SearchSearch

『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』試写会に10組20名

2016.10.24 Vol.677

“イギリスのシンドラー”と呼ばれ、ノーベル平和賞候補にもたびたび名を挙げられた愛と勇気の人ニコラス・ウィントンの驚くべき活動の足跡と、彼に救われた人々の人生をたどり、命の大切さを世界に伝える感動のドキュメンタリー。

 第2次大戦開戦前夜のヨーロッパでは、ナチス・ドイツの迫害を受け多くのユダヤ人が難民となるなか、その子供たちを安全な国に疎開させる活動〈キンダートランスポート〉が行われていた。ニコラス・ウィントンは、公的支援を受けずにチェコスロヴァキアでその活動を行い、669人の子どもたちを救っていたが、彼はそのことを家族にさえ一切、語らずにいた。それから50年。ある場所から発見された一冊のスクラップブックが、彼の偉業を明らかにしたことで、ニコラスと彼に救われた人々が奇跡の再会を果たすことになる。しかし、本当の奇跡は、ここからが始まりだった…!

 今も世界中で広がり続ける“恩送り”の記録。ニコラスからの善意のバトンを、本作を通して受け取って。

 11月26日、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国順次公開。

【読プレ】高梨臨×斎藤工が描く、農業と夢と青春

2016.10.24 Vol.677

 高梨臨や斎藤工が出演する映画『種まく旅人?夢のつぎ木?』(佐々部清監督)がいよいよ公開。日本の第一次産業を描いてきた『種まく旅人』シリーズの最新作で、岡山県赤磐市の桃農家を舞台に兄の遺志を受けつぎ新しい桃「赤磐の夢」の新種登録を目指す女性と周辺の人々との絆を丁寧に描く。女優になる夢をあきらめて地元に戻ってきたヒロイン・彩音を高橋臨、日本の農業政策を変えるという夢を持ちながらもその理想を見失いかけているエリート官僚を斎藤工が熱演する。公開を記念し、同作品の鑑賞券を5組10名様にプレゼント(係名:「種まく旅人」)。

『種まく旅人?夢のつぎ木?』11月5日 有楽町スバル座ほか全国ロードショー!【配給】アークエンタテインメント【公式HP】 www.tanemaku.jp

THL編集部オススメMOVIE『スター・トレック BEYOND』

2016.10.23 Vol.677

 未知の星に不時着した宇宙船救出ミッションに出発したエンタープライズ号。しかし到着直前、無数の飛行物体によって急襲を受けエンタープライズ号の仲間たちは散り散りになってしまう。たった一人見知らぬ土地に投げ出されたカーク船長を待ち受けるのは…?

監督:ジャスティン・リン 出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント他/2時間3分/東和ピクチャーズ配給/TOHOシネマズスカラ座他にて公開中  http://startrek-movie.jp/

巨匠スコセッシ「日本の“家族”を集めた」遠藤周作の名作を映画化『沈黙〜サイレンス〜』

2016.10.23 Vol.677

 日本でも映画ファンから絶大な支持を得るマーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作の小説を映画化。19日、都内にて記者会見を行い、その一部映像を全世界に先駆けて披露した。

 最新作『沈黙〜サイレンス〜』は、キリスト教が弾圧されていた江戸時代を舞台に、日本にやってきたポルトガル人宣教師が迫害に苦悩しながらも、信仰とは何かを求道する姿を描く。

 約15分間、4つのシーンのフッテージ映像を披露した後、万雷の拍手で迎えられたスコセッシ監督と、隠れキリシタン・キチジロー役の窪塚洋介、通辞役・浅野忠信の3人。

 監督が原作と出会ったのは1988年のこと。「黒澤明監督の『夢』に出演したのですが、ちょうど日本で撮影を行っていたときに本を読み終わりまして、映画化したいと思いましたがどうアプローチすべきか分からず、数年後に脚本を書きはじめ、2006年に書き終わりました。しかしその後、権利関係が複雑になったりして、なかなか撮影にこぎつけられなかった」と振り返った監督。「私自身がカトリックの家に育ったことも映画化したいというモチベーションの一つだったが、異なる文化の衝突というテーマに引かれた。とにかくこの作品については語り尽くせない。まずは早く皆さんに作品を見てもらわないと(笑)」と笑顔を見せた。

