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石原さとみ「2人の子どもに願うこと…まずは親である私自身が変わりたい」支援活動への思い語る

2025.11.06 Vol.web original

 

 第20回難民映画祭のオープニングイベントが6日、都内にて行われ、アーティストでUNHCR親善大使も務めるMIYAVI、俳優の石原さとみ、実業家・モデルの紗栄子が登壇。2児の母となった石原が子どもたちに願うことを明かした。

 2006年、日本で初めて「難民」に焦点を当てた映画祭としてスタート。映像の力を通じて難民問題への理解と共感を広げることを目的に毎年開催している。

 第2部のトークイベント登壇したMIYAVIと石原。

 UNHCR親善大使として世界各地をめぐり難民支援に携わるMIYAVI。1億2000万人まで難民が増え続けている現状に「無力さを感じることもあります。コロナで世界が分断されていくなか、分断されていいんだ、利己主義でいいんだという風潮が広まっていることにも危惧を感じています」。

 石原も「私は今2人の子どもの母なんですが、世界中の問題を自分事として思いをはせる人になってほしい、そのためには親である私自身が変わらなければと思いました」と語るとMIYAVIも共感しきり。

 アフリカのケニア訪問経験から人道支援に関心を寄せているという石原。ウガンダで知り合った元少女兵の女性について語り「当時は子どもを拉致したらまず自分の母親を殺させます。心が崩壊して他人を傷つけることに抵抗がなくなるからと。彼女は今、自分で生計を立てています。確実に支援が彼女を救いました」。

 映画祭出品作品の数々も鑑賞したといい「見終わった後、映画祭の公式サイトから数クリックで寄付もできたんです。気持ちを途切れさせることなく行動に移せる道を整えてくださって本当に感謝です」と石原。

「以前、出演したドラマの台詞で“人なんて皮を皮を剥げば、ただの肉のかたまりだ”というセリフがすごく印象に残っています。差別とか分断とかが意識されるようになってきましたが、どんなに違いがあったとしても本質をたどれば皆、同じ命であり人だと思うんです」と、対話を続けることで分断や差別、偏見を乗り越えたいという思いを熱く語った石原。

 MIYAVIも「すごくピュアで強い言葉。まっすぐで人の心を動かす言葉だと思う」と語り「今、日本でも移民問題がセンシティブな問題となっている。日本としてどうあるべきか問われていると思う」と共感していた。

 第20回難民映画祭は13日に大阪・TOHOシネマズ なんば、12月2日・3日に千代田区・イタリア文化会館にて上映。12月7日までオンラインで開催中。

映画監督・河瀨直美が最優秀女優賞 娘役・福地桃子に「冷たい態度をとるなど徹底した役作りをしていました」

2025.11.06 Vol.web original

 第38回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが5日、都内にて行われ、各賞が発表。最優秀女優賞にコンペティション部門出品作『恒星の向こう側』の福地桃子と河瀨直美が選ばれ、感激のスピーチで盛り上げた。

『恒星の向こう側』は『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(15)、『四月の永い夢』(17)の中川龍太郎監督が挑む三部作の最終章。余命わずかな母と娘が衝突を重ねながらも、愛を見つめ直していく物語。

 最優秀女優賞を受賞した福地桃子は「主人公を演じるにあたって、人物を見つめて追いかけて溶け合っていくような作業は決して一人では乗り越えられる時間ではありませんでした」とチームに感謝。福地演じる主人公の母親役を演じ、ともに同賞を受賞した河瀨直美も「監督として映画祭に参加したことはあっても俳優として参加できたのは中川監督のおかげです。チームの皆がいたからこそ、自分自身のすべてを出し切れました」と語りつつ「福地さんには冷たい態度をとるなど、徹底した役作りをしていましたが、最後に彼女の温かさを背負えた瞬間、涙が出ました」と俳優挑戦を振り返っていた。

 審査員の齊藤工も「今年のコンペティション部門には力強く物語を牽引するヒロインたちが数多く登場しました。その中で、丁寧に静かに存在することに徹したお2人の姿はひときわ印象的で際立っていました」と2人の女優をたたえていた。

