【徹底討論 第4弾】20代、30代の若い男女に聞きました「知っていた? どう思う?東京都が屋内全面禁煙化へ」

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、関連施設の建設や街の整備が急ピッチで行われる中、東京都も受動喫煙防止条例の制定に向け動きを見せている。同条例の一番のポイントは屋内全面禁煙化(※一部例外規定あり)。そこにはたばことセットで楽しまれるお酒を提供する居酒屋やバーも含まれる。また、加熱式たばこも規制対象に入るとみられる中、20代から30代の若い世代の非喫煙者、喫煙者が意見交換を行った。

意外と知らない現行の喫煙ルールと屋内全面禁煙化に向けた条例制定の動き

<本日の参加メンバー>
太朗さん 30代 会社員
あさみさん 30代 会社員 
ジョイさん 30代 主婦(子どもあり)(加熱式たばこ初)
松井さん 30代 接客業(たばこ/加熱式たばこ)
ひかるさん 20代 フリーランス(たばこ/加熱式たばこ)

—現在、東京ではどんな喫煙ルールがあるか知っていますか?

太朗:自分が吸わないから、まったく知りません。でも実感としては最近たばこを吸っている人が減ったなという感じがします。昔のほうが煙を浴びていた気がする(笑)。だから分煙化がきちんと進んでいるという認識ですね。

松井:僕は逆に喫煙者ですが、あんまり気にしたことはないな…。お店に入って禁煙の店だったら我慢するし、特に不便は感じてないので、ルールに締め付けられているという意識はないかも。

—分煙に関しては喫煙者・非喫煙者とも自然に意識はできているよう。では、2020年に向けて、公の施設はもちろん、飲食店(一部を除く)で屋内全面禁煙化の実現に向かっている事は?

ジョイ:全然知らなかったです。厳しくないですか?

あさみ:喫煙者がそばにいると煙が気になったりとかいうことがあるので、それがなくなるのはうれしいですけど…。でも吸わない側からしてもちょっと厳しいのではという気がします。

太朗:僕はさっきも言いましたけど、分煙化も進んでいるので、煙が気になれば禁煙席を選べばいいと思うので、全面禁煙化しなくてもいい気はしますけどね。

「Ploom TECH(プルーム・テック)」のニオイを確認するメンバー

加熱式たばこ使用者の増加

—現在は加熱式たばこを持っている人も増えていますが、その実感は?

太朗:よく見ますよね。でも僕は逆に普通のたばこのほうがいいかな。というのは、嗅ぎなれていないせいか、加熱式たばこの独特のニオイがちょっと苦手なんです。

松井:僕も加熱式たばこの独特なニオイは苦手です。ただエチケットとして居酒屋とかにはたばこのほかに加熱式たばこも持っていってダブルでスタンバイしています。

太朗:でも、加熱式たばこは灰をまき散らさないからいい(笑)。食事の場で吸い殻が灰皿にたまっていくと、ニオイもするし見た目も良くないですよね。

ひかる:確かに、一時期加熱式たばこだけを吸っていた時は、灰皿を使わずゴミ箱に捨てられたので、そういう面ではキレイだったかも知れない。今は両方を使い分けていますが、その辺りも注意して、TPOに合わせて選択するようにしていきたいと思います。
ジョイ:あと加熱式たばこのいいところはライターがいらないところ。たまにテーブルなどに置きっぱなしにしていると子どもが手に取っていることがあり、怖いなと思います。

—現在発売中の加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」「glo(グロー)」「Ploom TECH(プルーム・テック)」を試して感想を聞かせて下さい(喫煙者は実際に試飲)。

