊富な雪解け水が流れ込む陸奥湾の魚介類のおいしさは格別です。全国各地の厳選した食材で東京のお客様に最高のものを味わっていただきたいと考えています。

 たまに地元に帰った時に現地でも情報を得ていて、先日も落葉して雪が降る寸前に取った山ぶどうがおいしいと聞いて、その山ぶどうで作ったジュースとフランス産のメルロー種のグレープジュースを飲み比べできるようにしました。他にはないメニューをストーリーを含めて提案するのが『麻布 黒しゃり』のスタイルで、お客様にも大変喜んでいただいています」

特長的な黒いしゃりとヤリイカのコントラストが美しい「青森県産ヤリイカの握り」。コースは3万3000円(税込)から
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