 同じくコンペティション出品の日本映画では『金髪』(監督・坂下雄一郎、主演・岩田剛典)が観客賞を受賞。最高賞の東京グランプリ/東京都知事賞にはアンマリー・ジャシル監督の『パレスチナ36』が輝いた。

第38回東京国際映画祭グランプリはパレスチナの代表的女性監督作『パレスチナ36』

2025.11.06 Vol.web original

 第38回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが5日、都内にて行われ、アンマリー・ジャシル監督の『パレスチナ36』がコンペティション部門最高賞となる東京グランプリを受賞した。

『パレスチナ36』は1936年、英国委任統治時代のパレスチナを舞台に、パレスチナのアラブ人たちがユダヤ人入植者たちと、英国植民地支配への反発から起こした民族主義的な反乱を描いた作品。パレスチナを代表する女性監督アンマリー・ジャシルが単なる歴史劇を超え、現在のパレスチナ問題にもつながる民族のアイデンティティーに迫った意欲作。

 最高賞となる東京グランプリ/東京都知事賞を受賞したジャシル監督は動画コメントで「チームにとっても私自身にとっても、この作品の制作に懸命に力を尽くしてきたすべての人たちにとっても、大きな意味を持つものです」と受賞に感激のメッセージ。

 麒麟像を授与した小池百合子東京都知事も「映画は言葉、文化の壁を超えることができます。心を繋ぐ力を持っている大変パワフルなアートです」と語り、東京からのさらなる文化発信に期待を寄せていた。

「芦田愛菜だと言われないと分からない」細田守最新作の声優主演を吉田鋼太郎が絶賛

2025.11.05 Vol.web original

 

 映画『果てしなきスカーレット』(11月21日公開)のジャパンプレミアが5日、上野・東京国立博物館にて行われ、声優を務めた俳優の芦田愛菜、岡田将生らキャスト陣と細田守監督が登壇。主演の芦田が自身が演じた主人公への思いを熱く語った。

『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ(09)など国内外で熱狂的ファンを持つ細田守監督が「生きる」をテーマに新境地に挑む最新作。

 この日のイベントは細田監督の代表作『時をかける少女』の舞台でもある東京国立博物館。冒頭、主人公・スカーレット役の芦田と、共に旅をする現代の日本人看護師・聖(ひじり)役の岡田が、スカーレットの髪色をイメージしたライトアップの表慶館バルコニーに登場。スカーレットさながら、プリンセスのような芦田に観客も大歓声。

 ハムレットを下敷きにしながらも、細田監督自ら「挑戦尽くしだった」と振り返る意欲作に、古典劇に親しんだベテラン俳優陣も大絶賛。中でも吉田は「作品を見た感動がずっと続いている」と圧倒された様子。さらに吉田は「アニメファンの方々から“声優でもない下手な役者にやらせるな”という辛口のご意見を頂くこともありますが…今回は頑張りました!」と胸を張り「まず愛菜ちゃんが、言われないと芦田愛菜だと分からな。岡田くんも最初は分からない。染谷(将太)くんは、実はやってないんじゃというくらい分からない」と芦田をはじめ大絶賛。

「声を吹き込むというより魂を吹き込む気持ちで向き合わせていただきました」と振り返った芦田。細田監督が挑んだ「生きる」というテーマについて聞かれると、スカーレットへの思いを語りながら「生きることの意味を見つけるんじゃなくて、生きることそのもの自体に意味がある、生きることは愛することなんじゃないかと感じます」とまっすぐに答え、観客から大きな拍手を贈られていた。

 この日の登壇者は芦田愛菜、岡田将生、染谷将太、宮野真守、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、細田守監督。

佐藤二朗の怪演が爆発する!サスペンスアクションムービー『爆弾』が、恐ろしい作品だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2025.11.05 Vol.web original

