大学生・大学院生が新規事業アイデアで3分勝負!【ビジネスアイディアピッチコンテスト】



 コンテストは、全国でサービスを展開するフラワーギフトの「花キューピット」における新規のビジネスアイデアを表現するもの。学生たちは「花キューピット」の組織やサービス、市場環境をリサーチし、そのうえで考えた新しい事業案を、図表やグラフ、動画やイラスト、アニメーションなどを取り入れ練りこんだ資料を駆使して3分間でプレゼンテーションした。


 デザイン上、使用しない茎や葉の部分をエネルギーに換えたり、購入者から枯れてしまった花を回収して肥料にするようなサステナブルなアイデア、すでに広く浸透したサブスクリプションサービスをフラワーギフトと組み合わせた新商品、「花キューピット」の全国ネットワークを活用した地域との結びつきを商品に反映させてプロモーションまで狙う施策、ARなど最新技術を利用した花のある生活を楽しむ仕組み、さらには従業員の技術やサービスの向上を促す社内コンテストなど、持ち寄られたアイデアはさまざまだった。


 審査を担当したのは、一般社団法人JFTDの澤田信会長、花キューピット株式会社の𠮷川登代表取締役を筆頭に、BEYOND 2020 NEXT FORUM実行委員会および早稲田大学客員教授の一木広治氏、ベンチャーキャピタルの株式会社iSGSインベストメントワークス取締役代表パートナーの佐藤真希子氏、クリエイターのDream Ayaの5名。プレゼンテーション後の質疑応答では、新規ビジネスの需要をどのように見ているのか、予算はどうかなど生まれた疑問をストレートに突いた。学生たちも「質問が出ると思っていた」と落ち着いた様子で新しい資料をスクリーンに映し出して説明を追加したりと、社会人と比べても遜色ないプレゼンテーションだった。聞いただけでビジネスとして動き出すのが想像できるもの、「そんなことができたら素敵だな」と実現を強く思うものなどさまざま。なかには「とてもロマンティック」と審査員たちにつぶやかせたアイデアもあった。


 コンテストに参加した学生たちも真っすぐな目で発表者を見つめ、休憩時間中にはお互いのアイデアについて話したり、連絡先を交換したりなど、交流も行われていた。



 厳正なる審査のうえ、グランプリに選ばれたのは、三野流斗さんと高木大輔さんによる『キクのフラワーロスの解決案』。花きの国内消費の約40%にあたるというキクが他の花に比べて再利用されていないことに目をつけ、消費者などからキクを回収し、バイオエタノールを作るというアイデア。これによって化石燃料の利用を抑制するとともに、SDGsの目標達成にも貢献できるというものだった。


 準グランプリは、早川翔大さんの加盟店のネットワークと上質な接客を組み合わせた『花キューピットメンバーシップクルーコンテスト』。花キューピット賞は、松本綾香さんの『地域とつくる環境にやさしいフラワーアレンジメントキットの販売』と松広航さんの『花言葉で紡ぐ人々の物語』だった。