「次世代に向けた日本文化とエンターテインメントの融合」をテーマとしたフォーラム「WEAVE JAPAN2025」が開催。日本の活性化を目指すプロジェクトをスタート

オープニングセッションには経済産業省の江澤正名氏(左)とクリエイティブ・ディレクターの高崎卓馬氏が出演(撮影・蔦野裕)

「世界における日本の文化とエンタメの現在位置」をテーマに行われたオープニングセッションには経済産業省商務・サービス政策統括調整官の江澤正名氏とクリエイティブ・ディレクターの高崎卓馬氏が出演。

「日本のエンタメ・文化産業の経済エンジンとしての価値」「グローバル化するエンタメ市場で、日本がとるべきポジションとは?」という2つのトピックスで闊達な意見交換を行った。

 江澤氏は日本のアニメ、漫画、ゲームといった日本のソフトパワーの強さや海外売り上げの伸び、日本の経済・産業の現状をレクチャーしたうえで、経産省としてはこういったコンテンツを含む第三次産業を伸ばしていくことを今後の課題としてとらえていること、そしてアニメなどのコンテンツが海外で視聴された際に、制作会社やクリエイターにきちんと収入が還元される環境を作っていくために官民挙げて取り組んでいることなどを説明した。

 高崎氏は3年前に「パーフェクトデイズ」という映画で海外の映画祭を回った際に感じた、日本のアニメ作品の強さと実写映画の弱さなどを挙げたうえで「いろいろなことをしていかないとこの状況は変わらないと思った。あとは音楽とかアニメに付随するものが産業化していくので、一つ突破できているものを取っ掛かりにして、壁に穴を開けていくという作業をやっていかないといけない。これは個別作品ごとにやっていくと、毎回ゼロに戻ってしまうので、やはり日本側の産業として、塊として押していくという作業をしていかないと、なかなかマッチングマーケットには届いていかないということは肌で感じた気がする」などと実体験をまじえて問題点を挙げた。

 また「グローバル化するエンタメ市場で、日本が取るべきポジションとは?」というトピックスでは江澤氏は「韓国に韓国コンテンツ振興院というものがあって、日本の予算規模でいうと3倍くらいの財政支援を出している。日本でももっと増やせないかと日々奮闘している」と韓国の予算面や官民での取り組みを紹介し、日本の課題も挙げる。こういった状況に高崎氏は「支援がなくなったとしても、産業としてちゃんと自立・自走している状態を作るということが本当の支援なので、バックアップがなくなったら自立しないというのではダメだと思う。自立・自走するために支援をどう使うか、そのチャンスや機会を使って、自分の仕掛けをちゃんと作るということをバックアップされる側が意識していないといけない」と作る側の心構えを口にする。これに江澤氏は「やはりこれは国民の税金で成り立っている事業なので、それによって良いものを作り出せる体制が出来上がった強い企業になっていただくところまで応援し、あとは良い作品を作り、その得た収入で次の作品を作るという好循環を目指したいと思っている。そういう意味ではおっしゃる通り」などと語った。

 その後は今回のフォーラムの根幹となるテーマ「潜在的IPの発掘『眠れる文化資源を活かすエンタメの可能性』」、現状を確認し具体策を提案する「未来を生き抜く日本のクリエイティブとは」、場という観点からエンタメをみる「街づくり×エンタメの演出力『世界に届ける文化的価値の高い街とは』」という3つのディスカッションが行われた。