林修氏らが提唱する「国消国産」とは?日本の食料問題を考える「みんなの食料安保!」

 10月16日は国連が定めた世界の食料問題を考える日「世界食料デー(World Food Day)」。この日を「国消国産(こくしょうこくさん)の日」に制定したJAグループが13日、生産者と消費者が共に「食」と「農」の未来を考えるイベント「みんなの食料安保!10,000人シンポジウム 2022」を都内で開催した。

「みんなの食料安保!10,000人シンポジウム 2022」にて動画出演した林修氏

 JA全中代表理事会長の中家徹氏は、冒頭で「生産者だけでなく、これだけ多くの消費者にご参加いただくのは初めての試み。その背景には現在の彩り豊かな食卓を未来につなぐため、生産者だけでなく消費者の皆様と一緒に食料安全保障を考えていくことが第一歩」と開催意図を説明。

 日本の食を取り巻く状況のリスクとして食料自給率の低迷、農業生産基盤の弱体化、自然災害の多発、世界的な人口増加、国際化の進展があるといい、「現代はコンビニやスマホアプリで簡単に『食』を手にすることができることで、その舞台裏である『農』について消費者の皆様との距離が遠くなっているのではないか」と課題提起。国民が必要として消費する食料をできるだけ国内で生産する「国消国産」を呼びかけた。

 その後、2018年より「JAサポーター」を務めるタレントの林修氏出演の動画「みんなの食料安全保障」を上映。林氏は代表的なリスクである「食料自給率の低迷」について、2021年時点で38%というデータにふれ、先進国の中で最も低い水準であることを提示。さらにウクライナ情勢の影響で食料価格の高騰に拍車がかかり、「食料が安くいくらでも輸入できる時代は過去のものになった」と断言した。

「食料は不足したらすぐ作るというわけにはいかない。国民が消費する食料はできるだけ国内で生産することが重要で、その考え方が『国消国産』。国消国産を実践していくことは国内の農業に活力を与え、食料安全保障の確立につながることはもちろん、毎日の食の安心と豊かな食生活の実現にもつながる」とし、さらに日本の地域社会や環境保全などSDGsにも貢献することを解説した。

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