路上喫煙禁止が市内全域に広がった大阪市の今。市は350カ所を設置したというが、繁華街における喫煙所はいまだ不足。見かねた格闘家の朝倉未来が自身で喫煙所を設置

その万博においては場内は全面禁煙で喫煙所すらもない。喫煙所は会場に入る東ゲートの外にある建物の中に2カ所あるだけで、利用したい人の人数を考えると明らかに足りず、取ってつけたようなもの。ちなみに場内のトイレには性的少数者に配慮した「オールジェンダートイレ」が数多く設置され、一つだけではあるが宗教上、お祈りが必要な人のための「祈祷室」も設けられているのにだ。先日、日本国際博覧会協会は喫煙所がなかった西ゲート側の会場外にも新設する方針を明かしたが、いずれにせよ速やかな対応が必要である。
この路上喫煙禁止については東京都でも一足先に同様のルールが設けられ、区営など“官”による喫煙所の整備が一定程度進んでいる。一時は新宿・歌舞伎町や秋葉原などの繁華街で、海外からの旅行者による歩きたばこが日本人のマナー意識とのギャップとして問題視されていた。最近では情報の浸透もあってそのような光景は減少し、ポイ捨ても減る傾向にある。
とはいえ、喫煙所の場所や案内が分かりにくいエリアもあり、利用者が戸惑うケースも見られる。また、訪日客の増加とともに再発が懸念されるなど、東京においても路上喫煙対策は継続的な課題を抱えている。
一方、大阪ではこの大阪市内全域を路上喫煙禁止地区とする方針が打ち出された当初から喫煙所の数の足りなさは懸念材料として挙げられていた。本紙では2022年12月に「喫煙所が3カ所しかない」という南海なんば駅前から市役所のある淀屋橋駅までの御堂筋を実際に歩いて検証。いわゆる“喫煙所難民”ともいえる喫煙者の話を聞いた。彼らは総じて「喫煙所が遠いからつい路上で吸ってしまう」「たばこ1本吸うために喫茶店になんて入っていられない」と言って、仕方なく喫煙所以外の路上での喫煙を余儀なくされていた。