 黒田勇樹です。

 今週も特に社会復帰するでもなく、noteでいろいろなことを書き連ねる1週間でした。

 いや、よく考えたらもともと復帰というほど社会と関わっていたのかという疑問すらわいてきたりしています。それにnoteでいろいろ発信しているんだから、実は社会復帰はしているだろうと思うようにします。

 何を書いているのか最早自分でも分からなくなってきたので、今週も始めましょう。

岩⽥剛典「何を考えているか分からないと言われた(笑)」“ブーメラン”に苦笑

2025.11.04 Vol.web original

 

 映画『金髪』(11月21日公開)の舞台挨拶が4日、日比谷にて開催中の第38回東京国際映画祭で行われ、俳優の岩⽥剛典、⽩⿃⽟季らキャストと坂下雄⼀郎監督が登壇。岩田が坂下監督とのタッグを振り返った。

『決戦は日曜日』(22)の坂下雄⼀郎監督が、日本独特のおかしな校則が発端で起こる騒動をオリジナル脚本で描く話題作。

 主演の岩田は冒頭の挨拶で「今日のために金髪にしてきました!…嘘です」と冗談めかしたが、映画祭ならではの英語通訳でジョークが訳されると「恥ずかしい(笑)」。

 生徒たちの金髪デモに翻弄される主人公の中学教師・市川を演じる岩田。「耳が痛くなるような世代間の話でもあり、僕が演じる市川を反面教師に思っていただけたら」。

 友人役の⽥村健太郎が坂下監督の無口さを語りつつ「気づかぬうちに掌の上にいたみたいな感じ」と振り返ると、岩田は「昨日、初めて声を聞きました…嘘です(笑)」。

「坂下監督は何を考えているのか分からない人だなと思っていた」を振り返った岩田。「ところが監督から“岩田さんて何を考えているのか分からないですよね”と言われて…。この映画は、お互いに何を考えているのか分からない人が作っております」と冗談めかしつつ「校則をテーマにしながら、世代間のギャップや常識の掛け違いを描いた、全世代の方に刺さる作品です」とアピールしていた。

 この日の登壇者は岩⽥剛典、⽩⿃⽟季、⼭⽥真歩、⽥村健太郎、内⽥慈、坂下雄⼀郎監督。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

講談社がハリウッドにスタジオ設立「今までは海外におまかせ」日本の漫画実写化へ オスカー監督クロエ・ジャオも「原作尊重は健全な形」

2025.11.04 Vol.web original

 

「Kodansha Studios」設立発表会見が4日、都内にて行われ、映画監督のクロエ・ジャオ監督らが登壇。講談社がハリウッドに設立する制作スタジオの最高クリエイティブ責任者に就任したジャオ監督が意気込みを語った。

 講談社は、映画監督クロエ・ジャオとプロデューサーのニコラス・ゴンダによる制作会社「Book of Shadows」と提携し、ハリウッドを拠点とする制作会社「Kodansha Studios」を設立。ジャオ監督を最高クリエイティブ責任者に、ゴンダプロデューサーをCOOに迎え、同スタジオを通して日本の出版コンテンツの海外実写映像化およびグローバル展開において、より主体的な役割を担っていく。

 講談社初の試みに同社の野間省伸代表取締役社長は、日本の漫画の世界的人気を受けハリウッドからの映画化オファーも多い一方、現地スタジオでの制作には課題も多いと語り「今までは日本のIP(知的財産)の映画化権を海外スタジオに渡して企画・制作はお任せ、という形だったが、スタジオとして我々も企画・制作に関与していくことで、日本のIPやクリエイターをより広く世界に広めつつ、海外の素晴らしいクリエイターとコラボして新たなコンテンツを作っていければ」。

 スタジオの最高クリエイティブ責任者に就任したのは『ノマドランド』のアカデミー賞受賞監督、クロエ・ジャオ。

「私は深く深く日本のアニメや漫画を愛しています」と笑顔を見せたジャオ監督。

「私は日本の漫画、小説、アニメ、同人誌といったすべてに影響を受けてきました。私は孤独な子どもで、漫画のキャラクターが友達でした。それは世界の多くの人に共通することだと思います。私も、もともとは漫画家を目指していたんですけど、絵を描くのがあまり上手くなかったので断念しました(笑)」と明かし「日本の作家たちに大いなる敬意を抱いています」と、日本の漫画、アニメといったクリエイティブへの思いを熱く語った。

