都医師会・尾﨑会長「夜、遊びに行っている方の病気と考える段階ではない」抗体カクテル療法、イベルメクチンにも言及

 東京都医師会の尾﨑治夫会長は13日、緊急記者会見の中で「すでにいろいろな報道で分科会の先生方、モニタリング会議等で日本は災害級の状態になっている、一人ひとりが身の危険を感じて守っていかないといけないレベルに入っているという話になっています。1万8000人の感染者が出るということは、決して日本は国民や都民の努力で自粛して感染が抑えられている国だとは言えない」と危機感をあらわにした。

東京都医師会の尾﨑治夫会長(5月11日撮影)

 そのうえで「私は東久留米市でクリニックをやっていますが、そこでも水曜日には発熱外来にPCR検査を希望する方が16人来ました。キャパシティの問題で11人はお受けして、そのうち7人が陽性ということになりました。40〜50代の方もそうですが、大学生、夏休みで部活動をしている高校生も熱が出ていて、これは家庭内感染で濃厚接触者ということではなく、すでにかなりの年代の普通の方にもどんどん感染者が出ている状態です。夜、遊びに行っている方だけの病気だと考える段階ではないということを、くれぐれもお分かりいただければ」と言及。

 さらに自宅療養や自宅待機者への対応について「今、保健所の業務がストップ状態に近くなって、私どもが感染者が出ましたと言っても、保健所から連絡が行くのは大体3日くらい遅れる現状があります。そういった中で、発熱外来をやっているところで診断がついた場合、保健所に報告したあと感染者に連絡が行くまでのタイムラグの間に、発熱患者を診たりPCR・抗原検査で診断がついた医療機関でしっかり診ていただくことを考えています。電話やオンライン診療などいろいろありますが、どういう取り組みが一番いいのか、どういった形でフォローアップできるかをこれから検討していきます」との考えを示した。

 また、抗体カクテル療法について「発症してから7日間以内で、軽症者の方に使うことで初めて有効性が高いと言われています。現状では入院してやってもらいたいという通達がありますけれども、東京都の場合は軽症者の方がどんどん入院できる体制にはなっておりません。インターフェロン-ラムダ3とCCL17という、重症化予防の指標となる血液検査が保険適用されていますので、診断された段階で採血して検査して、重症化しやすい患者さんについては早めにカクテル療法ができるような体制を作っていきたい」と発言し、「イベルメクチンという薬がありますが、これがそれなりに重症化予防できるという報告も数多く出ております。いろんな議論がありますが、こうしたかなりひっ迫した状況下で使用許可を認めていただいてもいい段階に来ているのではないか」とも訴えた。