 オーディションを経て、それぞれの役を勝ち取ったという2人。窪塚は「役が決まったときはドッキリかと思った」、浅野も「オーディションでは本当に撮影しているかのように楽しかった」と、スコセッシ監督との仕事を終え感激の面持ち。監督も「オーディション用の映像で、窪塚さんがキチジローを力強く、正直に演じているのを見てこの人しかいないと思った。浅野さんは『アカルイミライ』や『殺し屋1』を見ていたので通辞の役にぴったりだと思った」と2人の役者を絶賛。また同作には、映画監督でもある塚本晋也やイッセー尾形らも出演しており「14歳で溝口健二の『雨月物語』をテレビで見て以来、黒澤作品はもちろん、多くの日本映画を見てきた私にとって彼らは家族のような、なじみの顔だった」と日本の俳優陣にも大満足。

 前日には第28回世界文化賞の映像・演劇部門を受賞。日本映画もまたイタリアやアメリカ映画とともに、映画監督としての基礎を作ってくれたと語る世界的巨匠が、また一つ、日本との絆を結んだ。

『沈黙〜サイレンス〜』は2017年年1月21日公開。

迷走中の移転問題はさておき…築地の本当の姿を描いた映画が公開中

2016.10.22 Vol.677

 本来なら11月7日に築地市場から豊洲市場への移転が行われるはずだった。しかし小池百合子東京都知事が就任後いろいろ調べてみると、豊洲市場の主要な建物の地下に汚染対策としてされるはずだった盛り土がなされていなかったり、それゆえに生まれた地下スペースにどこからのものか分からない水がたまっていたり、地下空間の大気から国が示す指針値の最大7倍の水銀が検出されたりと、築地市場の移転問題は思わぬ方向へと進んでいる。

 そんななか「築地の真の姿を描いた」と言っても過言ではない映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』の全国ロードショーが10月15日から始まった。

 この映画は報道規制の厳しい築地市場で1年4カ月に渡ってカメラを回し、長期密着取材を敢行。鮨職人ら料理人に食材を仲介する「仲卸」と呼ばれる人々を中心とした築地で働くプロフェッショナルたち、料理人、文化人、評論家といった食に関わる人々へのインタビューを軸に我々の知らない、見たことのない築地の深部に迫っていく。映画では日本の食文化の豊かさを再確認し、そこに果たしてきた築地の役割を描いている。
 タイミング的には消えゆく築地をこの目に焼き付け、日本の食文化を支えてきた築地の人々たちの仕事に敬意を表し、そして豊洲という地で新しい食文化を紡ぎ出すための一歩を踏み出すつもりだったのだが、この映画を見ると「もうちょっと築地のままでいいんじゃない?」なんて気にもなってくる。

 いや、別に移転反対派とかそういうのではなく、映画を見るとただひたすらに築地という地とそこで働く人々に愛しさを感じてしまうから。
 そんなわけで、取りあえず移転問題については遠くから眺めておくとして、「実は築地に行ったことがない」なんて人は映画を見る前でも後でもいいから築地に行ってみるといい。

 多分、その後で食べる寿司の味はそれまでとはちょっと変わっているはずだから。

戦慄の“カエル男”の正体は…妻夫木聡!

