山田裕貴、舞台挨拶で涙止まらず報道陣に異例のお願い「前向きになれる映画なので!」

公開中の映画『木の上の軍隊』の舞台挨拶が25日、都内にて行われ、俳優の堤真一、山田裕貴、津波竜斗と平一紘監督が登壇。途中、涙が止まらなくなった山田が報道陣に異例の“お願い”をする一幕があった。
作家・井上ひさしが実話をもとに遺した原案による同名舞台作品を映画化。1945年、沖縄県伊江島を舞台に、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた2人の日本兵の物語。
公開後の反響に喜びつつ「戦争の悲惨さだけを伝えるのではなく、生きることに前向きになれる映画」と映画への熱い思いを語っていたキャストたち。
この日は、堤が演じた山下のモデルとなった山口静雄さんと、山田が演じた安慶名のモデルとなった佐次田秀順さんの家族から一同へサプライズでメッセージ。
山口さんの三女・平春子さんからは「この映画のおかげで佐次田さんのご子息と改めて深くかかわることができました。おそらくそのことを父は一番喜んでいるのでは」。佐次田さんの次男・満さんから「軍服姿の山田さんとお会いし、お父さんに会えたと思い、思わず抱きしめてしまいました。(略)父が見た風景を繰り返さないために、この映画がより皆さまに伝わることを願っております」という温かい手紙に、一同も感激の面持ち。
山田は「明るく、前を向く映画だと伝えていたのに。だから泣きたくなかったのに…これはずるくないですか?」とみるみる涙声。
涙をこらえきれない山田は、報道陣に「絶対に、悲しい映画なんだって思われる書き方だけはしないでくださいね!」と念押しし観客の笑いを誘いつつ「ご家族とお会いしたとき、ご家族が“あなたがいたから私はここにいるんだよ”と言ってくれて…」と振り返るうちに、また涙があふれ「もう無理だ…」と泣きながら苦笑。
万感の思いあふれる山田の涙に、MCを務めた、沖縄出身のお笑いコンビ・ガレッジセールの川田広樹も「素敵な涙です!」
一方の堤は「僕は泣きません」とイジりながらも「実は僕の死んだ父、山口静雄さんと同じ漢字で、堤静雄っていうんです。縁で、いい映画に参加させてもらった」と感慨深げ。
「映画の興行とかじゃないんです。歴史を伝えることは、残された人しかいない」と語る山田に、堤は「僕も打ち上げで、興行収入じゃないって言ったんですけど…多くの人に見ていただきたいので!」と力いっぱいアピールし、会場も笑いに包まれていた。