ヒュー・ジャックマン インタビュー 最新作で親子の絆

2011.12.12 Vol.534

燃えて、泣けて、元気になる"日本応援"ムービー!?『リアル・スティール』


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©KaoriSuzuki



大好きな日本への応援を込めてこの映画を贈ります!


『リアル・スティール』の舞台は、人間によるボクシングがすたれ、ロボット同士を戦わせる格闘技がメジャーとなった近未来。一見SFアクションと思われがちだが、核となるのは、あるロボットとの出会いを通して絆を取り戻していく父子の物語だ。「もともと脚本の中にもその2つの要素がしっかり描かれていたんだけど、父子の関係を描いたヒューマンなストーリーの部分が本当に素晴らしかったんだ」と、主人公・チャーリーを演じたヒュー・ジャックマン。


「実は息子と一緒にこの脚本を読んだんだけど、息子は普通の本のように脚本を気に入ってしまって10夜連続で読み聞かせをさせられたよ(笑)。それほど魅力的な脚本だったことに加え、レヴィ監督がその面白さをスクリーンで表現しきったことも大きいと思う。まあ、ウチの息子が気にいったのはロボットファイトの部分なんだろうけどね(笑)。ただ彼が最も共感したのは、マックスとATOMの関係性なんだ」


 他人同然だったチャーリーとマックスに父子の絆を芽生えさせたのは、マックスが見つけた旧式ロボット・ATOMだった。ATOMの素質に気付いたマックスはチャーリーを巻き込み大舞台に挑む。共通の目的に向かって親子の気持ちは1つになっていく。共通の趣味は大事だね、とヒュー。


「ウチは最近はスポーツで盛り上がるよ。僕はスポーツ大好き人間なんだけど、テレビで試合を見る時に半ば無理やり息子を付き合わせていたら、最近少しサッカーに興味を持ったみたいだ(笑)。あとはモンティ・パイソン。今朝も"フィッシュスラッピングダンス(生の魚で顔を叩きあうコント)"を一緒に見てから家を出てきたよ(笑)」


"ダメ親父"チャーリーが観客の心をつかむのは、ヒュー自身が素敵なお父さんだからなのかも。


「本作には、子供たちに伝えたいメッセージがたくさん詰まってるんだ。自分を信じて努力すればきっとよい結果を生むことができるんだということ、人間が力を合わせればできないことなんてないってこと。なによりATOMの存在だ。彼はピカピカのロボットではないけれど、その分"ハート"がある。大事なのは中身だってことを彼が教えてくれるんだ」


 実は本作に登場するロボットのうち、4体は実際に実物大で制作されている。


「初めてロボットを生で見た時、(マックス役の)ダコタと一緒だったんだけど、僕も子供に返ったように興奮したよ。実は、実物大のロボットを作ろうと提案したのはスピルバーグなんだ。完全にCGだけでも同じように良い映画になったと思うけれど、役者にとっては実際のものがあるほうが断然やりやすい。実際のロボットに向かって演技するのは、グリーンバックで棒の先につけたテニスボール(目線の目印としてよく使われる)をロボットだと思い込んで演技するのとは大違いだからね(笑)。とくにダコタはまだ当時10歳だったし、実物があったことはすごく良かったと思うよ」


 ロボットが欲しくならなかった?


「一応聞いてみたけど、もらえなかった(笑)。もし続編があったときにはぜひ1体欲しいね。玄関先に飾って、来る人を驚かせるんだ(笑)」


 そしてやはり気になるのがX-メンシリーズ最新作『ウルヴァリン』。


「現在は、順調に企画が進んでいるよ。来年の夏に、日本で撮影を行う予定になっていると思う。僕は日本が本当に好きだから、日本で映画を撮ることを今からすごく楽しみだよ。今回映画化される日本を舞台にしたエピソードは、原作の中でもカルト的人気を誇っているんだ。このエピソードでは侍の精神、日本的な心といったものが重要なテーマの1つになっているから、そういうこともしっかり描かれるんじゃないかな。僕はそういう日本のカルチャーも好きだし、もちろん日本の人々も大好きで、今年は特に震災があったからね、早く日本に行って、撮影を通して自分も何か応援できたらと考えてるんだ」


 思えば『リアル・スティール』は日本へのエールが詰まった映画といえる。


「まさに、そういう願いを込めて作った映画なんだ。希望と勇気、ポジティブなものをいっぱい込めてね。二度目のチャンス、再起が本作の重要なテーマの1つ。そんな意味でも、日本の観客の心に響く映画になっているんじゃないかと思うし、少しでも元気づけることができたら本当にうれしいよ」


 ところどころに日本のロボットアニメへのオマージュが見て取れるのも楽しいし、何より再起をかけて立ち上がるチャーリーの姿が、勇気を与えてくれる。今一番の応援ムービーなのかも。


(本紙・秋吉布由子)







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『リアル・スティール』


監督:ショーン・レヴィ 出演:ヒュー・ジャックマン、エヴァンジェリン・リリー、ダコタ・ゴヨ他/2時間7分/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給/丸の内ピカデリー他にて公開中 http://disney-studio.jp/movies/realsteel/
©DreamWorks II Distribution Co. LLC All Rights Reserved.