 さらにジャオ監督は「私自身もこれまで、東西間の映画化で多くの困難を目にしてきた」と言い、同スタジオの東西文化の懸け橋としての役割にも期待しつつ「(同スタジオ設立によって)ハリウッドも大きく影響を受けると思います。ある意味これまではIPを好きに解釈して扱ってきたけれど、もともとのアイデアを傾聴し作家を尊重して、より作家性に近いものを作るというのはハリウッドにとっても健全な形じゃないかと思います」と語っていた。

柄本明、オスカー俳優ブレンダン・フレイザーとの共演振り返り「大きい方。ホエールほどじゃないけど」

2025.11.03 Vol.web original

 

 映画『レンタル・ファミリー』(2026年2月27日公開)のアジアン・プレミアが3日、都内にて行われキャスト陣とHIKARI監督が登壇。オスカー俳優との共演を振り返っていた柄本明が、HIKARI監督からサプライズで喜寿を祝われ照れていた。

『ザ・ホエール』のオスカー俳優ブレンダン・フレイザー主演作。日本で“レンタル家族”として働くアメリカ人中年男性が、人々との出会いを経て生きる喜びを見出していく感動作。第38回東京国際映画祭ガラ・セレクション出品作品。

 主人公フィリップ役のブレンダンとの共演シーンが多かったという柄本。印象を聞かれると「ブレンダンさんは大きい人です。“ホエール”くらい大きいわけじゃありませんが」と笑いを誘いつつ「本当に素晴らしい俳優さんで。大きい方です、体だけじゃなくて、大きな奥行きのあるお芝居をされる。演技も人柄も素晴らしい方。共演できて本当に光栄でした」。

 海外映画祭でも注目を集めるHIKARI監督。作品を語っていたかと思うと「今日は特別な日です」と、この日、77歳の喜寿を迎えた柄本をサプライズで祝福。

 一同からバースデーソング、娘役の真飛聖から花束を贈られた柄本は照れて「映画の宣伝をしてください」。

「柄本さんがこの役を受けてくださったことですべてが始まった」と感謝したHIKARI監督。「これからも一緒にもっと作品を作って…くれるかな(笑)と柄本に熱烈ラブコールを送り、柄本も「こちらこそ」と快諾していた。

 この日の登壇者はHIKARI監督、木村文、森田望智、篠﨑しの、ゴーマン シャノン 眞陽、真飛聖、柄本明。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

李相日監督が黒澤明賞 最新作『国宝』大ヒットで次回作に遅れ? クロエ・ジャオ監督も「歌舞伎を見に行きました」

2025.11.03 Vol.web original

 

 第38回東京国際映画祭・黒澤明賞授賞会見が3日、都内にて行われ、受賞者の李相日監督とクロエ・ジャオ監督が登壇。李監督が『国宝』の海外での広がりに手ごたえを語った。

「身に余る光栄」と受賞に感激しつつ「映画監督としてやってきて、これまで出会った俳優やスタッフたちに育ててもらったと思っています」と語った李監督。

 黒澤明監督について聞かれると、李監督は映画学校で今村昌平監督や黒澤作品に本格的に触れるようになったと振り返り「日本映画の偉大さへの扉を開いてくれた作品群。特に黒澤さんの作品は、総合芸術とはこういうことを指すのかと体感させてくれた」と語り「今回『国宝』という、芸術に自分の人生を捧げる人間の物語を作ったのですが、まさに黒澤さんは映画に人生を捧げ孤独を引き受けて、誰も見たことがない景色に向かってひた走った偉大な人という印象。何に影響を受けたか、一言ではとても言い表せません」。

 現在、最新作『国宝』が国内はもちろん海外でも注目。今後は米国アカデミー賞ノミネートを目指していくと明かしつつ「日本の伝統芸能である歌舞伎を題材にした作品。日本の固有の芸能文化がどう届くかとも思ったのですが…」と当初の懸念を振り返りつつ「描いていることがきちんと伝わっている」と、海外での手ごたえも感じている様子。

