「新聞記者」現象が全国を席巻、興行収入4億円超のヒット 松坂桃李「賛否あっての熱量」

内閣情報調査室ではたらくエリート官僚を演じた松坂桃李
本作の舞台は、霞ヶ関。シムふんする東都新聞の女性記者・吉岡のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある強い思いを秘めて日本の新聞社で働いている吉岡は、真相を究明すべく調査を始める。一方、松坂演じる内閣情報調査室の官僚・杉原は、「国民につくす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は、現政権に不都合なニュースのコントロール。真実に迫ろうともがく若き新聞記者と、「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート。現代社会にリンクする生々しいストーリー展開が話題の政治サスペンスだ。

舞台挨拶では、全国の劇場支配人から届いた「新聞記者」現象が紹介された。「このジャンルでは珍しく若い観客が多い」、「鑑賞後に拍手が起こった」、「お客様から直接お電話で作品の感想をいただいた」など、劇場スタッフが目にした出来事やエピソードが語られた。大阪シネルーブルのエピソードが紹介された時にはシムが、「おおきにです!」と突然の関西弁を披露。楽屋で練習したという関西弁で感謝を伝え、会場を沸かせた。
若き新聞記者を演じたシム・ウンギョン
会場の観客には、物語とも深い関わりがある獣医学部出身の女性の姿も。「私も獣医学部だったので、医療について考えさせられました。日本が(こうした問題を)身近に考えられる国になったらいいなと思います。こんな気持ちになるのは初めて」とコメントし、主演の二人も「しっかりと受け止めて下さってうれしい。作った側として、何かのきっかけになれば」と感慨深く聞き入った。

最後は、主演の二人から観客へメッセージが送られた。シムは「この映画の熱量を感じて、感無量です。これからどんな選択、分かれ道でも、迷わない力がみなさんに届きますように」とコメント。松坂は「公開してから約一ヶ月、こうして皆さんに会えるということはなかなかないです。映画は賛否があって、強い熱量になるのかなと思います。ちゃんとこの作品が、皆さんにとって持ち帰れるものになったと思うと、うれしく思います」と締めくくり、舞台をあとにした。

映画「新聞記者」は新宿ピカデリー、イオンシネマほかで全国上映中。
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