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是枝裕和監督「タケシ!と声が」、坂元裕二「お腹壊した」“ぼやき”のカンヌ凱旋会見で報道陣大笑い

2023.05.29 Vol.web original

 

 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した映画『怪物』(6月2日公開)の是枝裕和監督が29日、フランス・カンヌから帰国。羽田にて迎えた脚本家・坂元裕二とともに凱旋会見を行った。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)や映画『花束みたいな恋をした』(2021年)などで知られる坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 コンペティション部門の公式上映後には9分半ものスタンディングオベーションで称えられ、坂元裕二の脚本賞と、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得。

一足先に帰国していた坂元は、帰国直後の是枝監督から脚本賞のトロフィーを受け取り「実感は正直ありません。今もまだ夢の中にいるよう」と語りつつ「30年近く前、カンヌ国際映画祭に観光で行ったことがありまして。いつかここで自分の作品を上映出来たらどんなに幸せだろうかと遠巻きにレッドカーペットを見ながら考えていました」と念願だったカンヌでの作品上映を振り返った。

 一方で、カンヌ滞在の思い出を聞かれると「3日間いたんですが、お腹を壊しまして3日のうち2日寝込んでいました。映画のスタッフさんがクッキーとウエハースを持ってきてくれて、そのウエハースがとてもおいしくてカンヌに来てよかったと思いました」と苦笑。さらに、今後の作品作りについて聞かれると「私はけっこうなベテランで、もうカスカスなんです。絞っても何も出ないような状態で、日々周りの方に助けられながら書いているんですが、これから何が書けるのか」、「インスピレーションももうない」とぼやいて、報道陣も大笑い。

 すると、レッドカーペット登場時にかかった音楽が、北野武監督作『菊次郎の夏』の久石譲によるテーマ曲だったことを聞かれた是枝監督も「事前に、何の曲をかけますかと聞かれたので今回の坂本龍一さんの『怪物』の音楽をお願いしますとお伝えしたんですが、かかったら久石譲だったんですよ。大好きなんですけど、せめて坂本さんの音楽にしてほしかった。でも授賞式で歩いていても“タケシ!”と声をかけられたので、もしかしたらどこかで何かが間違って伝わっていたのかも(笑)」と明かし、さらなる笑いをさそっていた。

 カンヌ国際映画祭での日本映画の脚本賞受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。

「目が見えないんですけど、よく映画を見に行くんです」全盲のヴァイオリニストが「光を見つけた」生きるヒント

2023.05.29 Vol.web original

「私は目が見えないんですけど、よく映画館に映画を見に行くんです。それでたまに、何を見るのか決めないで行って、ちょうど時間が合う映画を前情報無しに見るんですけど、これがとんでもなく面白かったりその逆だったりして、それがまた面白いんですよ」と笑いながら語る、ヴァイオリニストの穴澤雄介さん。

 心臓と目に障がいがある状態で生まれた穴澤さんは、これまでに3度の心臓手術を乗り越えたものの、盲学校高等部の音楽科でプロヴァイオリニストを目指していた時期に視力をほぼ失い、現在は全盲。そんな彼の半生や人生観に迫るドキュメンタリー映画『光をみつける・ヴァイオリニスト穴澤雄介からのメッセージ』が5月30日から公開となる。自ら「不幸のデパート」と苦笑する劇的な半生とは。次々と直面する絶望的状況の中で常に希望の光を見出してきた穴澤さんの“生きるヒント”とは。

役所広司 カンヌで日本人2人目の男優賞「やっと柳楽優弥くんに追いついた」

2023.05.28 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭で授賞式が27日(日本時間28日未明)、フランス・カンヌにて行われ、俳優・役所広司が主演作『PERFECT DAYS(原題)』で男優賞を受賞。『誰も知らない』(是枝裕和監督・2004年)の柳楽優弥に次いで2人目の受賞となる快挙に、役所が喜びを語った。

 同作はドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、役所広司を主演に迎え、日本・渋谷の公共トイレ清掃員の日常を描く長編映画。

 授賞スピーチで役所は「僕は賞が大好きです。でもこんな華々しい映画祭でスピーチするのは好きじゃない(笑)」と会場の笑いをさそいつつ、映画祭の審査員や観客、そしてヴェンダース監督や映画製作陣に感謝。「まだ日本にたくさんいる、この作品に参加したスタッフキャストと、心配ばかりかけている事務所のスタッフ、妻に感謝したいと思ってます」と笑顔で語った。