2016.10.14 Vol.676

 映画『ミュージアム』のジャパンプレミアが13日、都内にて行われ、主演の小栗旬をはじめ、尾野真千子、野村周平ら出演俳優と大友啓史監督が登壇した。

 同作はカエルのマスクをかぶった連続殺人犯、通称“カエル男”と、それを追う刑事との攻防を描く、人気漫画を原作としたサスペンス。この日まで、カエル男役の俳優が誰かは明かされておらず、ネットなどで話題となっていた。

 雨が降る演出で不気味な雰囲気が会場を包むと何人ものカエル男たちのなかから、本物のカエル男として登場したのは妻夫木聡! 1200人の観客からは一斉に驚愕の声が上がり、その反応に妻夫木もニヤリ。その直前に、野村が登場した際に黄色い声が盛大に飛び交ったためか「野村周平のときより歓声が小さかったらどうしようと思った」と会場の笑いをさそった。

 イベントでは、劇中の設定にちなみ「最近、起きた“有罪”にしたいこと」のテーマでトーク。小栗が「雨が降っているシーンで監督から絶対に目を開けているよう言われたが、雨が降りすぎて息もできず溺れるかと思った」と明かすと、妻夫木も「監督に、部屋の中でトレーニングしているシーンを撮ると言われてジムに通って体を鍛えたのに、そんなシーンの撮影は無かった」とこぼし、さらに野村も「宙づりになるシーンで、11階ほどの高さの場所でお昼休憩以外の時間、吊るされっぱなしだった」と、次々と監督を“告発”。これには大友監督も「僕が有罪でいいです(笑)」と苦笑い。

 映画は11月12日より全国公開。

THL編集部オススメMOVIE『TSUKIJI WONDERLAND』

2016.10.14 Vol.676

 今年11月に豊洲への移転を予定している東京都中央卸売市場築地市場に初めて1年以上に渡りカメラが入り、一般の人が足を踏み入れることのできない築地の深部まで迫ったドキュメンタリー。知られざる築地の魅力を余すところなく伝える。

監督:遠藤尚太郎/1時間50分/松竹メディア事業部配給/東劇にて先行上映中 10月15日より全国公開  http://tsukiji-wonderland.jp/

THL編集部オススメMOVIE『少女』

2016.10.12 Vol.676

 読書好きで内向的な女子高生・由紀は親友の敦子がいじめられていても助けることができずにいた。苦しみを由紀に訴えた敦子だが由紀の中の闇を目撃してしまう。そんなとき転入生の紫織にある誘いを受け…。

監督:三島有紀子 出演:本田翼、山本美月他/1時間59分/東映配給/丸の内TOEI他にて公開中  www.shoujo.jp

THL編集部オススメMOVIE『グッドモーニングショー』

2016.10.11 Vol.676

 朝のワイドショーのメインキャスター澄田真吾。かつては報道番組のエースキャスターだったがある災害現場でのリポートがもとで降板。そのトラウマから現場リポートができなくなっていた。ある日、都内で人質立てこもり事件が発生し…。

監督:君塚良一 出演:中井貴一、長澤まさみ、志田未来他/1時間44分/東宝配給/全国東宝系他にて公開中  http://www.good-morning-show.com/

【第29回東京国際映画祭】コンペや特別作品だけじゃない! TIFFをもっと楽しむ4つのスタイル

2016.10.11 Vol.676

“過去”と“未来”を知る

 コンペ以外でレアな作品を探すなら、日本未公開となる世界各国の作品に注目するワールド・フォーカス部門や、アジアの優れた作品をさまざまな切り口で紹介するCROSSCUT ASIA部門がオススメ。どちらも一般公開未定の秀作が数多くセレクトされており、この機会に鑑賞しておきたいものばかり。また日本映画クラシックスや、UCLA映画テレビアーカイブ復元映画コレクションでは日ごろなかなか見る機会のないクラシック作品を満喫できる。日本で一般公開されるか分からない新作も、歴史的な名作もこの機会にお見逃しなく!

【第29回東京国際映画祭】監督・行定勲が語る「映画祭から生まれるもの」

2016.10.11 Vol.676

 国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 アジア・オムニバス映画製作シリーズ企画〈アジア三面鏡2016:リフレクションズ〉が始動。その第1弾で製作された3作品のうちの1本『鳩 Pigeon』を手掛けたのがアジアでも人気の高い行定勲監督。まさにTIFFが生んだアジアの一本というべき本作の誕生秘話を語ってもらった。

Copyrighted Image