 邦画の実写では破格の興行収入100億円超えを記録中。メガヒットの要因を聞かれると、李監督は「僕が知りたいんですけどね(笑)」と笑いを誘いつつ「皆さんがどこか不安感を抱えて生きている中で、何か美しいもの、見栄えといったことだけはなくて内面の、俳優たちが見せた血のにじむような努力のような、人間的なものの美しさをどこか欲していたんだなと感じることがあります」。

 ともに同賞を受賞したクロエ・ジャオ監督も「今、舞台にも興味があって。実は今年の1月に歌舞伎を見に行ったんです。『国宝』を見るのが今から楽しみです」と笑顔。互いの作品を熱くたたえ合った。

 今後の作品について質問されると李監督は「『国宝』がこんなに当たると思っていなかったので…もうちょっと早く次の作品に着手できると思っていたんですけど…こんな事態になってしまったので(笑)」と大ヒットの思わぬ影響を明かしていた。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

 
【プロフィル】李相日(り さんいる):大学卒業後、日本映画学校(現:日本映画大学)の卒業制作作品『青~chong~』が「ぴあフィルムフェスティバル」のアワード 2000でグランプリ他4部門を独占受賞し注目を集めた後『BORDER LINE』(2003年)、『フラガール』(2006年)、『怒り』(2016年)など数々の作品が国内外で高く評価。現在大ヒット中の最新作『国宝』は邦画の実写では破格の興行収入100億円超えを記録中。

 選考委員による受賞理由:李 相日監督は、しばしば社会の矛盾や人間の罪の問題を扱った重厚なテーマを描きつつ、それを多くの観客の共感を呼ぶヒューマニズム溢れる人間ドラマとして昇華させてきました。最新作『国宝』はカンヌ監督週間を始めとする多くの国際映画祭で上映されるとともに、日本国内でも幅広い観客層に支持され、商業的な成功をおさめました。今後の日本映画、そして世界の映画を牽引することを期待し、李 相日監督に黒澤明賞を授与します。

【プロフィル】クロエ・ジャオ:北京出身の脚本家、映画監督、編集者、プロデューサー。3作目の長編映画『ノマドランド』は2020年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞やアカデミー賞監督賞、主演女優賞、作品賞の3部門を受賞。最新作『ハムネット』は東京国際映画祭に出品。

選考委員による受賞理由:クロエ・ジャオ監督は、通常のハリウッド映画とは一線を画した詩的かつリアリスティックな作品を発表してきました。特に『ノマドランド』はヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー賞®作品賞を受賞するなど世界的に高い評価を受け、その成功はアジア系女性監督たちに大きな勇気を与えました。その功績と今後の世界映画への更なる貢献を期待し、クロエ・ジャオ監督に黒澤明賞を授与します。

92歳の岡田茉莉子、年齢聞かれ22歳サバ読む軽妙トーク「エアロビクスもやってます」

2025.11.01 Vol.web original

 

 映画『浮雲 4Kデジタルリマスター版』のジャパン・プレミアが1日、日比谷にて開催中の日比谷にて開催中の第38回東京国際映画祭で行われ、出演俳優の岡田茉莉子が登壇。年齢を感じさせない軽妙なトークで70年前の代表作を振り返った。

『浮雲』(1955年)は林芙美子の同名小説を原作に、成瀬巳喜男監督が、戦中戦後の混乱期を舞台に男と女の宿命的な愛と悲劇を描いた恋愛映画の最高傑作。

 1951年に成瀬監督の『舞姫』の準主役に抜擢されて女優デビューを果たした岡田。成瀬監督について「巨匠ですのに、とても優しくしてくださって」と振り返り、『浮雲』で演じた、おせい役に「難しい役でしたけど今になってみれば本当に好きな役です」と振り返り「(成瀬監督は)あまり演技指導をなさらない方で。1回だけ、ほめていただいたことがあるんです。(主人公たちを見送った後の)戸の締め方がすごく良かった、と(笑)」。

