2000年にアメリカ・ロサンゼルスで、刑事コロンボでおなじみのピーター・フォークとテレビで活躍していたジョン・アレキサンダーによって初演された濃密な二人芝居。
図書館員の若い男が歴史ある図書館に立てこもる。理由はその図書館の目録カードが破棄され、コンピューターの検索システムに変わることへの抗議。男は建物を爆破するつもりなのだ。交渉にやってきたのはベテラン刑事。刑事は緊迫した空気の中、巧みな会話で心を開かせようとするが、男は拒絶。しかし会話の中で徐々に男の深層心理が明らかになり、2人の間には奇妙な感情が生まれてくる。果たして刑事の説得は成功するのだろうか…。
タイトルのDefiledというのは「気高く、神聖なものが汚されること」という意味。2人の会話を聞くうちに、我々自身、時代に流され無意識のうちに多くのものを手放し、無自覚なままに物事の本質から目を背けてきたことに気づかされる。
日本では2001年と2004年に大沢たかおと長塚京三によって上演され、強烈なイメージを残した。それから13年が経ち、今回は新キャストでの公演。
社会情勢もモノの価値観も大きく変わり、受け取る側の意識も随分と変わったなかで、戸塚祥太と勝村政信がどんな作品に仕上げてくれるのか。
東京公演の後は大阪(5月10?12日)、福岡(5月19?20日)でも上演される。