『リアル・スティール』

2011.12.05 Vol.533


鋼鉄のロボットに託された、親子の絆



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©DreamWorks II Distribution Co. LLC All Rights Reserved.




 人間によるボクシングがすたれ、ロボット同士を戦わせる格闘技が世界を熱狂させている近未来を舞台に、試合を通して絆を取り戻していく父と息子の姿を描く、この冬イチオシの感動大作。スティーブン・スピルバーグとロバート・ゼメキスという巨匠2人の製作のもと、『ナイトミュージアム』シリーズを大ヒットさせたショーン・レヴィ監督がメガホンをとった。かつては才能あふれるボクサーだったが今では落ちぶれたロボット格闘技のプロモーターとして暮らすチャーリー役に『X-メン』シリーズのヒュー・ジャックマン。息子・マックス役を演じた新星ダコタ・ゴヨは、本作の熱演で天才子役として一躍注目を集めている。2人を見守る女性・ベイリー役にドラマ「LOST」シリーズのエヴァンジェリン・リリー。CGと実写で登場するロボットのリアルな迫力に、一見SFアクションかと思われがちだが核となるのは親子の成長物語。スクラップ同然のロボットで試合に勝ち進んでいくうちに、絆を深めていく親子の姿が感動的。日本のロボットアニメへのオマージュが見て取れるのも楽しい一本だ。




STORY:ロボット格闘技のプロモーター・チャーリーのもとに、元妻が育てていた11歳の息子・マックスが現れた。打ち解け合えない2人だったが、旧式のロボットを拾ったマックスが試合に出ると言いだし...。



監督:ショーン・レヴィ 出演:ヒュー・ジャックマン他/2時間7分/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給/12月9日(金)より丸の内ピカデリー他にて公開 http://disney-studio.jp/movies/realsteel/




『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』

2011.11.28 Vol.532


あのタンタンがド迫力のCGアニメとなって登場!



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©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.




 トレードマークはニッカボッカとクルっとはねた前髪。相棒は勇敢なフォックステリア犬・スノーウィ。世界中で幅広い世代に愛される少年記者・タンタンが、世界中で冒険を繰り広げるベルギーの名作漫画「タンタンの冒険」が、迫力のCG映像で映画化!



 長年、同作の映画化企画を温めてきたという巨匠スティーブン・スピルバーグ自らがメガホンをとった意欲作だ。映像スタッフには『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンと、『アバター』を生み出した彼のスタジオ「WETA」が参加。最新のフルデジタル3D技術を駆使して、タンタンの世界を迫力のアドベンチャー大作に仕上げている。さらに、映像をリアルにしているのが最新のパフォーマンス・キャプチャー技術。ボイスキャストを務めたジェイミー・ベルやアンディ・サーキス、ダニエル・クレイグらの感情豊かな演技を取り込み、デジタルキャラクターとして創造している。



 実写では撮影不可能かつ、リアルなアクションシーンの数々に、スピルバーグの冒険映画愛が詰まった一本。




STORY:伝説の軍艦・ユニコーン号の模型を手に入れた少年記者のタンタンは模型に隠された羊皮紙を発見するが、何者かに拉致されてしまう。そこでユニコーン号の船長の子孫・ハドックと出会い…。



監督:スティーブン・スピルバーグ 声の出演:ジェイミー・ベル、アンディ・サーキス他/1時間47分/東宝東和配給/12月1日よりTOHOシネマズ スカラ座他にて公開 2D/3D http://tintin-movie.jp/




石井聰亙改め石井岳龍監督が12年ぶりの劇場用長編作

2011.11.18 Vol.531
『狂い咲きサンダーロード』『逆噴射家族』などの石井聰亙改め石井岳龍監督の最新作『生きてるものはいないのか』の完成披露試写会が16日、都内で開催された。本作は小劇場を中心に活動する五反田団の前田司郎の戯曲を映画化したもの。舞台では独特の手法を用い大きな話題を呼んだ。前田は本作で第52回岸田國士戯曲賞を受賞している。



