メトロンズの新作はコメディーでありながらも人間ドラマ。脚本・池田一真の「ウケたのはちょっと不本意」に田所仁は「俺の役は笑ってほしい」とぽつり

第8回公演がこの日開幕のメトロンズ
お笑いコンビの「サルゴリラ」「しずる」「ライス」と作家・演出家の中村元樹による7人組の演劇チーム「メトロンズ」の第8回公演「遠藤さんの叔父さんが死んだけど旅行は行きたい」が4月30日から東京・赤坂の赤坂RED/THEATERでスタートした。
NSCの同期である3組は2018年にSIX GUNSというコントユニットを結成。ここに中村が加わりメトロンズが誕生。2021年4月の旗揚げ公演以降、コンスタントに年1~2回の公演を行っている。
今回は池田一真(しずる)脚本、中村が演出を担当。コメディーでありながらも人間ドラマの要素も強い作品に仕上がっている。
自動車工場の洗車部署で働く6人の男たちは親睦を深めようということで仕事を仕切る遠藤(池田)が旅行を提案。場所は、飯島(関町知弘=ライス)の知り合いがガイドをしている宮古島に決まる。しかし旅行の4日前に遠蔵の叔父の訃報が入る。みな遠藤の不参加が頭をよぎるが、彼らを待っていたのは「旅行の中止」。遠藤の落胆ぶりや飯島の昔死んだ叔父の話などから「旅行中止は当然の結果」という雰囲気になりつつも「行ってもいいんじゃない?」と思う者も。それぞれの立場や考え方が交錯するなか、果たして彼らはどういう選択を行うのか…というお話。他人の叔父の死という、ある種のタブーに触れた作品となっている。