路上喫煙禁止が市内全域に広がった大阪市の今。市は350カ所を設置したというが、繁華街における喫煙所はいまだ不足。見かねた格闘家の朝倉未来が自身で喫煙所を設置

この大阪市の路上喫煙者とそれに伴うたばこのポイ捨ての多さを自身のYouTubeで取り上げた格闘家の朝倉未来が4月1日に曽根崎の曽根崎お初天神通り商店街内のビルの2階に「SMOKING DOWN」という民間の喫煙所を設置し話題となっている。今後、こういった動きも出てくるのかもしれないが、本来は官がやるべきことではないのだろうか。
また本紙では昨年末に、特に飲食店に取材を行い「原則屋内禁煙」に対する現場の考えや対策を聞いたのだが、その時点ではどの店もルールのややこしさや条令発令後、実際どのように運用されるかが読めないことに困惑の表情だった。ゆえに「まだ先のこと」と結論を先延ばしにしているお店、他の店の動向をうかがいながらという「様子見」のお店と、総じて条例施行に向けての動きは遅い印象だった。
今回、ある繁華街の客席面積が30平方メートルを超える焼き鳥屋に入ると当然のことながら、たばこを吸う客の姿はなし。店員さんに話を聞くと「どうしようかと思ったが、4月から禁煙にした。正直、売り上げが落ちている」とのこと。こういう場合は喫煙専用室を設置すれば、店内での喫煙は可能で、設置の際は補助金が出るのだが、そこのお店は建物の造り上、設置は難しいと判断し断念したという。
この話をしている途中にちょっと強面のお兄さんがたばこを吸いながら入店。店員さんが「すいません。4月から禁煙なんです」と言うと「あ、ここそうなんだ」とあっさり納得。いったん外に出て戻ってくるとその手にタバコはなし。恐らく路上にポイ捨てしてしまったのだろうが、これを見ると店内での禁煙は浸透しているものの、路上での全面禁煙はあまり浸透していないように思われる。