 授賞式後、日本メディアの囲み取材に応じた役所。第50回カンヌ国際映画祭で主演作『うなぎ』がパルム・ドールを受賞したときを振り返り「『うなぎ』のときは、まさかパルム・ドールを取ると思わず。(今村昌平)監督の代わりにもらったんですけど、欧米の方たちはプレゼンターとハグやキスをして受け取っていたんですけど、間際まで僕はどうしたらいいのかと迷っていました。僕もするべきかなと思ったんですけど、日本人らしくお辞儀をして(笑)」と笑いつつ「今回は、監督もそばにいましたし、みんなで受け取った賞だと感じられました」と喜びの笑顔。

 受賞スピーチで「賞が好き」と言い笑いをさそっていたことに触れられると、役所は「この前の女性の方が、男の人って本当に賞が好きねと言っていたのでウケるかなと思って言ったんですけど、半分くらい滑ってましたね(笑)」と苦笑。

 日本人では、2004年の第57回カンヌ国際映画祭で史上最年少受賞を果たした柳楽優弥に次いで2人目となる男優賞の受賞。役所は「やっと柳楽くんに追いついたかな、と(笑)。柳楽くんも本当に素晴らしい俳優になったし。皆さん、言いますけど、この賞に恥じないように生きないとなと改めて思います」と語り、今後も「日本人を演じられるなら、いろんな国の映画で、自分の表現が役に立つ作品があれば参加したい」と海外作品への意欲をにじませつつ「基本的には自分たちの国の映画で世界の人たちに楽しんでもらえたら」と日本映画への思い入れを改めて語っていた。

 今年の映画祭では他にも、是枝裕和監督の『怪物』が脚本賞(坂元裕二)と独立賞のクィア・パルム賞を受賞している。

カンヌ国際映画祭 坂元裕二が是枝裕和監督作『怪物』で脚本賞を受賞

2023.05.28 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭で授賞式が27日(日本時間28日未明)、フランス・カンヌにて行われ、是枝裕和監督作『怪物』が脚本賞(坂元裕二)を受賞。是枝監督が檀上で喜びのスピーチをした。

『怪物』は大きな湖のある郊外の町を舞台に、2人の少年が周囲の大人や社会に波紋を投げかけていく物語。ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)や映画『花束みたいな恋をした』(2021年)などで知られる坂元裕二が脚本を、今年3月に亡くなった坂本龍一が音楽を手掛けている。

 授賞式の檀上に上がった是枝監督は「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します」と笑顔を見せつつ「僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、“世界は、生まれ変われるか”という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました」と作品への思いを語った。

 また、現地メディアの中継で是枝監督は、受賞後すぐに坂元に報告したところ「夢かと思った。たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びを寄せたことを伝えた。

 カンヌ国際映画祭での日本映画の脚本賞受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。

 他にも日本映画では、役所広司がヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS(原題)』で『誰も知らない』(是枝裕和監督・2004年)の柳楽優弥に次いで2人目の受賞となる男優賞を受賞している。

 映画 『怪物』 (配給:東宝、ギャガ)は6月2日より公開。

神木隆之介「事務所を使って」追う? 桜田通が白旗「一生逃げられないと思った」

2023.05.27 Vol.web original

 

 映画『大名倒産』の完成披露試写会が27日、都内にて行われ、主演・神⽊隆之介、共演の杉咲花、松⼭ケンイチらキャストと前⽥哲監督が登壇。神木の“巻き込み力”に桜田通が脱帽した。

 浅⽥次郎による同名時代⼩説を実写映画化。徳川家康の⾎を引くプリンス、そしてその仲間たちが藩の借⾦100億円を返すために奮闘する姿を描く。

 突然、莫大な借金を抱えた藩の藩主となった小四郎を演じた神木は“巻き込まれ系の主人公”という役どころに「巻き込まれ系だと思っていたんですけど、(杉咲)花さまと取材をしていて、確実に花さまは僕に巻き込まれているなというリアクションをするので、どちらかというと巻き込み系プリン…自分でプリンスとか言っちゃうところだった(笑)、巻き込み系男子みたいです」。

 共演陣も神木の“巻き込み力”に太鼓判。浅野忠信が「常にリーダーシップをとってくれて僕はもう巻き込まれっぱなし」と言えば、杉咲も常に周囲に気を配る神木を「そんな殿が真ん中にいる現場は楽しかったし勉強になることが多かったです」とたたえつつ、何かとイジろうとしてくる神木に「こんな感じで心地よく巻き込まれていました(笑)」。

