緊急事態宣言延長も「人流の減少という初期の目的は達成できた」と菅首相

5月7日夜、緊急事態宣言の延長を発表した菅首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

効果が検証できるのは来週以降なのに…

 政府は5月7日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令していた緊急事態宣言について11日の期限を31日まで延長し、合わせて12日から愛知、福岡両県を対象地域に追加することを決めた。

 3度目となる今回の緊急事態宣言はゴールデンウイークの人の流れを抑えるための4月25日から5月11日という短期間のもの。この間も新規感染者数は東京、大阪ともにステージ4(爆発的感染拡大)を大きく超える水準なのだが、25日からの施策の効果が表れるのは2週間後となる来週からで、その効果を検証することなく緊急事態宣言の延長を決めることになった。

 そもそも「短期集中」という設定が矛盾したものだったことが露呈したわけだが、菅義偉首相は会見で「多くの人出が予想されるゴールデンウイークという特別な期間において、短期集中的な対策として、感染源の中心である飲食の対策に加えて、人流を抑える対策を取った。この結果、対策を講じる前や前回の緊急事態宣言と比べても人出が少なくなっており、人流の減少という初期の目的は達成できたと考えている」とあくまで効果はあったという立場を取った。

 今回の延長については、飲食店におけるお酒やカラオケの提供の停止を続けるとともに、新たにお酒の持ち込みも制限する。

 その一方で休業要請が出されていた1000平方メートル超の大型商業施設は20時までの時短要請に切り替えた。無観客が要請されていたスポーツや音楽などのイベントについては5000人以内または収容定員の50%以下であれば観客の受け入れが認められた。

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