国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略:SSFF&ASIA)2025』のアワードセレモニーが11日、都内にて行われ、グランプリ〈ジョージ・ルーカス アワード〉はじめ各賞が発表。小池百合子東京都知事も登壇し、サステナブルな視点で東京を見つめた作品に感激した。
今年で27回目を迎えるアジア最大級の国際短編映画祭。
同映画祭では東京都と映画祭が連携し、多彩な東京の魅力を発信するショートフィルムを世界から公募する「Cinematic Tokyo部門」を毎年実施しており、小池都知事も「短いだけに中身が濃密で、ギュッと思いが詰まっている楽しみな部門です。近年、映画の世界で日本勢が大変に元気。この部門も東京から世界へ羽ばたく部門として、これからも映画を通じて世界の輪が広がっていくことを願っています」。
また、東京都と映画祭との映画製作プロジェクト「サステナブル・リカバリー プロジェク ト」の3作目『日の出を知らない街』からは、キャストのB.T.や小西真奈美が登壇。B.T.は「奥多摩の景色が美しかった」、小西も「休憩中にキャストの皆さんと登山や自然の話で盛り上がりました」。細田佳央太も「僕自身東京出身で23年、東京で暮らしながら初めて知った東京の魅力に触れることができました」、井之脇海も「こんなに自然豊かな場所があるんだと改めて東京の魅力を感じました」とビデオメッセージを寄せ、豊かな自然が残る奥多摩での撮影を振り返った。
増田彩来監督も「サステナブルというテーマで、今回は皆ができることではなく、1人ができることは何だろうと考え、思い込みを持たないことで、持続させたいものが自分の中に生まれていくのではと思いました。東京は夜景のイメージが強く、日の出を見る場所という印象はありませんが、東京でもこんなに美しい日の出を見れる場所があること、こんなに豊かな奥多摩という自然を持っている東京の魅力を改めて感じてもらえたら」。
他にも、ホッピー発売77年の記念作品『宇宙飛行士からの手紙』からは、ホッピービバレッジ株式会社の石渡美奈社長と、キャストの前田吟、堀海登が登壇。石渡氏は「ホッピーのビンへのこだわりは創業者である祖父の代から続いています」と振り返り「地球温暖化を止めるために、必ずガラス瓶が何か役割を果たせると思っています。ガラス瓶は一度ビンになるとずっとビンとして使うことができる環境に優しい容器であることと、人生、年をとればとるほど楽しい世界であればという願いを込めて作った作品です」と紹介。
主演の前田もショートフィルムへの出演に「主人公は77歳、僕は81歳なのでちょっと若返らないといけなかった」と笑いを誘いつつ「30年後、50年後はほとんどが短編映画になるのでは。その短編映画に爪痕を残したいと思って」。
サステナブルな視点で描かれたショートフィルムにも注目が集まっていた。
米国アカデミー賞公認映画祭でもあるSSFF & ASIAでは、ライブアクション部門のインターナショナル、アジアインターナショナル、ジャパン各カテゴリーと、ノンフィクション部門、アニメーション部門の各優秀賞・計5作品が、翌年のアカデミー賞短編部門へのノミネート候補とされる。
『SSFF & ASIA 2025』オンライン会場は6月30日まで開催中。