 さらに桜田通は「神木隆之介くんは本当に巻き込みプリンスなんです」と切り出し「京都で撮影していたんですけど、神木くんは僕を1日でも長く滞在させようとするんです。僕はそれをなんとか逃げ切っていました。他のお仕事もありますし自宅が好きなので。事務所とかいろんなところを使って来させようとして。それでも逃げてたんです。で、京都に入る1~2日前に外で仕事をしていたら神木隆之介が歩いてきたんです! で、すべての撮影が終わって、仕事をしていたらまた神木隆之介がいたんですよ」と本作の撮影前後に別の場所でも遭遇するという偶然に驚がくの表情。「もう一生逃げられないな、この人から…と思いました」という桜田に、神木も「逃がさないよ(笑)」と悪ノリし会場は大きな笑いに包まれていた。

 この日の登壇者は神⽊隆之介、杉咲花、松⼭ケンイチ、⼩⼿伸也、桜⽥通、浅野忠信、佐藤浩市、前⽥哲監督。

『大名倒産』は6⽉23日より公開。

 

松山ケンイチ 舞台挨拶中の謎行動に観客ざわつく「あのカメラから絶対に目をそらさない」

2023.05.27 Vol.web original

 

 映画『大名倒産』の完成披露試写会が27日、都内にて行われ、主演・神⽊隆之介、共演の杉咲花、松⼭ケンイチらキャストと前⽥哲監督が登壇。チャレンジしたいことを聞かれた松山が、密かに舞台挨拶中にチャレンジしていた行動を明かし会場を沸かせた。

 浅⽥次郎による同名時代⼩説を実写映画化。徳川家康の⾎を引くプリンス、そしてその仲間たちが藩の借⾦100億円を返すために奮闘する姿を描く。

 突然、莫大な借金を抱えた藩の藩主となった小四郎を演じた神木。共演陣は、巻き込まれ系の役どころとはうらはらに周囲を巻き込んでいく神木のリーダーシップに感服しきり。

 父役の佐藤浩市は、5⽉19⽇に30歳を迎えた神木に「30? とはいえ芸歴も長いし、座長としての風格がありましたよ」と太鼓判を押し、神木も「幸せでございます」と満面の笑み。

 30歳を迎えて挑戦したいことはと聞かれた神木は「何にしたらいいですかね?」と共演者たちに参考例をもとめたが、松山が「実は今、やってるんですけど。出て来てお辞儀してから(会場後方の)テレビカメラのレンズをずっと見るというチャレンジをしてるんです」と明かし「お客さんの顔も見れないしキャストの顔も見れないし後悔してるんです。でもここまでやったから最後まで行きたいなと」と一点を見つめたまま話続ける松山に、観客も苦笑。

 その後も松山は、大先輩の佐藤浩市から「おい、こっち見ろよ!」とイジラれタジタジとなりつつも目線を外ず、神木には「30代になると今まで見えてこなかったところで挑戦しようというものが出てくると思うので」とアドバイス。最後は神木に手を引かれながら正面を見据えたまま会場を笑わせ、降壇していった。

 この日の登壇者は神⽊隆之介、杉咲花、松⼭ケンイチ、⼩⼿伸也、桜⽥通、浅野忠信、佐藤浩市、前⽥哲監督。

『大名倒産』は6⽉23日より公開。

役所広司と巨匠ヴィム・ヴェンダースの初タッグ作にカンヌで約10分のスタンディングオベーション

2023.05.26 Vol.web original

 俳優・役所広司が、現在フランスにて開催中のカンヌ国際映画祭にヴィム・ヴェンダース監督や共演者とともに参加。コンペティション部門出品の主演作『PERFECT DAYS(原題)』への絶賛に感激した。

 同作はドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、役所広司を主演に迎え、日本・渋谷の公共トイレ清掃員の日常を描く長編映画。

 現地時間5月25日のレッドカーペットには、ヴェンダース監督と役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯が登場。レッドカーペット前の取材で、役所について聞かれた監督は「警官としても侍としても素晴らしい、なんという役者なんだと思っていた。役所さんと仕事するのは夢のようでした」とたたえ、一方の役所も「常に楽しそうにしていたので、その姿勢がキャストを励まし、大きな演出になっていた」と監督との撮影を振り返った。

