映画『十二人の死にたい子どもたち』ジャパンプレミアが9日、都内にて行われ、12人の子どもたちを演じた豪華俳優陣と堤幸彦監督が登壇した。
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お笑い 重量級と軽量級、剛と柔、迫力と愛嬌。正反対の2人が贈る「文蔵・兼好 ぶんぶんけんけんの会」
パッと見強面、どすのきいた声で迫力満点に話す文蔵。かたや小さくてちょこまか動き、頭のてっぺんから出ているような甲高い声で軽く喋る兼好。そんな怖いキャラの文蔵と、明るいキャラの兼好だが、まくらの端々に“いい人感”がにじみでる文蔵に対し、兼好は笑顔で毒を吐く“悪キャラ”全開とその印象は逆。そんな“ぶんぶん”と“けんけん”が、先輩後輩の立場を忘れ、高座の上でがっぷり四つに組み、熟練の話術で会場を爆笑させる。ギャップ萌えの2人が見せる2019年幕開けの高座に期待!
1年の終わりと始まりに「自分」と「世界」を見つめてみる「EPSON teamLab Borderles」
MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderles
2018年6月21日にお台場にオープンし、わずか3カ月弱で来場者数50万人を突破した「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless(森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス)」。11月28日に行われた来場者100万人突破記念セレモニーではオーストラリアから来たNikky Parkerさん一家が記念すべき100万人目として何度も無料で入館できる「Borderlessパスポート(非売品)」を贈呈された。
日本全国からはもちろん海外からの観光客にも人気のスポットとなった同館。館内の作品はどれも、それぞれの世界を表現しているようでいて、実は作品それぞれの間には境界がない。ある時は作品が“部屋から出て”移動したり、他の作品とコミュニケーションして影響を受け合ったり。境界のないアートに全身を没入させて1万㎡の、複雑で立体的で変化し続ける世界に触れてみて。
「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る—感動と祝福の物語。
『さざなみのよる』【著者】木皿泉
累計36万部を突破、2014年の本屋大賞第2位のベストセラー『昨日のカレー、明日のパン』から5年。木皿泉の小説第2作が『さざなみのよる』だ。冒頭主人公の小国ナスミが、ガンのため病院のベッドで亡くなるところから話が始まる。
ナスミの死後、周りにいた近しい人、夫、姉、妹、叔母、元彼、友人、同僚らはナスミとの思い出を振り返りつつ、彼女が遺した言葉を拾い集める。死ぬことは怖い事かも知れない。しかし、死ぬよりも、死なれる事のほうがダメージが大きい。なぜならば、死んだ人間はある意味苦しみから開放され、何も分からないのだから。残された者は、淋しさ、悲しさ、喪失感などに包まれ、しばらくは愛する人の不在を受け入れられないかも知れない。
しかし、愛する人を看取って、そして自分が看取られて…というのは繰り返し行われ、誰しもが経験する事でもある。そんな時、それぞれの心の中に、その人が生きていたころの言葉がよみがえる。それによって人は救われ、癒され、生きる気力を再び持つことができる。しかし、ナスミの物語は、彼らの中だけで続いていくのではない。子どもから孫へ、そのずっと先まで、精神は受け継がれていくのだ。そういう意味では、ナスミが生きた証は、永遠に消えることはない。生と死を繰り返し紡いできた人類の歴史が愛おしく感じる作品だ。
【江戸瓦版的落語案内】三枚起請(さんまいきしょう)
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
新たな発見があるかも 長島 大三朗写真展「solitarational singularity ―孤独における特異点―」
最近注目されている写真家・長島 大三朗。彼の考案した造語「solitarational singularity」(孤独における特異点)をテーマとし、彼が自分自身との対話の中で発見した“特異点”を写し撮った40点に触れる写真展。
機材にトイカメラを採用するなども興味深い。長島 大三朗の日常を切り取る視点の見事さを改めて感じることができる写真展だ。
1986 新潟生まれ。
2012年、第60回ニッコール・フォトコンテストにおいて、
“GENZABURO my grandfather”が、モノクローム部門準特選に選出。
2013年 写真展 「重力との邂逅」中目黒 CAMARADA
2015年 写真展 「GENZABURO my grandfather」
ROONEE 247photography
1年の終わりと始まりに「自分」と「世界」を見つめてみる 川島秀明展「Youth」
2001年アーティストとしての制作活動を開始して以来、世代を代表するアーティストとして注目を集め、国内外でも評価されている川島秀明の個展。
活動初期より、一貫して自意識と向き合い、人の顔と、そこに現れる繊細で複雑な感情を描き続けてきた川島。その作品は常に静謐さをたたえているが、見る者は画面に広がる色のグラデーションの巧緻さや、描かれている人物の目や表情に強く引き込まれ、自分とのつながりを覚えてしまう。
