高杉真宙「漫画の最終巻は深夜に読まない」と決めた理由にあふれる作品愛! 25歳、自分らしく新たな一歩へ

こよなく漫画を愛する、高杉真宙の流儀

 同書では、コアなものから人気作まで幅広いジャンルから、そのお悩みにぴったりな漫画をセレクト。かなりの知識がないとなかなか難しいはず。

「まだまだ僕はそこまで漫画の知識があるわけではないと思います。ただ、気になったらすぐ調べたり、気になる作品がないか探したりは常日頃からしています。好きだからこそできる作業であり、勉強だと思います。基本的に話題になっている作品は読んでみますし、友達にすすめられたものやメディアで紹介されていたものとか…あと本屋さんで“表紙買い”をすることもあります。知らない作家さんの作品でも、ちょっと気になるなと思ったらまず、数巻分を買って読んでみますね。一方で、ずっと気になっているのになかなか読めずにいる漫画もあるので、漫画にも運命の出会いがあるんだなあと思います(笑)」

 撮りおろしの写真では、漫画喫茶の店主になった気分で、漫画に囲まれた空間に佇んだり、寝っ転がって漫画を読んだりと、いろいろな表情がとらえられている。

「もし実際に店を作るなら、親しみがあって落ち着いた空間にしたい。そして店の場所は、できるだけ人が近づかない場所に(笑)。もし僕が本当に漫画喫茶を開いたりしたら、自分のためだけの店になりそうですね。たぶんずっと“CLOSE(閉店)”の札を掛けておきます。でも“あそこの漫画喫茶、ずっとCLOSEになってる”と逆にウワサになってしまうかも(笑)」

 今後、もしずっと“CLOSE”のままの漫画喫茶を見かけたらひょっとしてそれは幻の「漫画喫茶・タカスギ」かも? そんな高杉にとって、漫画と過ごす至福の時間とは。

「今日はこれからこの巻数を全部読んでやろう、と思った瞬間ですかね(笑)。あとは、新刊を買ったので早く読みたいけど、その前に1巻からもう一度読み進めて、最新刊へ向けて気持ちを蓄えているときです(笑)」

 では、おすすめしない漫画の読み方などは?

「深夜、寝る前に最終巻を読む(笑)。これ、僕もダメだと思いながらついやってしまうんです。いい最終巻だったなという余韻の満足感と、この主人公たちともう新しい旅に出られないんだというさみしさを抱えて、そのまま朝を迎えてしまう場合があるのでおすすめしません(笑)。僕は普段、本当にすぐ寝られるタイプなんですけど、最終巻を読んだ後はアドレナリンが出まくっているのか、いろいろ考えてしまって。最終巻を読み終わってしまったさみしさは、幼いころに友達が引っ越してもう会えなくなったときのような気持ちと同じ感覚です。その人物の新しい未来をもう知ることはないんだな、自分はもうこの人物の新たな面を知れないんだな、と思うと本当にさみしくなります。でも、それもまた漫画を読む醍醐味であり、ぜいたくな時間ですから、最近は最終巻を夜に取っておくようになってしまいました(笑)」

 フィギュアや漫画など、趣味のものをそろえていた男性がパートナーに捨てられてしまうというのはよく耳にする話。これほど深い漫画愛を持つ高杉がもしそんなことになったら…。

「よく聞きますよね…。とくにフィギュアなんて特別なコレクションもあるだろうし尋常じゃないくらい悲しいと思います。いや、漫画も捨てられたら悲しいなあ。理解ある方と出会うのがベストでしょうね。寛容であれ、と思います(笑)」

 フォトエッセイで高杉が見せる幸せそうな表情や、ひたむきな言葉に触れれば、その漫画愛を応援せずにはいられないはず。もちろん、俳優としての今後も目が離せない。

 今年4月には個人事務所を設立。新たな第一歩を踏み出した。7月4日に25歳を迎え、多くの経験を積んできた今、俳優として、そして作り手としての意識をさらに強めているようだ。

「俳優として全うすべきことはどんな立場であれ変わりません。今後も、頂いた役をしっかり見すえ、求められているものを120%出せるよう全力でやっていきたいと思っています。同時に、俳優としてもっと成長するためにも、作品により深く関わっていきたいという思いもあります。ドラマや舞台でもそうですが、僕にとって映画は本当に夢中になれる場なので、これまで以上に深く携わっていきたいと思っています」

 より深まる作品への思いは、さらなる飛躍につながるはずだ。

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)