 この日は石井岳龍監督(石井聰亙改め)と主演の染谷将太が登壇した。



「毎年一本くらい企画は動いていたが、なかなか実現しなかった」という石井監督にとっては『五条霊戦記 GOJOE』以来、12年ぶりとなる劇場用長編作。「今まで映画とはダイアローグではなく、ビジュアルで見せるものだと思っていたが、それを考え直すきっかけとなった」と原作の印象を語った。染谷は今年、ヴェネツィア国際映画祭で最優秀新人賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞したのだが、石井監督は染谷を主役に起用した理由について、2009年に発表された『パンドラの匣』を見て「久々にスクリーン映えのする、力のある男優が出てきた。ぜひ仕事がしたいと思った」と語った。



 喫茶店の店員役の染谷は「ここまでの会話劇は初めて。言葉にできない不気味なおもしろさがある」と作品をアピール。撮影が始まったばかりのリハーサルの段階で煮詰まってしまい、石井監督に「喫茶店でアルバイトしてきます!!」と言って、翌日喫茶店でアルバイトをしたというエピソードを明かした。



 作品は2012年2月18日よりユーロスペース他にて公開。


『新少林寺 SHAOLIN』

2011.11.14 Vol.531


カンフー映画の金字塔が新たに誕生!!



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©2011 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved




 カンフー映画界の金字塔が、香港アクション映画界最高のスターを揃えて生まれ変わる! 1982年、日本でも爆発的なヒットを記録した名作『少林寺』が、29年の時を経て復活。『インファナル・アフェア』のアンディ・ラウを筆頭に、『孫文の義士団』のニコラス・ツェー、そして本作が99本目の映画出演作となるジャッキー・チェンも参加。ヒロインにはサントリー烏龍茶のCMでも知られるファン・ビンビン。監督は『香港国際警察/NEWPOLICESTORY』『プロジェクトBB』のベニー・チャン。



 一級のカンフーアクションを堪能できることは言うまでもないが、少林寺の映像にも注目を。実は、劇中の主な舞台となる少林寺は、本作の撮影のために新しく建設されたもの。建物だけでなく、大仏や境内の大木、外壁に至るまで徹底的にリアルさを追求して複製が作られている。このリアルな少林寺が戦いの場となるクライマックスの迫力はまさに見もの。



 命がけで民衆を守ろうとする男たちの姿が見る者の胸を熱くする感動の“カンフー”スペクタクルだ。




STORY:辛亥革命の混乱のなか少林寺の僧侶たちは懸命に人々を救助していた。あるとき粗暴な将軍・候杰が寺の中に逃げ込んだ敵を撃ち殺す。ところが候杰自身も、部下に裏切られお尋ね者となってしまう。



監督:ベニー・チャン 出演:アンディ・ラウ他/2時間11分/ブロードメディア・スタジオ、カルチュア・パブリシャーズ配給/11月19日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて公開 http://shaolin-movie.jp




ブラッド・ピット「あまり野球を知らなかった」

2011.11.14 Vol.531
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 ブラッド・ピットが最新主演映画『マネーボール』(ベネット・ミラー監督)のプロモーションのため、女優のアンジェリーナ・ジョリーと子供たちを引き連れて来日した。9日、東京国際フォーラムで行われたジャパンプレミアにはアンジェリーナとともにレッドカーペットをウォーク。温かい声援で2人を迎えたファンに「日本に来られてうれしいよ」と挨拶した。


 翌10日には都内で行われた記者会見に出席。ブラッドは開口一番「あまり野球を知らずに撮影に臨んだ」と、渋い笑顔で告白した上で、「野球は背景にありますが、正義の話」と、最新作について語った。映画は、メジャーリーグの貧乏で弱小なチームだったオークランド・アスレチックスを、独自の理論を用いて、常勝軍団に育て上げた実在の人物ビリー・ビーンをめぐるストーリー。ビリーがなぜ勝てたかとの問いには「彼の目標はトロフィーやリング、新聞の一面を飾ることではなく、自分の山を登ることだった」と答えた。経済や社会情勢などを絡めた質問が続出したことを受けて、ブラッドは「映画のヘビーな部分ばかり話してしまったけど(笑)、笑えるし楽しい映画だよ」と付け加え、会場を後にした。



塩にこだわって作った映画が12日に公開

2011.11.11 Vol.530
日本古来の自然海水塩づくりに焦点を当てたユニークなドキュメンタリー映画『ひとにぎりの塩』が、12日よりユナイテッド・シネマ豊洲で公開される。



石川県能登半島の奥能登・珠洲地域に400年以上昔から伝わる「揚げ浜式製塩法」を受け継ぐ浜士(はまじ)や、新たな製塩方法に挑む人々を通じて、自然海水塩づくりの再生と未来への継承を描くもの。