今回、発表された新作では初めて画面に2人、3人と複数の人物が描かれ、さらに背景までも描かれている。これまで同様、自分を投影した人物であることに変わりはない、という川島。しかし画面に複数の人物が登場することで「従来のように鏡に映った虚像そのものを描くという感じから、その虚像を見ている自分を描くという、幾らか客観的な視点が混じっている気がします」と語っている。
本展のタイトル「Youth」に関して、川島は、自分が描いているものは、その当時(10代のころ)へのわだかまりではないかと思い当たった、と語る。若いころの自意識とナルシシズムをどこかに置いてきた大人たちも心を揺さぶられずにはいられない。
林家たい平のライフワークが今年も。年の瀬は名作「芝浜」で笑い泣き
林家たい平独演会「22年目の芝浜の会」
笑点で人気の林家たい平の独演会。オレンジの着物でおなじみのたい平は、小遊三と小競り合いをしたり、座布団運びの山田君をいじったり、会場を盛り上げるムードメーカーだ。その明るいキャラクターは、落語においても存分に発揮され、テンポが良く勢いがある落語が抜群に面白い。しかし、たい平も50代半ば。じっくりと聞かせる噺もまた味がある。「芝浜」は年末になるとあちらこちらの高座でかけられる定番の噺。その「芝浜」を22年、毎年工夫をこらし演じてきたたい平。年月を重ね、練り上げられた「芝浜」で、年の瀬を過ごしてみては。
事件の裏に潜む、過去の因縁。その女と関わった人間は、すべてを失う—。『本性』
4人の関係者、3つの遺体、2人の刑事、1人の女。40歳を過ぎても独身で実家暮らしの高校教師・梅田尚之。ある日お見合いパーティーで「サトウミサキ」と名乗る女に出会い交際をスタートさせる。尚之はデートのたびに高価な食事やプレゼントし、ついにプロポーズを承諾してもらう。しかし、ある日を境にミサキの態度がよそよそしくなり、婚約の解消を告げられたばかりか、ある物を突き付けられ強請られる事に。
その後もミサキは、正社員になれず就職活動をしながら、アルバイトで生計を立てている青年、事故で身寄りを失い孤独に暮らす老女、旦那が不審死をし、未亡人となった地方都市の女に、次々と近づいていく。そして、一見、何の接点もないこれらの人間に対し、狡猾な罠をしかけていく。一方、ある殺人事件について、2人の刑事が、目に見えないミサキの影を感じ取る。それは刑事の元に届いた15年前の名刺がきっかけだった。過去を探っている中で、ほんの些細な違和感が刑事の中で急速に膨らんでいく。
そして、彼女の痕跡を追っていくうちに、さまざまな疑惑が形を成し、一歩一歩その影に近づいていく。ミサキの行動の核心をつかみ、彼女の元へ向かう刑事。ミサキと対峙した時、刑事に彼女が告げた真実とは。想像を超える戦慄のラストが待ち受ける、
感じてみよう“美術のちから”『カタストロフと美術のちから展』
2003年の開館記念展では「幸福」をテーマにした「ハピネス」展を、10周年を迎えた2013年には「愛」に注目した「LOVE展」を開催してきた森美術館が、15周年を迎える記念展にとりあげたテーマは「カタストロフ(大惨事)」。負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかける。
本展ではベテラン作家から気鋭の若手まで、国内外を問わず40組の作品を展示。近年日本でも注目を集める、作品や活動を通して社会に変革をもたらすことを目指す「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」として、オノ・ヨーコや宮島達男による鑑賞者参加型の作品や、社会的メッセージが込められた美術作品の良作を紹介。また、東日本大震災を契機に制作されたChim↑Pom、トーマス・デマンド、池田学など約10作家の作品を紹介し、風化しつつある震災の記憶をよみがえらせ、議論の再燃を目指す。
マスメディアとは別の観点、手法によってカタストロフと向き合うことで、新たな可能性を切り開いてきた“美術のちから”に今一度、着目したい。
感じてみよう“美術のちから”「ブルーノ・ムナーリ — 役に立たない機械をつくった男」
20世紀イタリアを代表する美術家ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)の作品約300点がそろう、日本初の本格的な回顧展。絵画、彫刻、グラフィック・デザイン、インダストリアル・デザイン、絵本、著述、さらには子どものための造形教育にも力を注いだ、多岐にわたる彼の活動を9つのパートに分けて紹介。初期の絵画や代表的オブジェ《役に立たない機会》を展示するプロローグに始まり、うち7つのパートは、ムナーリが1985年に東京のこどもの城で行った、子供のためのワークショップにヒントを得て、テーマを設定している。エピローグでは、ムナーリが開発した遊具を実際に手に取って遊ぶことができるコーナーとなっている。
色彩と触覚だけで物語を想像する、文字の無い絵本《読めない本の試作》や、縞のある石に自転車を描き、白い縞を道に見立てた《みたての石》など、彼のアートはごくシンプルな発想から生まれ、大人も子供も誰もが親しみながら、想像力をかき立てられるものとなっている。
また会期中は国際的に活躍するイタリア人振付家・演出家のルカ・ヴェジェッティがムナーリに捧げるパフォーマンスなどイベントも実施。