 その後に実施された公式上映終了後には、約10分にわたるスタンディングオベーションが起こり、一同も大いに感激。

 役所は「みなさんほめるの上手ですよね(笑)」と照れつつも「監督が言ってたんですけど、ほめられても自分がうまいと思わないで、けなされても自分がダメだと思わないで、映画で語りなさい。と。まさにそうだなと。でも今日みたいな温かい拍手を受けて、ああお客さんが喜んでくれてるんだ。良かったな。と単純に思いました」と笑顔を見せていた。

 第76回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門の最高賞は現地時間27日のが授賞式にて発表される。

国際短編映画祭「SSFF & ASIA 2023」米国アカデミー賞公認5部門審査員に萩原聖人やMEGUMI

2023.05.26 Vol.web original

 

 国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2023」の各部門審査員が発表。各部門の優秀賞が翌年のアカデミー賞短編部門へのノミネート候補となるコンペティションの審査員に、俳優の坂井真紀や萩原聖人、映画監督の松永大司といった顔ぶれがそろった。

 今年で25周年を迎える、アジア最⼤級の国際短編映画祭。米国アカデミー賞公認国際映画祭に認定されており、現在は5部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパンのライブアクション部門、ノンフィクション部門、アニメーション部門)の優秀賞受賞作を翌年のアカデミー賞ノミネートに推薦できる。

 今年も豪華映画人が審査員に決定。ライブアクション部門のインターナショナルカテゴリー審査員に俳優の坂井真紀、萩原聖人、映画監督・脚本家の横浜聡子。同アジア インターナショナルカテゴリーおよびノンフィクション部門審査員に映画プロデューサーのアダム・トレル、映画監督の松永大司、女優のMEGUMI。同ジャパンカテゴリーおよびスマートフォン映画作品部門の審査員をエッセイストの内田也哉子、グローバル・コネクツ・メディア社長兼CEOダグラス・モントゴメリー、映画監督の山戸結希が務める。

 ジャパンカテゴリーには⾼良健吾、⽟⽊宏、⼟屋太鳳、中川⼤志、野村萬斎が監督を手がけたショートフィルムも出品されており、受賞の行方が気になるところ。

『SSFF & ASIA 2023』は6月6日から~26日まで都内各会場にて開催。オンライン会場は7月10日まで開催中。

 

ライブアクション部門インターナショナルカテゴリー審査員:坂井真紀、萩原聖人、横浜聡子

 

ライブアクション部門インターナショナルカテゴリー審査員:アダム・トレル、松永大司(写真 ©祭貴義道)、MEGUMI

 

ライブアクション部門インターナショナルカテゴリー審査員:内田也哉子(写真:斎藤浩/講談社)、ダグラス・モントゴメリー、山戸結希

生田斗真「今まで出会った女優さんの中で一番」門脇麦の「すがすがしさ」に感服

2023.05.24 Vol.web original

 

 映画『渇水』公開前イベントが24日、都内にて行われ、俳優の生田斗真、門脇麦と髙橋正弥監督、白石和彌(企画プロデュース)が登壇。生田が共演した門脇の存在感を振り返った。

 河林満による同名小説の映画化。県内全域で給水制限が発令される中、水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員と、2人きりで家に取り残されていた姉妹との出会いから起こるドラマを描く。

 冒頭、生田は「撮影中、ずっと雨でした」と、映画とは真逆の天気が続いたと振り返りつつ「雨男キャラで行こうと思ったんですけど今日こんなに晴れて、キャラ崩壊してしまいました(笑)」と苦笑。

 主人公・岩切俊作を演じた生田は「どうして人の家の水をとめなきゃいけないのかとか、何も痛みを感じないように無理をしている、そういう男の悲しい目というか、独特のオーラがにじめば」と語りつつ「庭でタバコを吸うシーンで(何回も撮り直して)何本もタバコを吸って肺がぶっ壊れそうになりました」「アイスを食べるシーンで、アイスの当りが出るまで何本も食べて頭が痛くなりました」と、笑いながら苦労話を振り返った。

 岩切に水を停められる幼い姉妹の母親・有希を演じた門脇は「ネグレクトをしているという難しい役どころだったので、とにかく実在感があるように、と。もう一つ、0.1秒でも、娘たちを見るまなざしに悲しみがあればと思いました」とそれぞれ難役を振り返った。

 さらに門脇が、岩切と有希が対峙するクライマックスの重厚なシーンが何度も雨で中止になったと明かし「正直、撮れるとなったときは、すがすがしい気持ちでした(笑)」と言うと、生田が「麦ちゃんはね、僕が今まで出会った女優さんの中で一番、帰るのが早いんですよ。気づいたらメイクを落として私服になっていて。お疲れ様でした!ってブワーって走って帰っていくんですよ。なんでって聞いたら、一秒でも早く帰りたいんですとおっしゃっていました(笑)」と暴露。