ユナイテッド・シネマ豊洲では公開に合わせ、塩やオーガニックをキーワードにしたイベントを実施する。ナレーションを務める、はなのトークイベント(12日14時〜)や、人気パティシエの辻口啓博と石井かほり監督が登場する「カラダとココロに効く塩&スイーツ」など。詳細は公式サイト(http://hitonigiri-movie.com)で。 


ブラッド・ピット 東北の野球少年にサインボール

2011.11.09 Vol.530
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  最新主演作『マネーボール』(11日公開)のプロモーションのために来日中の、ブラッド・ピットが9日、都内で行われた同映画のジャパンプレミアに出席した。ブラッドは「日本に来ることができてうれしいです」と、サングラス越しでも分かるキラキラした笑顔であいさつ。東日本大震災についても触れ、「何よりも震災が起こったことに心が痛んだ。旅をするなかでも、そのことを知るにつけて、日本を思いました。アスリートや、僕らのようなエンターテインメントに関わる人間が、傷ついた人たちに癒しを提供できたら」と、想いを語った。



 映画は、弱小球団を独自の理論を用いて、強いチームに育て上げたビリー・ビーンの半生を描く。それにちなんで、ジャパンプレミアでは、「被災地の野球少年にボールを届けよう!」プロジェクトの下で全国から集められた4159個のボールを、ブラッドが代表し、被災地で野球に打ち込んでいる中学生たちに手渡ししでプレゼント。中学生は「忘れられない思い出になりました」とコメントした。





AKB秋元才加、小島よしおの新ネタにキックでダメだし!

2011.11.07 Vol.530
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  韓国映画『第7鉱区』の試写会イベントが7日、都内で行われ、特別ゲストとしてAKB48の秋元才加が登場した。日韓共同石油開発地域“第7鉱区”を舞台に、作業員と謎の巨大深海生物との死闘を描く、モンスターアクション大作。ヒロインをイメージしたタンクトップ姿で登場した秋元は「もともと筋肉質で、ちょっと鍛えただけでもすぐ筋肉がついてしまうんです」とマッスルポーズ。その後も、ヒロインになりきって自らが命名したモンスターの名前をさけんだりと、観客を沸かせた。



  お笑い芸人の小島よしおは、本作のために用意してきたモンスターギャグ「バッコン、ベッコン、バッコン、ベッコン、お年寄りには優しいぞ〜」を披露したが、秋元は「正直、期待はずれでした」と厳しいジャッジ。合気道二段の腕前を持つ秋元からキックで“カツ”を入れ、モンスターギャグはあえなく撃沈した。「モンスターの側から映画を見てもらうとよいのでは」と小島らしい?コメントで幕を閉じた。



  11月12日より新宿バルト9他にて公開。


『マネーボール』

2011.11.07 Vol.530


ブラピが“メジャーボールを変えた男”に!



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『ソーシャル・ネットワーク』の製作陣が、ブラッド・ピットを主演に迎え、メジャーリーグを舞台に描く奇跡のトゥルーストーリー。ブラピが演じるのは、卓越したチームマネジメントや球団運営で知られ、メジャーリーグの名GMの1人として称えられるビリー・ビーン。メジャーリーグの異端児といわれながらも、独自の理論を貫き野球界の常識を変えた人物だ。プロ野球選手から球団のフロントに転身した異色のGMが、いかにして貧乏球団を常勝軍団へと変えていったのか。彼が、イェール大経済学部卒だが野球経験の無いピーターと出会って生みだした“マネーボール理論”とは…? 



 短気で風変わりなビリーと野球経験のないピーターのコンビが、周囲からバカにされ空回りしながらも、しだいに大きな奇跡を成し遂げていく様子は痛快の一言。ビジネス書としても人気の原作を、感動のサクセスストーリーとして楽しめるおススメの一本。




STORY:元プロ野球選手のビリー・ビーンは若くしてアスレチックスのGMとなるがクセのあるマネジメントが災いしてか、チームは低迷続き。あるときビリーは、野球経験はないがデータ分析が得意なピーターと出会い、野球界の常識を覆す独自の理論を生みだしていく。



監督:ベネット・ミラー 出演:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン他/2時間13分/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/11月11日(金)より丸の内ピカデリー他にて公開 http://www.moneyball.jp




仲里依紗インタビュー 妊婦ヒーローになる!