『浮雲』の主演・高峰秀子や、森雅之との撮影を懐かしそうに振り返った岡田。「高峰さんはとても明るい方で、私が緊張しないように冗談を言ってくれたりして。森さんも、普段はとても明るい方なんです。役と全然違って(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。

 本年のカンヌ国際映画祭でも上映され絶賛された『浮雲 4Kデジタルリマスター版』。聞き手の軽部真一アナウンサーから「『浮雲』が今でも若いファンを増やし続ける理由とは?」と聞かれると「私にも分かりません。でも魅力ありますね」と笑顔。

 軽部アナから「本当にお元気ですね」と感嘆されると「まったく元気です。今のところはどこも悪くないし、頭もまだ大丈夫だと思います。一生懸命生きております」と胸を張り、会場からも大きな拍手。

 体をよく動かしていると言い「スポーツクラブに行って、全身を動かすようにして。エアロビクスもやっております」と答え、会場もびっくり。

 軽部アナから「ご年齢を伺っても?」と言われると岡田は「いくつだと思います? まあキャリアから見ると分かりますよね」とじらしつつ「70になります」とオチをつけ、岡田の茶目っ気に会場も大笑い。

「皆さんと一緒。テレビを見ておいしいものを食べて」という岡田。好きな食べ物を聞かれると「おすし。(とくに好きなのは)マグロでーす!」と元気いっぱいに答え、会場を沸かせていた。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

プロ野球選手志望だった松谷鷹也、涙をぬぐいながら故・横田慎太郎選手との交流を語る

2025.11.01 Vol.web original

 

 映画『栄光のバックホーム』(11月28日公開)のワールドプレミアが1日、都内にて行われ、W主演を務めた俳優の松谷鷹也、鈴木京香らキャストと秋山純監督が登壇。松谷が元プロ野球選手・横田慎太郎さんとの生前の交流を振り返った。

 2014年から阪神タイガースで活躍しながらも21歳で脳腫瘍を発症、引退を余儀なくされて臨んだ最後の試合で圧倒のラストプレーをファンの胸に刻み付け、2023年に惜しまれながら亡くなった元野球選手・横田慎太郎の軌跡を描く。第38回東京国際映画祭 ガラ・セレクション公式出品作品。

 冒頭、見城徹プロデューサーとともに、映画化から完成までの奇跡を振り返った秋山監督は「慎太郎くんに、君の人生をスクリーンに映し出させてほしいとお願いできたことも奇跡。彼が元気なうちに見に来ると言ってくれていたのに果たせなかったことには悔いもあります」と振り返りつつ、豪華俳優陣を迎えての映画化実現に感激。

 主人公・横田慎太郎を演じた松谷は「今、横田さんに贈る言葉は?」と聞かれると「この4年間、一緒に歩んできたような気持ち。多くの人に慎太郎さんのことを伝えたい。公開まで引き続き見守っていてくださいと伝えたいです」。

 生前の横田さんと交流があったという松谷。しだいに目に涙をあふれさせ「本当にまっすぐな人で、でもどこか天然なところもあって。目の前のことに一生懸命で、目標を立てて1日1日を大切に生きていた方」と涙をぬぐいながら振り返った。

 そんな松谷はもともとプロ野球選手を目指していたと言い、前田拳太郎が演じた阪神タイガースの北條史也選手と「高校の時に実際に対戦したことがあって…。僕はホームランを打たれました(笑)」と明かし、会場の笑いをさそった。

 慎太郎の母役の鈴木、父役の高橋克典、姉役の山崎紘菜という前田家を演じた一同も本当の家族さながら和気あいあい。

 最後に松谷は「一人でも多くの方にこの作品と慎太郎さんのことを知ってもらえたら」とアピールしていた。

 この日の登壇者は松谷鷹也、鈴木京香、高橋克典、前田拳太郎、山崎紘菜、加藤雅也、見城徹(製作総指揮)、秋山純監督。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

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