赤ペン瀧川「表現の規制は時代に合わせて厳しくなるのは仕方がない。でも過去の作品に今の物差しをあてるのは間違っている」〈インタビュー後編〉

瀧川家の教育方針についても語ってくれた(撮影・蔦野裕)

「そんなことを映画のせいにしないでくれよと思う」

 昨今ではバイオレンスのシーンとか喫煙シーンに子供が影響されるともいいます。それは親の責任なのではと思うのですが?
「暴力描写や殺人描写を見たことで殺人が増えるとかという論調には、いやいやそんなこと映画のせいにしないでくれよ、と思うし。それを押し付けられても困るよな、と思いますよね」

 何の影響なのかは判別しにくいですよね?
「これが理由だという明確なものは多分なくて、でもなんらかの理由を探したくて、手っ取り早く、アニメだ、映画だということになっているんだと思うんですけど。でも、凄惨な殺人描写や暴力描写を見たからって、それをやりたい人が増えるかというとそんな単純ではないと思いますし。“こんな恐ろしいことが起きるるのか!? 絶対やめとこう!”という抑止力になっている部分もあるはずで」

 昨今頻発している回転ずし店などでの迷惑動画を見ても、ああいう道徳とかモラルは幼少期に親が教えてほしいとも思うんですが。
「あれについてはたとえ親がちゃんと言い聞かせていたとしても、思春期の承認欲求高めの少年少女たちはやるんですよ。面白いとはなんぞや?ということが分かってない子にとっては、友達を笑わせるためにやっているわけなので、あんなのは今に始まったわけではないと思います。ただ、今はみんなが撮影機器を持っているから、爆発的に新作がどんどんリリースされているわけで。つま楊枝を戻したり、箸を戻してみたり、岩塩をなめてみたりという、バイトテロみたいなのも個々が撮影機器を持っているからあからさまになっているだけで、これまでも死ぬほどあったと思うんですよ。まあ、親御さんが教えてあげなよということは改めて思いますけど」

 瀧川さんも子供が2人。自分の家では?
「うちはそこまでひどいいたずらはないです。小さいころから割と厳しめに、やってはいけないことは言ってきたとは思います。でも順調に少年全開の元気な子に育っています(笑)。ただ、大人になった時とか、今後、誰かを殺さないようにとか、事故が起きないようにとかはしっかり教えているつもりです。例えば友達の椅子を引いた時に、当たり所が悪くて半身不随になることもあるんだぞ、ということをちゃんと教えておかないと、ノリで椅子を引いてケガをさせてしまう、ってあるじゃないですか。そこらへんもちゃんと言っておかないと」

 そういうふうに細かい言い方をしている?
「しています。椅子を引いて、首の骨を折って、半身不随になることってあるからね、って。でも映画とかを見て、人を撃つとこうなっちゃうんだとか、人が死ぬとこうなるんだとか、怖いとは思いましたが、やろうとは僕は思わなかったですよね」