『国宝』最多10冠受賞 第49回日本アカデミー賞で最優秀賞を総なめ
第49回日本アカデミー賞授賞式が13日、都内にて行われ『国宝』が最高賞の作品賞をはじめ10冠を受賞(新人俳優賞と主題歌賞は含めず)。李相日監督や主演・吉沢亮らチームがステージで喜びを爆発させた。
1978年に創設された日本映画界最高峰の映画賞。2025年1月1日から12月31日までに公開され選考基準を満たした作品を対象に、日本アカデミー賞協会会員が投票。この日の授賞式で、各部門の最優秀賞が発表される。
2025年6月に公開され異例のロングラン大ヒット。国内外の映画賞でも高く評価されている本作。
この日は最優秀美術賞(種田陽平、下山奈緒)を皮切りに、最優秀撮影賞(ソフィアン・エル・ファニ)、最優秀照明賞(中村裕樹)、最優秀脚本賞(奥寺佐渡子)と次々と最優秀賞を受賞。
ソフィアン・エル・ファニは「僕を信頼してくれてありがとう。日本映画界のレジェンドと一緒に仕事ができて、とても刺激を受けました」と李監督をはじめ『国宝』チームに感謝しつつ、広がる戦火への懸念を語り「皆さん、映画で平和を実現しましょう」と呼びかけた。
惜しくも最優秀賞は逃したものの、優秀助演男優賞は横浜流星、渡辺謙、田中泯が、優秀助演女優賞は高畑充希、寺島しのぶ、森七菜が受賞。
最優秀監督賞、そして最高賞となる作品賞を受賞した李監督。最優秀監督賞の受賞では「20数年前『フラガール』でこの場に立たせていただいたんですけど、そのときには料理やお酒も出て、この時間帯になると酔っ払いも出て…映画界ってこういうところなんだ、と思いました」と笑いを誘いつつ「この映画は総力戦でした。自分は本当の意味での映画の作り方が分かっていないけれど衝動だけはあって、その衝動を俳優やスタッフも信じてくれている」と感謝。
原作者・吉田修一氏にも「身を削るようにして書いた作品を託してくれた」と感謝しつつ「人の心にとげが刺さっているような空気感を感じて、美しい映画を作りたいと思いました。人ってやはり美しいものを見たいと思っているんだとこの結果が教えてくれた。映画で世界を変えられるとまでは言いきれませんが、悪い方へ行く流れを踏みとどまらせる力はあると思っています。もうみんないい加減にしてくれと思っているかもしれませんが(笑)一緒に戦って踏みとどまっていきたい」と映画の力に期待。
最後には「16歳から共に歩み、こんな男に支えてくれている妻と、映画監督であることに全く無関心を装ってくれる子どもたちにこの場を借りて感謝したいと思います」と照れつつ家族に感謝のメッセージ。
続いて作品賞を受賞し、チームで壇上に上がった一同はこの日一番の笑顔で受賞を喜んでいた。


