黒澤明の名作「酔いどれ天使」を深作健太が演出。「天国にいる黒澤さんや親父たちにも胸を張って見せられる作品になれば」

演出の深作健太氏
黒澤明×三船敏郎による不朽の名作「酔いどれ天使」が深作健太氏の演出で舞台化される。舞台「酔いどれ天使」の製作発表会見が10月16日、都内で開催され、深作氏が「天国にいる黒澤さんや親父たちにも胸を張って見せられる作品になれば」などと語った。
映画の「酔いどれ天使」は黒澤明監督とその多くの作品で主演を務めた三船敏郎さんが初めてタッグを組んだ作品で1948年4月に公開。戦後の混沌とした時代に、不器用ながらも明日に向かって歩みを進めようとする人々の葛藤が生き生きと描かれた。映画が公開された約半年後にはほぼ同じキャストとスタッフが集結して舞台作品として上演された記録が残っているという。当時の脚本は長く眠っていたが、近年、偶然発見され、2021年に主役の松永役を桐谷健太が演じ舞台化。今回は歌手で俳優の北山宏光を主演に舞台化される。
深作氏は祖母がダンサー役で映画に出演、父の深作欣二監督もこの作品を見て映画監督を志したというエピソードを明かし「まさか戦後80年の節目の年にこうして演出させていただくというのは非常に光栄。コロナの最中に蓬莱さんの脚本、三池さんの演出による舞台を見させていただいたときに、当時の結核のパンデミックと現在のパンデミックが重なって非常にタイムリーな演出になっていたと思った。また原作より、ぎんをフィーチャーした蓬莱さんの脚本が非常に魅力的だった。今回、蓬莱さんの脚本に新しいキャストとともにどう取り組むかということを楽しみにしていた」などと今回の作品に向けての思いを語った。