2011.11.07 Vol.530

気鋭・石井裕也監督最新作で“妊婦ヒーロー”役! 『ハラがコレなんで』


判断基準は粋か粋じゃないか。自分のことより他人のことを優先させる“妊婦ヒーロー”登場! この個性的すぎるキャラクターも、彼女が演じれば愛すべき主人公になる。注目の実力派女優・仲里依紗を直撃!


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ヘアメイク:宮澤譲 スタイリスト:栗田泰臣(エトレンヌ) 撮影:神谷渚



 思えば『ゼブラーマン ーゼブラシティの逆襲ー』をはじめ個性的なキャラクターを演じることが多いような…。「お話を頂いて脚本を読んでみると“今度もユニークな人物だなあ”って思うことが本当に多いんですよ。そういう役が求められる何かがあるのかな(笑)」


 本作で演じるのは、さまざまな人を勇気づける妊婦という役どころだ。


「何しろ“妊婦ヒーロー”ですからね。最初にその言葉を監督から聞いたときに“え?”って思いましたよ(笑)。でも演じていくうちに、どんどん分かってきて面白くなっていきました。光子ってすごいんですよ。自分も大変な状況なのにそんなこと全く見せないで人のことばかり心配するし、思い切りの良さとかもハンパないし。そんな自分のペースに、どんどん周りを巻き込んでいくんです」


 光子は、金無し、家無し、ダンナ無しの妊婦。“粋”に生きることを信条とし、少しのことでは動じない。かなり個性的な人物だが、仲が演じる光子は観客の心にすんなりと入り込んでしまう。


「確かにかなり強烈な人物なんですけど、実はちゃんと“女の子”の部分もあって、私はそこがすごく好きなんですよね。ラスト、産気づいた光子が陽一に支えられながら“一人じゃなくてよかった”と言うところがあるんですが、私はそこで、ヒーローじゃない光子の人間性を感じたというか。誰かに支えられてほっとする姿に、安心したんですよね。ただ、光子は一方的にワーッとしゃべるし、自分の妄想でいきなりもらい泣きするし(笑)、相手の人と芝居を作っていくというより、一人芝居状態になりがちだったので、そのあたりが難しかったですね」


 かつて住んでいた長屋に戻った光子は、その“粋”な行動力で長屋の人々に変化をもたらしていく。旬な若手俳優・中村蒼が不器用な青年・陽一を好演。


「蒼くんとは何年かぶりの共演だったんですけど、すごく大人になられていて。この作品が、10代最後の作品だったんですよね。撮影中に20歳の誕生日を迎えたんですよ。大人になっていく姿を見ることができたなあ、と勝手にお姉さん目線で見ていました(笑)。蒼くんて、いわゆる“イケメン”という役が多いイメージがあったので、最初は陽一を蒼くんが演じると聞いてすごく意外に思ったんですよ。だけど、現場に入ったら“陽一”がいましたね。あの、もさっとした感じとか、ぜんぜん蒼くんじゃない(笑)」


 陽一の叔父・次郎役はベテラン・石橋凌。


「石橋さんて、悪役とか重厚な役のイメージがありましたけど、今回は全然違っていて、さすがだなと思いましたね。光子にすごい勢いで一方的に説教されてオロオロして、あげくに頭叩かれて(笑)。石橋さんを叩くってすごい経験ですよね、二度と無いですよ(笑)」


 不器用すぎて幸せをつかめない人々の中に飛び込んだ妊婦ヒーロー・光子の珍妙な活躍に大笑い間違いなし。


「いろんなことがハチャメチャなんですけど、実はすごく大きなメッセージが込められている作品なんです。少しだけでも、自分より誰かのために行動できたら世界は変わるんじゃないか…そんなことを、おもしろおかしく伝えるのも、この映画のいいところだと思います」


 今こそ、求められるメッセージ。そう思わずにはいられない。


「今私が思うのは、自分にできること、目の前にあることをきちんとやろう、ということですね。光子って、とりあえず目の前で困っている人に精いっぱいの手助けをするんですよ。リストラされたサラリーマンになけなしの小銭をあげたり(笑)。後先のこと考えて何もしないくらいなら、小さなことでも目の前のことを片付けていくほうがいい。そうしたらいつかゴールが見えるかもしれない。で、ちょっと道に迷ったら光子のように昼寝して風向きが変わるのを待つ、と(笑)」


 光子を通して女優・仲里依紗の“粋”が伝わる、おススメ映画!


(本紙・秋吉布由子)







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『ハラがコレなんで』


監督:石井裕也 出演:仲里依紗、中村蒼他/1時間49分/ショウゲート配給/11月5日より渋谷シネクイント他にて公開 http://harakore.com/
©2011『ハラがコレなんで』製作委員会



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