ジョイ:アイコスはたばこに近い感じですね。吸っている感じはします。

太朗:焼き芋っぽいニオイ(笑)。でもよくお店とかで嗅ぐ、いわゆる加熱式たばこのニオイですよね。

松井:僕は一通り試したことがあるんですけど、アイコスとグローは筐体の中で加熱するので、ちょっとたばこの部分でいうフィルターとか煙が温かい感じがします。あと、熱する時間がかかるので、吸いたいと思った時に、すぐに吸えないことも気になるかな。
ひかる:自分は普通のたばことアイコスの2個持ちなんですけど、カスがたまるので、掃除をマメにしないといけないとかメンテナンスがちょっと面倒かな。ただ、紙巻たばこは指先と髪の毛に結構ニオイがつくので、それに関してはアイコスのほうがいいと思います。

ジョイ:グローはちょっと甘いですね。あと口に着いた瞬間結構熱いし、煙も熱いです。

ひかる:でも、私はグローのこの甘さは結構好きかも知れない。アイコスともプルーム・テックとも違って加熱と操作と充電が一体になってて、デザインもちょっと個性的だからいいかも。加熱式たばこを吸っていると、自分は意識高い系ですって感じで、自慢できるし(笑)。

松井:プルーム・テックは、初めて吸ったんですけど、正直普通のたばこを吸いなれていると物足りないかな。アイコスもそうですが、プルーム・テックのほうがより煙を吸い込む感覚がないですね。

あさみ:はたから見ても、煙はほとんど出てませんよ。私的にはそれがいいけど。

太朗:煙も少ないけど、ニオイも全然しないですね。普通にお店で隣の席の人にこれを吸われても気が付かないかも知れない。

あさみ:そうなんですよね。まったくといっていいほどニオイを感じないです。私は煙というより、たばこはニオイが苦手なので、これだったら大丈夫かも。

ひかる:デザインは一番コンパクトでスタイリッシュかな。結局加熱式たばこを使用するのは、ニオイで周りの人に不快な思いをさせたくないからなので、ニオイが気にならないというのはいいですね。

松井:形状に関しては、僕もそう思うけど、逆に細すぎてカバンの中で迷子になりそう(笑)。

ジョイ:分かります! どこに入れたか探すのが大変そう。もっと派手な色にしたらいいんじゃない(笑)。

今回喫煙者に試飲してもらった加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」「glo(グロー)」「Ploom TECH(プルーム・テック)」(写真左から)

たばこと加熱式たばこは同じなのか

ーいずれも紙巻きのたばこより煙もニオイも少ないという意見が多かったが、これらの加熱式たばこも受動喫煙防止条例の規制対象となる。

松井:自分としては、吸わない方に配慮して加熱式たばこを使用している部分もあるので、それも一律にまとめて規制されるとつらいです。

ひかる:副流煙を気にして、なるべく煙のないものを…と選んだものがダメなら、結局禁煙するしかないのかなと…。

太朗:自分は吸わないけど、これらのものなら全然いいけどな。それでちゃんと分煙していたら、喫煙席の隣の禁煙席でもいい(笑)。

あさみ:昔に比べると歩きたばこの人もほとんど見かけませんし、喫煙者のマナーは格段に良くなっていると思います。また、加熱式たばこのような商品が発売されるなど企業努力も感じるので、ルールをきちんと守り、吸う人も吸わない人も気持ちよく場所と時間を共有できればいいんじゃないかと思います。

ひかる:吸わない人にそう言ってもらえるとありがたいです(笑)。

松井:非喫煙者の方に寛大なご意見をいただけたので、喫煙者としても、マナーには気を付けたいと思います。

東京都受動喫煙防止条例(仮称)とは

 屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせる街を実現するために、東京都が2020年のオリンピック・パラリンピックイヤーをめどに制定を目指している条例。対象となる施設と喫煙禁止場所の範囲は細かく設定されているが、飲食店に関しては、受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を守るため、従業員がいる店舗はすべて原則屋内禁煙となる。そのため、同案が適用された場合、規制対象となる飲食店は約84%にのぼるとみられている。また、従来の紙巻きたばこに加え、加熱式たばこも規制の対象となる。ただし、それに関しは、健康影響が明らかになるまでの間、行政処分や罰則は適用しない。