【学生起業】起業を意識する学生×学生起業家 「学生起業あるある」座談会

なぜ学生で起業? リスクや起業できた要因、起業後の現実とは? 【学生起業】

 いま日本でも、大学や大学院に在籍しながら起業する、起業を志す人が少しずつ増えている。起業という人生の選択を、なぜ学生のうちに決断したのか。そして実際にどんなことに直面し、どう乗り越えたのか。学生起業を経験した起業家を直撃。さらに起業した学生と起業したい学生による座談会を実施!

【起業資金や起業後の生活は…】



 起業を考えている学生4人(宮脇・渋谷・石原・末冨)と、すでに学生起業をした2人(福井・高久)に集まってもらい、学生起業にまつわる疑問やありがちな問題などについて話し合ってもらった。

石原「高久さんと福井さんは起業と大学院への進学を両立させているわけですが、起業1本に絞らず進学した理由は何ですか?」

高久「僕は、学部のときからサービスを作っていて起業自体は大学院に進んでからなんですが、長期的に自分の目標を達成するために学習効率を考えて大学院へ進学しました」

福井「僕の場合は学部のときに立ち上げた事業を継続してやっていこうと決めたときに就職という選択肢は無くなったんですが、まだ利益の見通しもそこまで立っていなかったので、最悪でも修士号は手に入るし大学院に行きながら続けようと思って。社会人も多いのでより広い視点で学べるかなとMBAに進みました。僕の経験では、まだ起業が軌道にのっていない専門職の人などはMBAに通うのもありではと思いますね」

高久「MBAが初期のスタートアップには必要かというとそうでもないですけど、長期的スパンで考えれば重要なことだと思います」

渋谷「起業してすぐ利益が出るとも限らないですからね。素朴な疑問なんですが起業直後って皆さん、ちゃんと生活できているんでしょうか」

高久「僕は、会社としては今後へ向けての資金調達を進めており、家族の支援も多くありました。僕の場合はビジョンに共感してくれる人が多くて、手弁当で協力してくれる人が多く、大変助かりました。大学やその他の関係者の支援も手厚く、助かりました」

福井「知財も確保できたのはすごいですね。うちの大学は学内で作業をした研究は大学のものという原則があったので、僕は受託業務などで自己資金を作りましたよ」

末冨「事業化に向けて、スレスレのところで研究費を活用している学生は少なくないと思いますよ」

宮脇「起業資金の調達も大変ですね。株をほとんど持っていこうとするVCとか、エンジェルというよりデビルかと思うような投資家もいますし」

福井「VCにも特色があるから、VCから資金調達するなら、自分の事業に合ったVCを探さないと時間やお金の無駄になりかねないですね」

宮脇「あと特に“意識高い系”の学生で、情報商材なんかのネットワークビジネスに引っかかったりする人が意外といますよね。友達が人を紹介してくれると言うから行ったら知らない“先輩”がいて…とか」

渋谷「本気でビジネスをしようと思っている人なら自分が儲からないことは分かりそうな気もしますけど」

福井「これは起業を意識している人だけじゃなく、すべての学生に気をつけてほしいことですね」
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