 早く帰るコツを聞かれた門脇は「段取りをちゃんとつけることですかね。例えば駐車場が遠かったらマネジャーさんに近くまで車を持ってきてもらったり。走りながら脱げるものは脱いでいくというのが一番大きなコツです」と胸を張り、生田も「すがすがしいです」と感服。

 そんな門脇との共演に、生田は「麦ちゃんの登場シーン。そこにたたずむ門脇麦のなとも言えない説得力というか…本物がいる!という気がして」と感服しつつ「まさかその数時間後に走って帰る人とは思わないほどの、なまめかしいきれいさがありましたね(笑)」とたたえ、門脇を苦笑させていた。

『渇水』は6月2日より公開。

安藤サクラ 2度目のカンヌを「しっかり味わう」現地拍手が大きいのは『万引き家族』より「今回?」

2023.05.18 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭 「コンペティション部門」に正式出品した映画『怪物』の是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、出演者の安藤サクラや永山瑛太らが日本時間18日、現地でのレッドカーペットや公式上映に出席。上映後、日本の報道陣の取材に応え感激を語った。

 公式上映後、9分にもわたるスタンディングオベーションを受けた『怪物』チーム。安藤が「地響きのような拍手で圧倒されました」と言えば、是枝監督も「トップバッターだったんで責任重大だなと思いながら現場にいましたが、上映後の見てくれた方達の顔がとても輝いていたので良かったなって思いました」と手ごたえを語った。

『万引き家族』以来のカンヌ参加に、安藤は「私自身が二度目ということで、前回の初めての興奮じゃない状態でしっかりと味わおうという気持ちで、前回はあっという間に終わってしまったのですが、今回は「これがカンヌか」というのを噛み締めながら過ごしてます」と語り、最高賞パルム・ドールを獲得した『万引き家族』とどちらが拍手が大きかったかと聞かれると「今回? それは私の感じ方?」と現地での高評価をしっかりと感じている様子。

 公式上映後、音楽を手がけた坂本龍一への追悼文が流れると、会場からも万雷の拍手。是枝監督は夜の湖のシーンで「ロケハンに行ったとき、ここに坂本龍一さんのピアノが入ると確信しました。ご体調のことはありましたが、一回自分の好きな坂本さんの曲を仮当てし、それをお手紙と共に送って見てもらいました。お返事が来て、映画全体を引き受ける体力はないのだけど、1、2曲閃いたから書いてみます、気に入ったら使ってくださいと返事のお手紙をもらいました」と明かし「(坂本が本作を)見た直後に、音楽室のシーンがすごく好きだと言ってもらい、あのホルンとトロンボーンの音を邪魔しない音楽を作ろうと思ったという意見をもらいました」と振り返っていた。

 コンペティション部門の最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞はフランス時間の5月27日の授賞式で発表される。

『怪物』は6月2日から公開。

カンヌで坂本龍一を追悼 映画『怪物』是枝裕和監督や安藤サクラに9分のスタオベ

2023.05.18 Vol.web original

 第76回カンヌ国際映画祭 「コンペティション部門」に正式出品した映画『怪物』の是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、出演者の安藤サクラや永山瑛太らが日本時間18日、現地でのレッドカーペットや公式上映に出席。スタンディングオベーションを巻き起こした。

 レッドカーペットで熱烈な歓迎を受け是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太の6名。その後、是枝監督や安藤らは公式上映にも出席。上映終了後、エンドロールが始まると盛大な拍手が鳴り響き、最後に、本作の音楽を手がけた坂本龍一への追悼文が流れると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれ9分にもわたるスタンディングオベーションが巻き起こった。

 今年のレッドカーペットには、ペドロ・アルモドバル監督やイーサン・ホーク、ロマン・デュリス、ヴィオラ・デイヴィス、ジェンマ・チャン、世界的人気K-POPグループBLACKPINKのロゼら豪華な顔ぶれが登場。その中でも熱烈な歓迎を受けた『怪物』チーム。是枝監督はアルマーニ、永山はグッチのタキシード、安藤はシャネルの白いドレスに身を包み、大きな注目を集めながら報道陣や現地ファンの声に応えていた。

 コンペティション部門の最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞はフランス時間の5月27日の授賞式で発表される。

『怪物』は6月2日から公開。

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