豊島区に昭和を感じる新スポット「トキワ荘通り昭和レトロ館」オープン 当時の暮らしを感じる展示やジオラマ展示 

 

 昭和の歴史や文化、マンガとアニメ文化を次世代に継承する「トキワ荘通り昭和レトロ館(豊島区立昭和歴史記念館)」が3日オープンした。昭和20年代に建てられて以来ずっと地域に愛されてきた戦後マーケット「味楽百貨店」の建物をそのまま生かし、昭和の暮らしが感じられる展示、また豊島区の昔懐かしい街並みを再現したジオラマを展示するほか、昭和をテーマにしたイベントなどを行っていく。近くにある豊島区立トキワ荘マンガミュージアムとともに、エリアを盛り上げる。

ジオラマ作家の山本高樹氏による「人世横丁」。見る場所によって昼間と夜の異なる雰囲気が楽しめる。視線を低くするとジオラマの世界に入ったよような気分に

 館内には、昭和とマンガ・アニメ文化であふれる。オープンにあわせて、「マンガを学ぶ、マンガで学ぶ」をテーマにした特別企画展『これも学習マンガだ!展~私たちをとりまくセカイとミライ~』を開催中。第一期特集(12月18日まで)は『ゴルゴ13』を取り上げている。また、もう一つの特別企画展『タイムトリップ 豊島区の90年』では、ジオラマ作家の山本高樹氏による「人世横丁」と神田川のジオラマを公開している。昭和のおもちゃを集めた『昭和のおもちゃコレクション』、豊島区が誕生した昭和7(1932)年の池袋駅構内をトイレルで再現した『おもちゃの鉄道DE池袋駅』の2つの2つの企画展も行われている。特別企画展と企画展はいずれも2023年3月26日まで。

 また、常設展示として、郷土史家の矢島勝昭による昭和の暮らしを描いた原画を展示する『矢島勝昭 昭和のくらしギャラリー』、和室六畳間での若い夫婦の暮らしを再現した『昭和のくらし~昭和40年頃の日常~』がある。

これも学習マンガだ!展~私たちをとりまくセカイとミライ~』

 同日、オープンに先立ってトキワ荘公園(南長崎花咲公園)で行われたオープニングセレモニーには、豊島区の高野之夫区長らが登壇した。

 先に内部を視察したという高野区長は「圧巻。私たちが思っている以上に素晴らしい出来です」と目を細めると、「世界に発信するマンガ文化の拠点(トキワ荘)に加えて、昭和レトロ館ができ、商店街もトキワ荘通り商店街へと変身しました。今回の昭和レトロ館がこの街の価値を上げていくと思います。トキワ荘だけではなくて、町全体の街づくりへとつなげていく構想であります」とスピーチ。また昭和レトロ館は街の賑わいにも大きな役割を果たすとし、「人が来なければ文化じゃない、人が集まるところで文化が生まれ、それが広がり、育っていく。それが私たち豊島区の街づくりのお手本になるのではないかと思う」と、期待を寄せた。

オープニングセレモニーの様子
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